専業主婦(主夫)にも医療保険は不要~入院しても収入が減らないからダメージが少ない

更新

医療保険の必要性を考える連載第19回です。

前回は自営業者にとっての医療保険の必要性について書きました。

今回は専業主婦(主夫)にとって一般的な医療保険が必要かどうかを考えてみました。

専業主婦の入院費用は、配偶者(結婚相手、夫または妻)の属性によって大きく変わります。

ただ、専業主婦(主夫)は普段は収入がありませんから、その分だけ入院費用が安く済みます。

配偶者の属性にかかわらず、専業主婦(主夫)の入院に備えて医療保険に入る必要はありません。

まず最初に:入院費用試算の前提について

今回は、専業主婦(主夫)の入院費用について‥

  • 35歳、食費1.5万円/月、お小遣い1万円/月、配偶者の月間所得30万円
  • 保険診療しか受けない
  • 傷病手当金は支給されない
  • 入院開始後1年半を経過した時点から障害基礎年金(2級)を受給する
  • 子供は二人で、いずれも障害基礎年金の加算対象となる

という前提で計算し、それに基づいて医療保険の必要性を判断します。

専業主婦なので、働いている人よりは外食が少ないものとして、食費1ヶ月分を15,000円として計算しています。

医療保険の必要性を判断するには、入院費用計算の考え方・高額療養費・傷病手当金への理解が必要です。以下の記事には必ず目を通して下さい。

医療保険の必要性については、以前に書いた通りなのですが‥

専業主婦(主夫)は収入がありません。だから入院しても収入は減りません。

そのため、働いている人よりも、入院に備えて保険に入る必要性はさらに下がります。

働いている人ですら医療保険の必要性はないわけですから、専業主婦(主夫)に医療保険なんて要らないわけです。

以下、様々なケース別にそのことを確認していきましょう。

配偶者が一般会社員である専業主婦(主夫)の場合

配偶者が一般会社員である専業主婦(主夫)の場合、1年半入院しても入院費用は約150万円です。

これくらいなら、貯蓄と借入で何とかなります。医療保険は必要ないですよね。

また、入院期間が1年半を超えると障害基礎年金を受給することができるようになります。

そのため、入院1年半後からは収入減がゼロどころかマイナス(つまり収入増)となり、かえって入院費用が減っていきます。

医療保険の出番はますますなくなります。

配偶者がシャープ社員である専業主婦(主夫)の場合

このブログでは、一般社員より恵まれた大企業社員の代表例として、シャープ社員の例をよく使います。

シャープ社員を配偶者に持つ専業主婦(主夫)の入院費用を見てみましょう。

シャープ社員を配偶者に持つ専業主婦(主夫)は、一般社員を配偶者に持つ専業主婦(主夫)より恵まれています。

1年半入院しても入院費用は約80万円です。3年間入院すると、入院費用がマイナスになります(つまり儲かってしまいます)。

シャープ社員を配偶者に持つ専業主婦(主夫)にも医療保険は不要です。

配偶者が教師または公務員である専業主婦(主夫)の場合

配偶者が教師または公務員である専業主婦(主夫)は、シャープ社員を配偶者に持つ専業主婦(主夫)より、さらに恵まれています。

以下は、配偶者が三重県公立学校教師である専業主婦(主夫)のケースですが‥

2年間入院すると入院費用がマイナスになり、儲かってしまいます。

三重県公立学校教師以外の教師や公務員を配偶者に持つ専業主婦(主夫)についても、大企業社員を配偶者に持つ場合よりも、さらに恵まれているはずです。

配偶者が教師または公務員である専業主婦(主夫)にも医療保険は不要です。

配偶者が自営業者である専業主婦(主夫)の場合

配偶者が自営業者である専業主婦(主夫)の場合は、入院費用は一般社員並みです。

一般社員を配偶者に持つ場合と同様、医療保険は不要です。

専業主婦(主夫)が育児家事作業の外注に備えて 医療保険に入る必要性も全く無い

ここまで見たように、専業主婦(主夫)にとって、医療保険の必要性はゼロです。

専業主婦(主夫)にかけている医療保険は即刻解約するべきです。

そのかわり、保険以外の備えをきちんとすることが大切です。

ところが専業主婦にも医療保険が必要だと言う人もいます。

専業主婦が入院すると家事育児を外注しなければならない。

というのがその理由のようです。


たしかに、専業主婦が普段行っている育児家事作業をすべて外注すると、支出が増えます。

家事代行の相場は時間あたり2,000円ほど~、ベビーシッターは時間あたり1,500円ほど~、(専業主婦に生命保険はいらない!?|保険比較ライフィ

確かに痛いですが、家事外注が原因で家計が破たんするなんてことほとんどないと思うんですよね。

ウェブシュフ
家事外注に備えて保険に入るというのはおかしい

と私は思うんです。

保険はあくまで、支払える程度の損と引き換えに家計破たんリスクを確実に回避するために使うものですからね。

実際、自助努力や親族からの助けで何とかなるケースがほとんど

医療保険に限りませんが、リスクに備えるのに保険を使うのは最後の手段です。保険料というコストがかかりますからね。

専業主婦の入院についていえば、保険に頼る前に以下のことについて検討するべきでしょう。

まず自助努力が大事です。

  • 子供に家事をさせられるのでは?
  • 夫(妻)にももっと家事をさせられるのでは?
  • 家事外注費くらいは貯蓄から出せるのでは?

次に両親や義父母を頼れませんか。

  • おじいちゃんおばあちゃんに家事育児を助けてもらえるのでは?
  • おじいちゃんおばあちゃんに子供を預けられるのでは?
  • おじいちゃんおばあちゃんから資金援助を受けられるのでは?

保険以外のあらゆる手段を検討すれば、殆どの場合、

ウェブシュフ妻
別に保険に入る必要はないよね。

という結論になるはずですよ。

配偶者に先立たれても専業主婦(主夫)に医療保険は不要

配偶者に先立たれた場合を考えると、専業主婦(主夫)の方は不安になるものです。

私は、収入激減で2年ほど地方公務員(教師) である妻の扶養家族となり、専業主夫同然となっていたことがあります。

その後、兼業主夫と言える程度に収入は回復しましたが、 専業主夫同然であるころは‥

ウェブシュフ
妻に先立たれた後に医療保険は必要ないのだろうか?

ということを真剣に考えていました。

いろいろと調べた結果、妻に先立たれた後の入院費用としては最大で150万円程度を用意すれば十分であることが分かりました。

今は

ウェブシュフ
妻に先立たれた専業主夫に医療保険は不要。

と考えています。以下で詳しく説明します。

妻に先立たれると、専業主婦(主夫) は高額療養費の付加給付を受けることはできないが‥

私の妻は地方公務員(教師)です。

私が専業主夫であれば、妻の扶養親族として、公立学校共済組合の規定による高額療養費の付加給付を受けることができます。

また、教職員互助会からは、さらに上乗せ給付を得ることが出来ます。

妻が地方公務員(教師)である専業主夫は、妻が健在なうちは医療保険は必要ありません。

妻に先立たれると、専業主夫は国民健康保険に加入することになります。

これは、妻が地方公務員(教師)である専業主夫はもちろん、それ以外の専業主夫についても同様です。

国民健康保険に加入すると、付加給付等の恩恵がなくなってしまいます。

ですから、妻に先立たれた専業主夫は、その後の医療費が少々心配になって「医療保険に入らなくても大丈夫かなあ?」と思ってしまうものです。

付加給付がなくても、専業主婦(主夫)の入院費用は最大で150万円程度。

妻に先立たれて付加給付の恩恵を受けることができなくなっても、専業主夫の入院費用は大したことがありません。

次の表は、国民健康保険に加入する専業主夫の入院費用について‥

  • 食費1.5万円/月、お小遣い1万円/月
  • 保険診療しか受けない
  • 入院開始後1年半を経過した時点から障害基礎年金(2級)を受給する
  • 障害基礎年金の加算対象となる子供は1人
  • 福祉医療費助成制度は利用しない(自治体ごとに制度が異なるので、

という前提で試算したものです。

妻に先立たれた専業主夫の入院費用(障害ね遠近の加算対象地なる子供は一人)

妻に先立たれた専業主夫が1年半入院した場合の入院費用は、せいぜい150万円程度ですね。

入院期間がそれ以上延びる場合は、障害基礎年金を受けることができるようになるため、入院費用は減っていきます。

さらに、ひとり親家庭に対する福祉医療費助成制度によって、入院費用はもっと軽減されます。

ひとり親家庭に対する福祉医療費助成制度は、自治体ごとに異なります。

伊賀市の例については次の記事で書きました。

配偶者に先立たれた後、150万円を難なく支払えるなら医療保険は不要

妻に先立たれた専業主夫が、貯蓄や借入で150万円を難なく支払えるならば、入院リスクに対する備えは出来ていると言えます。

医療保険に加入する必要はありません。

150万円の支払いが不安なら、医療保険に入ってはいけない

では「貯蓄や借入で150万円を難なく支払える」とは言えない場合はどうでしょうか。

医療保険に入っておかなければ、入院した時に大変になりそうですよね。

だから医療保険に入るのが正解に見えるかも知れませんが、実はそうではありません。

逆にこの状況では医療保険に入ってはいけないのです。医療保険への加入が大きなギャンブルになってしまうからです。

お金がないのに医療保険に入ると、入院以外のリスクへの備えが薄くなる

医療保険に入ると、一生の間に100万円程度の保険料を支払うことになり、その分だけ家計の支払能力が落ちます。

医療費に備えて用意すべき150万円の支払いが心配な状況で、家計の支払能力を100万円も落とすと、50万円の支払いすら心配な状況になるわけです。

それでも入院リスクに対する備えはまずまず安心になります。

しかし、入院以外のリスクに対する備えはどうでしょうか。ますます薄くなりますよね。

50万円の支払いすら心配な状況では、入院以外のリスクに保険を掛けるわけにもいきません。

つまり、医療費に備えて用意すべき150万円の支払いが心配な状況で医療保険に入るのは、「入院リスクに対する備えだけを厚くして入院以外のリスクに対して目をつぶる」というギャンブルなんです。

だから、150万円の支払いに不安があるほどお金がないなら、医療保険に入ってはいけないのです。

配偶者に先立たれた専業主婦(主夫)の医療費はどのように用意するべきか

繰り返しますが、配偶者に先立たれた後の医療費が心配でも、医療保険に入ってはいけません。

では、妻に先立たれた後の医療費の支払いに不安がある専業主夫は、医療費の支払いに対してどのように備えれば良いのでしょうか。

働いて150万円貯める

一番いい方法が、働いて150万円ほど貯蓄を増やすことです。

妻が先立たれた後に専業主夫を続ける予定にしているということは、何事もなければ専業主夫を続けられる目処が立っているということです。

妻に先立たれた後の医療費に不安があるなら、150万円をあらかじめ用意しておけばいいだけです。

その方法として一番オーソドックスで確実なのは、妻の生前に、専業主夫が働いて150万円貯めることです。

働いて毎月5万円ずつ貯めていけば、30ヶ月で150万円になりますよね。

そんなに難しいことではないですよね。

妻にかける死亡保険金を150万円増やす

働いて150万円貯めるのは良い方法なのですが、150万円貯まる前に妻に先立たれるとまずいです。

そこで、妻にかけている生命保険の死亡保険金の金額を、150万円ほど増やしておきます。

お金が貯まったら、死亡保険金を減額して元の金額に戻せばいいです。

まとめ

専業主婦(主夫)に医療保険は不要です。

たとえ配偶者に先立たれても不要です。

配偶者に先立たれた後の医療費が心配な専業主婦(主夫) は、配偶者の生前に150万円貯まるまで働くのが一番です。

150万円貯まる前に配偶者に先立たれることが心配なら、妻に掛ける生命保険の死亡保険金の金額を、150万円以上増額しておくと良いです。

なお、死亡保険金の金額を適正に計算するには、きちんとしたライフプランを立てることが必要です。

配偶者に先立たれた後の医療費が心配な専業主婦(主夫) の方は、医療費だけを考えるのではなく、ライフプラン全体を真剣に考えてみてはどうでしょうか。

次回は‥子供に医療保険が必要か

次回は、子供に医療保険が必要かどうかについて書きます。

専業主婦(主夫)にも医療保険は不要~入院しても収入が減らないからダメージが少ない」への2件のフィードバック

  1. ぱんだ

    ウェブシュフ様
    今回保険の見直しに際してとても参考にさせて頂いております。
    我が家は私が公務員(教員)、夫が専業主夫、二歳の子供一人の三人家族です。

    さてひとつ疑問に思ったことがあります。
    専業主夫に医療保険の必要性をあまり感じないというのは大変わかりやすいご説明でしたが、
    これは定年前に私が死亡しないという前提ということで宜しいでしょうか。
    もし不幸にも私が死亡してしまった場合、主夫である夫に対する付加給付制度の恩恵(上限)もなくなるため
    万が一私の死亡以後に備えてやはり主夫にも医療保険が必要という考え方にはならないのでしょうか。
    なかなか理解が追い付かず、見当違いな質問でしたら本当に申し訳ございません…。

    返信
    1. ウェブシュフ 投稿作成者

      ぱんだ様、はじめまして。コメントありがとうございます。

      お尋ねの点について、私の考えを回答いたします。

      >専業主夫に医療保険の必要性をあまり感じないというのは大変わかりやすいご説明でしたが、これは定年前に私が死亡しないという前提ということで宜しいでしょうか。
      いいえ、定年前に配偶者が死亡した場合も、専業主夫に医療保険は不要だと考えます。

      >もし不幸にも私が死亡してしまった場合、主夫である夫に対する付加給付制度の恩恵(上限)もなくなるため
      おっしゃるとおりです。ぱんだ様に万一のことがあった場合、ご夫君は国民健康保険に加入することになり、付加給付はなくなります。

      >万が一私の死亡以後に備えてやはり主夫にも医療保険が必要という考え方にはならないのでしょうか。
      万一ぱんだ様が亡くなられ、ご夫君が付加給付の恩恵を受けられなくなったとしても、ご夫君には医療保険は必要ないと考えます。

      ●なぜ医療保険が不要なのか
      ●医療費はどのように準備するのか

      という点については長くなってしまうので、新たに記事を書きました。

      配偶者に先立たれた専業主婦(主夫)の入院費用は最大で150万円程度。医療保険は不要です。

      ぱんだ様の参考になれば、幸いです。

      返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です