エクセルで済ませた仕訳をまとめてクラウド会計にアップロード


1年分会計作業を貯めてしまっているブロガー・アフィリエイター向けに、「決算と確定申告書作成はクラウド会計、それ以外はエクセルで書類準備を行う青色申告シリーズ」をお送りしています。

前回は第10回でした。

[img-link url=”https://webshufu.com/turn-csv-into-journal/” title=”銀行の取引明細CSVファイルから手動で効率的に仕訳を作る方法”]

今日は第11回です。

今までにエクセルで済ませた仕訳を全て一枚の「仕訳帳-本体」ファイルに集めて、クラウド会計にアップロードします。

仕訳を入力する作業はエクセルのほうが圧倒的に早い

私は、2016年分の青色申告帳簿は、エクセルだけを使ってすでに仕上げてあります。

しかし、今年は、クラウド会計を使った青色申告作業にも挑戦してみることにしました。

少し触ってみて思ったのが、仕訳はエクセルでやったほうがいいということです。

アフィリエイト売上の仕訳はエクセル

アフィリエイト売上の仕訳は、クラウド会計でやるよりも、エクセルでやったほうが速いですね。

エクセル関数の知識が少しあれば、あっという間に仕訳が出来上がるエクセルファイルも作れますし…

関数が苦手で手動で仕訳を作るにしても、ちょっとやり方を工夫すれば、大部分がコピぺ入力可能です。

銀行取引の仕訳もエクセル

銀行取引の仕訳も、エクセルが便利です。

開始仕訳・現金取引の仕訳もエクセル

開始仕訳もクラウド会計よりもエクセルでやったほうが効率的にできます。

現金取引の仕訳も、エクセルに手入力したほうが速いです。開始仕訳を行った「仕訳帳-本体」に書き込んでおきましょう。

私の現金決済は取引はわずかで20行ほどで、全て交際費(同業者会合の飲食費)でしたから入力作業が楽でした。

クレジットカードや銀行決済を増やして現金決済の数を減らすのも、青色申告をスムーズに進めるためのコツですね。

結局、仕訳はほとんど全て、クラウド会計でやるよりエクセルのほうが速いと思います。

じゃあ、クラウド会計では何をすればいいの?

仕訳はクラウド会計よりエクセルのほうが得意です。

しかし、青色申告に向けて作らなければいけない帳簿は、仕訳帳だけではありません。

仕訳帳以外に最低でも総勘定元帳は作らなければなりません。

この総勘定元帳をエクセルで作ることもできますが、それにはマクロと関数の少なくともどちらか一方をそれなりの水準で使いこなさなければなりません。

しかし、クラウド会計で、総勘定元帳を作るのは、とても簡単です。

仕訳帳をアップロードすればそれなりのものを作ってくれます。

青色申告決算書や確定申告書の作成もクラウド会計が便利かもしれません。

クラウド会計は、帳簿と青色申告決算書が連動しているので、青色申告決算書や確定申告書の作成が簡単です。

書類作成のための入力作業がとても少ないので楽です。

エクセルでやった仕訳を仕訳帳-本体に集めましょう

エクセルでやったほうがいい仕訳はほとんど終わりましたから、これまでやった仕訳をコピペで「仕訳帳-本体」に集めましょう。

ペーストするときは、普通に張り付けるのではなく「値のみ」を貼り付けるのがいいです。

同じ仕訳を重複してコピペしないように注意する

アマゾンの取引明細から作った仕訳をコピペするときは注意してください。

ASPの取引明細から作った仕訳に、「預金(楽天)〇〇〇/ 売掛金〇〇〇」のような売掛金が銀行に入金される仕訳が含まれる場合、銀行明細とダブるのでコピペする対象から外します。

それには、借方勘定科目でフィルタをかけるといいです。借方勘定科目で「預金…」となる仕訳を表示しないようにすると…

すると、「預金(楽天)〇〇〇/ 売掛金〇〇〇」のような、売掛金が銀行に入金される仕訳はすべて消えます。

これをコピペすればいいですね。

摘要欄でソートして勘定科目の空欄を埋める

さてこれで今までエクセルでやった仕訳はすべて「仕訳帳-本体」に集まりました。

ここで摘要欄でソートしましょう。すると、似たような取引別にグルーピングされた状態になるわけですが…

空欄が目に付くはずです。なぜなら銀行明細をコピペで仕訳化した時に、借方化貸方のどちらかは空欄になったままだからです。

空欄は今から埋めます。例えば以下の空欄ですが、「AMAZON JAPAN G.K.」から楽天銀行の口座に入金されたことはすぐにわかりますよね。

空欄になっている貸方勘定科目は「売掛金(アマゾン)」ですね。

こんな感じで、摘要欄と相手科目がわかれば、たいてい勘定科目の空欄は埋められますので、頑張って埋めてください。

ASPから売掛金が振り込まれたときの手数料が計上漏れになっていませんか

アフィリエイターやブロガーが忘れやすい仕訳として、ASPから売上が振り込まれたときの支払手数料の計上があります。

ASPによっては売上振込時の手数料をブロガーやアフィリエイターから徴収しないところもありますが、アマゾンアソシエイトやA8.netは売掛金から手数料を差し引きます。

このうち、アマゾンアソシエイトからの売上については、手数料が差し引かれた事実を全て仕分けにしてあります。

しかし、 A8.net についてはまだそれをしていませんので、今からします。

と言っても、 A8.net からゆうちょ銀行に売上が振り込まれた日付全てについて、

支払手数料 30 / 売掛金 30

という仕訳を追加するだけです。簡単ですね。

売掛金と預金には()で会社名を付けましたか

売掛金と預金は、かっこ書きで会社名や銀行名を明らかにしておいたほうがいいです。

私の場合、預金については確実にできているのですが、売掛金については()で取引先を書くのをよく忘れます。

というわけで、ここで確認します。

()書きのない「売掛金」は、摘要欄を見て取引先を()で書くようにしてください。

仕訳帳の貸借が一致したら仕訳帳をクラウド会計にアップロード

最後に借方金額の合計と貸方金額の合計が一致していることを確認してください。

仕訳を日付でソートして、クラウド会計にアップロードしましょう。

freeeにアップロードしてみました。

私は2016年度についてはクラウド会計としてfreeeを選択しましたので、freeeの場合で説明します。

[img-link url=”https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/216527163-Excel%E3%81%8B%E3%82%89freee%E3%81%AB%E4%BC%9A%E8%A8%88%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E8%BE%BC%E3%82%80″ title=”Excelからfreeeに会計データを取り込む – freee ヘルプセンター”]

※グーグルスプレッドシートで仕訳をした人は「形式をしてダウンロード⇒Microsoft excel」で仕訳をダウンロードしてから、freeeにアップロードしてください。

基本的には上のヘルプページに沿って作業すれば取り込めますが、以下で少々補足します。

各列の読み込む項目を設定

データを取り込んだら「各列の読み込む項目を設定」適宜設定してください。

次に「③新規データの設定」ですが、勘定科目名の横に×が出た場合は、freeeが勝手に勘定科目名を書き換えようとしています。

「freee に登録する勘定科目」は全て「読み込まれた勘定科目」と同じにした方が色々やりやすいです。

×をクリックして書き換えを阻止するのがおすすめです。

勘定科目カテゴリーと決算表示名の設定

次に、勘定科目カテゴリーと 決算表示名の設定ですが、

以下のように設定するといいでしょう。

freee に登録する勘定科目 勘定科目カテゴリー 決算表示名
売掛金 資産>流動資産>売上債権 売掛金
預金(〇〇) 資産>流動資産>現金・預金 その他預金
売上 収入金額 売上高
開始残高 資本>元入金 元入金

他の勘定科目は適宜登録して「レポート⇒仕訳帳」から仕訳を確認しましょう。仕訳が並んでますよね。でもこれはエクセルの仕訳帳と同じ内容です。

エクセルファイルをfreeeにアップロードしたら、総勘定元帳と試算表ができあがる

さて、エクセルファイルをfreeeにアップロードしたら、総勘定元帳と試算表が出来上がります。

[img-link url=”https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/203059914-%E8%A9%A6%E7%AE%97%E8%A1%A8-%E6%90%8D%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%9B%B8-%E8%B2%B8%E5%80%9F%E5%AF%BE%E7%85%A7%E8%A1%A8-%E3%82%92%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%81%99%E3%82%8B?utm_source=secure.freee.co.jp&utm_medium=product&utm_content=global_menu&utm_campaign=lead_help&_ga=1.165349244.296125406.1487951505″ title=”試算表(損益計算書・貸借対照表)を確認する – freee ヘルプセンター”]

[img-link url=”https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/202848050-%E7%B7%8F%E5%8B%98%E5%AE%9A%E5%85%83%E5%B8%B3%E3%82%92%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%81%99%E3%82%8B?utm_source=secure.freee.co.jp&utm_medium=product&utm_content=global_menu&utm_campaign=lead_help&_ga=1.243991238.296125406.1487951505″ title=”総勘定元帳を確認する – freee ヘルプセンター”]

決算整理仕訳をエクセルファイルで行ってアップロード

家事按分、貸倒引当金、減価償却などの決算整理仕訳は、freee内の総勘定元帳や試算表を見ながら、エクセルで行います。

決算整理仕訳は独立したエクセルファイルを作ってそこで行うのがいいと思います。

仕訳が終わったら、決算整理仕訳を下エクセルファイルをfreeeにアップロードします。

決算振替仕訳と損益計算書作成・貸借対照表作成

再度freeeの総勘定元帳と試算表を見ましょう。

次は、決算振替仕訳と損益計算書作成・貸借対照表作成なのですが、freee内でやってしまう手もありますし、エクセルでやることもできます。

そして、これもまた、エクセルのほうが速そうです。

総勘定元帳を効率よく印刷するには課金するしかない仕組み…

決算振替仕訳と損益計算書作成・貸借対照表作成をエクセルでやろうがfreeeでやろうが、作業が終了したら仕訳帳と総勘定元帳を印刷する必要があります。

効率よく印刷するには、ウェブページを印刷するのではなく、データをエクスポートして印刷する必要があります。

しかし無料会員ではこのエクスポートに制限がかかります。

エクスポートは有料会員限定サービスにしないと、freeeとしてはただ乗りされ放題になりますから、これは仕方ありません。

freee は「最低限の簿記の力はあるけどエクセルが苦手」という人にもいいかもしれません。

では私がfreeeの有料会員になるのかと言えば、答えはNOですけどね。

freee を使って効率化できるのは、総勘定元帳と試算表の作成だけで、その他の仕訳はエクセルでやったほうが効率的です。

簿記3級レベルの決算手続きを参考書などを見ながらなんとか自力でこなせるくらいの簿記力がある人にとって、freeeに980円/月なり1980円/月を払う意味があるのかな…という感想を持ちました。

ただし、エクセルが苦手過ぎて、ソートやコピペで入力を効率化することができず、関数が全く使えないという人にとっては、freeeも悪くないかもしれません。

とりあえず、簿記を知らなくても青色申告が独力でできる、ということはないのでそのあたりは誤解しないようにしたいです。


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