保険証のパワーで医療費の自己負担割合は3割以下になる

連載:医療保険は不要 第4回です。

前回は、公的医療保険は種類ごとに保障内容の手厚さが大きく違う ことについて書きました。

今回からしばらくは公的医療保険の保障内容を説明します。

公的医療保険の保障内容と言うと堅苦しいですが、要するに「保険証のパワーで怪我や病気のコストがどれだけ少なくなるか」ということです。

保険証のパワーを知った上で、「保険証では力不足」と感じる点があるなら、民間医療保険に入ればいいです。

自己負担割合は厚生労働省作成の図がわかりやすい!!

医療費の自己負担割合については、厚生労働省作成の図に要点がまとまっています。

医療費の自己負担割合は

  • 小学校入学前の子供は2割
  • 小学校入学後70歳になるまでは3割
  • 70歳以上でも現役並みに稼ぐ方は3割
  • 現役並みに稼げない70歳以上75歳未満の方は2割
  • 現役並みに稼げない75歳以上の方は1割

とってもわかりやすいですね。

医療費の自己負担割合については、加入する公的医療保険の種類によって差がつくことはありません。

国民健康保険でも共済組合でも、自己負担割合については保険証のパワーは同じです。

保険証のパワーにさらに助太刀!!子ども医療費助成制度

小学校入学前の子供にかかる医療費の自己負担割合については、2割からさらに下がります。

すべての自治体で子供の医療費に対する助成が行われているからです。

子どもの医療費に対して、すべての都道府県・市区町村で独自の助成が行われており、都道府県では「就学前まで」、市区町村では「15歳の年度末まで」の助成をしている自治体が多い。また一部負担をゼロとしている自治体は、都道府県では9県と少数派だが、市区町村では6割超と多数派になっている―。(全都道府県・全市区町村で子ども医療費に何らかの助成、中には22歳まで助成する自治体も―厚労省 | メディ・ウォッチ | データが拓く新時代医療)

私の地元である三重県伊賀市でも、中学卒業までの子供の医療費は無料です。すなわち自己負担割合はゼロ!!

お子様がいる方、お子様ができる予定の方は、お住まいの自治体の子ども医療費助成制度を調べておきましょう。

「子ども医療費助成制度 (自治体名)」で検索するといいですよ。

例:子ども医療費助成制度 世田谷区 – Google 検索

自己負担割合が3割以下でも、医療費総額が1億円かかると家計は破綻する

保険証のパワーで医療費の自己負担割合が3割以下で済むと言っても、医療費の総額が莫大な金額になると、家計は破綻します。

例えば、医療費が1億円かかった場合、自己負担3割なら自己負担額は3,000万円です。自己負担が1割でも自己負担額は1,000万円です。

医療費が1億円かかることなんてあるの?大げさ過ぎ。

そう思ったあなたへ。実はそうでもないんですよね。

医療機関での高額な治療が増え続けている。健康保険組合連合会(健保連)の集計によると、患者1人あたりの医療費が1カ月で千万円以上だった例が、2016年度は484件となった。15年度に比べて件数は3割以上増え、過去最多になった。1カ月で1億円を超えた治療も2件あった。(医療費「月千万円以上」過去最多の484件、昨年度:日本経済新聞)

自己負担割合が3割で医療費が1億円/月だと、自己負担額は3000万円です。恐ろしいですよね。


自己負担割合が1割でも、総医療費が1億円だと自己負担額は1,000万円。

ですので、保険証のパワーで自己負担割合が3割・2割・1割に抑えられても、それだけでは不十分なんですよね。

次回は「医療費の自己負担額が際限なく膨らまないようにしてくれる」保険証のスゴいパワーについて書きます

しかし保険証のパワーは、自己負担割合を3割・2割・1割に抑えるだけじゃないんです。まだあるんです。スゴいんです。

医療費が一定額を超えて膨らんだときには、超えた部分については自己負担割合を1%または0%(低所得者)に引き下げてくれるんです。

この仕組を高額療養費といいます。この仕組があるから今のところは民間医療保険に入る意味が見出しにくい。そう言っても過言ではないくらいの仕組みです。


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