長生き対策の切り札はトンチン保険などの生存保険

生存保険の登場人物

妻は公務員で中学教師です。@web_shufuです。最近「長生きした時に貯蓄が底をつかないか」と心配です。

このような心配に応えるのが生存保険です。生存を保険事故とする保険なので、ある時点で生き残っている人を対象として、保険金が支払われます。

なかでもトンチン保険は、生き残った人が掛け金を総取りする形になり、ギャンブル性が強いですが、長生きに備える保険としては優れています。

生存保険は保険の形をした生き残りゲーム

生存保険はまさに生き残りゲームです。例えば

[bubble speaker=”保険会社” imgurl=”/img/male-biz.png” type=””]加入者は100万円の保険料を支払い、30年後に生存者で保険料合計を山分けする[/bubble]

という生存保険に50人が加入し、加入者のうち5人だけが30年後に生き残った場合、生き残った人は保険金として1000万円を手にします。

[bubble speaker=”保険会社” imgurl=”/img/male-biz.png” type=””]生き残った人は老後の資金を効率的に増やせていいでしょ?[/bubble]

死んだ人は保険料100万円を損しますが、

[bubble speaker=”保険会社” imgurl=”/img/male-biz.png” type=””]死んだらお金は要らないから問題ないでしょ。[/bubble]

という考え方であれば、損をしても不幸じゃないですね。

生存保険はこういう考え方でできた保険です。

保険金は一時金で支払われる場合もあれば、年金形式で支払われる場合もあります。年金形式で支払われる場合、個人年金保険と同様の支払い方式が考えられます。

早死にしたら給付はないし解約もできない

生存保険は、ある時点まで生き残れなかった場合には、給付が全くありません。また途中解約もできませんから解約返戻金を受け取ることもできません。
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[bubble speaker=”ウェブシュフ妻” imgurl=”/img/wife.png” type=””]どうして解約できないのよ[/bubble][bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]解約OKにすると重病にかかって長生きできそうにない人が解約するからだよ。[/bubble]

長生きできずに損をしそうだからと言って保険から自由に抜けさせると、生存保険が成り立ちません。だから解約できないようになっているのです。

告知は不要

死亡保険では、早く死ぬ人を保険に加入させると、保険金の支払い確率が統計より上昇してしまい、保険を維持することが危うくなります。そのため、そういった人を排除するために告知や診査の仕組みがあります。

一方、生存保険では、早く死ぬ人が保険に加入すると、保険金の支払い確率が下がります。早く死ぬ人が生存保険に入っても何の問題も無いのです。

だから、生存保険では告知や診査はありません。

純粋な生存保険の代表はトンチン保険

純粋な生存保険の代表はトンチン保険です。面白い名前ですよね。

イタリア人トンチが考案した保険制度。応募者から払い込まれた元本総額に対し、それから生じる一定の利息が応募者の全員が死ぬまで支払われる。保険料は一括払いで中途解約ができず、満期に生存している人だけが保険料元本と運用益を受け取ることができる。(野村證券 | トンチン保険(証券用語解説集)

純粋な生存保険は、所定の期日まで生きていないと何も貰えないので、掛け捨ての保険の代表でもあります。

日本では純粋な生存保険は禁止

日本には純粋な生存保険はありません。

途中の死亡には全く給付がない⇒過酷な状況を生み出すことから認可されていない(慶應義塾大学保険フォーラム)

日本ではまだ当分の間、純粋な生存保険は登場しそうにないですね。確実にニーズがあると思われるだけに残念です。

トンチン性の高い生死混合保険が登場し始めた

生死混合保険で、死亡保険金を抑えて生存保険金を充実させている度合のことをトンチン性といいます。

日本では純粋な生存保険は禁止ですが、トンチン性が高い生死混合保険を運営することは可能です。

ただし、金融庁による監督は厳しくなります。

トンチン性の高い商品については、保険会社又は保険募集人が顧客に対して、その商品特性について十分説明を行うための体制が整備されているか。 (保険会社向けの総合的な監督指針 – 金融庁

最近は日本生命やプルデンシャル生命からトンチン性の高い商品が発売されています

生存保険は身寄りのない人が老後に備えるには悪くない保険

生存保険は早死にすると大損なのですが、そもそも保険は損を覚悟で入るもの。その支払い可能な損によって、老後の家計破綻という破滅的なリスクを回避できますから、

[bubble speaker=”保険会社” imgurl=”/img/male-biz.png” type=””]死んだらお金は要らないから問題ないでしょ。[/bubble]

と考えることができるなら生存保険は悪くない商品です。特に、身寄りのない方など、早死にによる遺産の減少が気にならない方には、長生きリスク対策としておススメです。

一方で、一緒に暮らす家族、特に配偶者がいる方にとって、生存保険は今一つの商品となるでしょう。

生存保険に入って自分が早死にすることで遺産が減れば、配偶者の老後資金がその分だけ減るからです。

生存保険に限らないことですが、誰にとっても良い保険商品など無いので、ライフプランをしっかり立ててじっくり検討するほかありません。


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