以前にFP2級の合格体験記について書きました。
FP2級試験の勉強方法や学習時間に見当をつけるには、FP2級試験について詳しく知らなければなりません。特に難易度を把握するのは大事です。
FP2級の難易度は、「とても易しい」FP3級と比べると随分アップします。
それでも、真面目に取り組んでいる人がいつまでも受からないような試験ではありません。
FP2級の難易度は資格試験全体の中では「やや易しい」くらいのレベルになります。
FP2級の試験問題は4択問題と記述式が中心
FP2級試験は、きんざい(一般社団法人金融財政事情研究会)と日本FP協会が実施していて、年に3回(5月・9月・1月)行われます。試験科目は学科と実技の2科目です。
こう書くと、 FP2級はFP3級と大して変わりがないように見えますが、実際は全く違います。
実際の試験問題を見てみましょう。
FP 3級とは全然違いますよね 。
学科試験は4択問題が60問
では学科試験について、FP2級とFP3級を比べてみましょう。
学科試験の問題については、きんざいで受けても日本fp協会で受けても、同じ問題を解くことになります。
学科 | 出題形式 | 時間 |
---|---|---|
3級 | 3択30問と2択30問 | 120分 |
2級 | 4択60問 | 120分 |
FP2級の学科試験の問題は全て4択問題です。全てカンで答えると25%しか正解することができません。
FP3級の試験問題は2択問題と3択問題だけだったので、明らかに難易度は上がります。
実技試験には、選択肢のない記述問題が多い
FP2級の実技試験はいくつかの科目の中から選択して受験することができます。
試験機関 | 実技科目 | 実施月 |
---|---|---|
きんざい | 個人資産相談業務 | 毎回 |
きんざい | 中小事業主資産相談業務 | 9月,1月 |
きんざい | 生保顧客相談業務 | 毎回 |
きんざい | 損保顧客相談業務 | 9月だけ |
FP協会 | 資産設計提案業務 | 毎回 |
しかし、毎回行われる科目ばかりではありません。損保顧客相談業務を選ぶと年に1回、中小事業主資産相談業務を選ぶと年に2回しか受験チャンスがありません。
毎回行われる科目を選択して、受験のチャンスを広げるべきです。
FP2級の実技試験の出題形式は、3級と比べて次のような特徴があります。
- 問題数が大きく増える
- 試験時間は長くなる
- 選択肢のない記述問題が多く出る
試験機関 | 問題数 | 時間 |
---|---|---|
3級(きんざい) | 3択15問 | 60分 |
3級(FP協会) | 3択20問 | 60分 |
2級(きんざい) | 45~50問 | 90分 |
2級(FP協会) | 70問 | 90分 |
これらの特徴は実技試験としてどの科目を選んでも共通しています。
FP3級と同様に選択肢から選ぶ形式の記述問題も出るのですが、選択肢のない記述問題(数値で答えるものが中心)がたくさん出るのが一番違うところです。
こうなるとカンで答えて正解するということはあまり期待できませんよね。
FP2級の合格点は満点の6割
FP2級の試験問題は、3級より難化していることは明らかです。
それなのに、合格ラインはFP3級の時と同じで、満点の6割です。
FP2級はFP3級より明らかに難しいですね。
FP2級の合格率はFP3級よりかなり低い
では実際の合格率を見てみましょう。 FP3級の合格率は50%を大きく超えますが、FP2級の合格率は50%を割って当然です。
きんざいで受験した場合の合格率
きんざいFP2級試験の合格率の推移は次の通りです。

実技個人は実技個人資産相談業務、実技生保は実技生命保険顧客相談業務を指します。
実技中小事業主資産相談業務と実技損害保険顧客相談業務は、毎回行われる科目ではないので、グラフにしていません。
2013年以降の試験における平均合格率を3級と比較すると次のようになります。
きんざい | 2級 | 3級 |
---|---|---|
学科試験 | 24% | 60% |
実技平均 | 36% | 59% |
個人 | 33% | 65% |
生保 | 41% | – |
保険 | – | 52% |
FP2級は3級と比べれば圧倒的に難しいです。
でも、この合格率であれば、「真剣に勉強したのに不合格になる」ということは考えにくいです。
FP協会で受験した場合の合格率
FP 協会で受験した場合の合格率についてみていきましょう。
まずFP協会FP2級試験の合格率の推移は以下のようになります。

2013年以降の試験における平均合格率を3級と比較すると次のようになります。
FP協会 | 2級 | 3級 |
---|---|---|
学科試験 | 41% | 77% |
実技(資産設計提案業務) | 56% | 86% |
FP3級と同様に、 FP2級でも、きんざいと比べて FP協会の方が合格率が高くなります。
FP協会の受験者は、きんざいの受験者と比べて自発的な受験者が多く、「上司に言われて嫌々試験を受けた」というような人が少ないからです。
FP2級の難易度は「やや易しい」
FP 2級は 「とても易しい」FP 3級と比べると難しいです。
合格率は50%を切って当たり前。確実に受かるための学習時間は100~200時間は必要でしょう。
しかし、真面目に勉強すれば大抵受かる試験ですから、他の資格と比べて特に難易度が高いわけではありません。
はっきり言って FP 2級は「やや易しい」資格試験です。
FP2級は簿記2級より簡単
私は簿記2級の資格を持っていますが、簿記2級の試験の難しさと比べても、 FP 2級の方が明らかに簡単だと思います。
FP2級は英検2級より簡単
私は英検2級を受けたことがないですが、センター試験の英語で8割ぐらい取れば英検2級には楽に受かると言われてます。
これが真実だとすると、私はセンター試験の英語で8割以上の得点を取ったので、私の英語力は大学入試の頃には英検2級レベルだったことになります。
そのレベルに達するまでの勉強時間はかなりのものでした。
FP2級に合格する方が明らかに楽です。
もちろん宅建や行政書士よりも簡単です
通信教育大手のフォーサイトによれば、
- FP2級より宅地建物取引士の方が少し難しい
- FP2級より行政書士のほうが難しい
- FP2級より社労士のほうが難しい
ということのようです。
FP2級は他の主要資格に比べると簡単です。
まとめ
FP3級試験の難易度をまとめると以下のようになります。
- 学科試験と実技試験があって、それぞれ6割以上の得点で合格
- 学科は4択60問。実技には数値を記入する記述式問題がある。
- 合格率は50%割れで当たり前
- 勉強時間は100~200時間必要
FP2級は真面目に取り組めば必ず取れる資格です。
皆様のご検討をお祈りいたします。