差額ベッド代の平均・相場~1日1万円超は少数だが、東京の大病院では特に警戒が必要

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「医療保険の必要性を考えるシリーズ」第10回です。

前回は「大部屋でも4人部屋なら差額ベッド代がかかることがある」という記事を書きました。

今回は差額ベッドの料金相場を見ていきます。あまりも千差万別で「差額ベッドを利用すると入院費用が見積もりにくい」ということがよく分かります。

特に東京の大病院では、差額ベッド代が高額になりやすいでので、注意が必要です。

差額ベッド代の平均・相場

厚生労働省の「主な選定療養に係る報告状況」によると、一日当たりの差額ベッド代の平均は6,188円です。

1日1,000円未満のものから30万円以上かかるものまで、差額ベッド代は千差万別です。

料金/日 室数 割合
~1,080円 27,232 10.23%
~2,160円 39,702 14.92%
~3,240円 39,759 14.94%
~4,360円 23,560 8.85%
~5,400円 35,414 13.31%
~8,640円 45,733 17.18%
~10,800円 20,419 7.67%
~16,200円 20,597 7.74%
~32,400円 11,646 4.38%
~54,000円 1,776 0.67%
~108,000円 291 0.11%
108,001円~ 36 0.01%
合計病床数 266,165 100.00%

一日当たりの料金が、10,800円を超える差額ベッドは約13%、54,000円を超えるのは1%未満です。

ところで…前回書いたように、差額ベッドは環境の差が大きいです。

14畳ほどの部屋に4つベッドを置いた部屋から広々とした個室まで色々あります。

これらを十把一絡げにして論じるのは少々乱暴かもしれません。

部屋の定員別に一日当たりの差額ベッド代の相場を見ていくことにします。

個室の差額ベッド代の平均

厚生労働省の「主な選定療養に係る報告状況」によると、個室の差額ベッド代は1日あたり平均で7,837円です。

料金/日 室数 割合
~1,080円 6,603 3.69%
~2,160円 13,373 7.47%
~3,240円 21,977 12.28%
~4,360円 16,993 9.50%
~5,400円 28,125 15.72%
~8,640円 39,522 22.09%
~10,800円 18,952 10.59%
~16,200円 19,681 11.00%
~32,400円 11,593 6.48%
~54,000円 1,772 0.99%
~108,000円 291 0.16%
108,001円~ 36 0.02%
合計病床数 178,918 100.00%

一日当たりの差額ベッド代が3,240円以下で収まる個室は約1/4。

3,240円/日✕31日=100,440円ですから、「1ヶ月入院した場合に差額ベッド予算を10万円程度みておけばよい」という料金水準の個室は、全体の1/4程度にすぎないですね。

家計には結構な打撃です。

2人部屋の差額ベッド代の平均

厚生労働省の「主な選定療養に係る報告状況」によると、2人部屋の差額ベッド代は、1日あたり平均で3,119円です。

個室に比べて差額ベッド代はぐっと安くなりますね。

料金/日 室数 割合
~1,080円 8,716 19.53%
~2,160円 12,730 28.53%
~3,240円 9,730 21.81%
~4,360円 4,081 9.15%
~5,400円 3,963 8.88%
~8,640円 3,165 7.09%
~10,800円 1,286 2.88%
~16,200円 893 2.00%
~32,400円 50 0.11%
~54,000円 4 0.01%
~108,000円 0 0.00%
108,001円~ 0 0.00%
合計病床数 44,618 100.00%

一日当たりの差額ベッド代が3,240円以下で収まる2人部屋は約70%。

3,240円/日✕31日=100,440円ですから、「1ヶ月入院した場合に差額ベッド予算を10万円程度みておけばよい」という料金水準の部屋は、全体の7割を占めます

3人部屋・4人部屋の差額ベッド代の平均

3人部屋は数が少ないので詳しく触れませんが、4人部屋より少し差額ベッド代が高い程度です。

その4人部屋ですが、「主な選定療養に係る報告状況」によると、1日あたりの差額ベッド代の平均は2,440円です。

料金/日 室数 割合
~1,080円 10,701 28.32%
~2,160円 12,317 32.60%
~3,240円 7,061 18.69%
~4,360円 1,937 5.13%
~5,400円 3,021 8.00%
~8,640円 2,673 7.07%
~10,800円 60 0.16%
~16,200円 13 0.03%
~32,400円 3 0.01%
~54,000円 0 0.00%
~108,000円 0 0.00%
108,001円~ 0 0.00%
合計病床数 37,786 100.00%

一日当たりの差額ベッド代が3,240円以下で収まる4人部屋は約80%。

3,240円/日✕31日=100,440円ですから、「1ヶ月入院した場合に差額ベッド予算を10万円程度みておけばよい」という料金水準の部屋は、全体の8割を占めます

差額ベッドが全病床数に占める割合は2割程度

ところで、病院の病床数全体のうち、差額ベッド(特別の療養環境の提供に係る病床)の占める割合はどれくらいでしょうか。

これも厚生労働省の主な選定療養に係る報告状況から分かります。

平成29年7月1日現在、差額ベッドが病床数全体に占める割合は20.5%で2割程度です。

差額ベッド代が一日あたり税抜き1万円を超える病床は全体の2%程度

先程、

差額ベッドのうち、一日当たりの差額ベッド代が、10,800円を超える病床は13%、54,000円を超えるのは1%です。

と書きました。「差額ベッドのうち」を「病院の病床数全体のうち」に書き換えてみましょう。

病院の病床数全体のうち、一日当たりの差額ベッド代が、10,800円を超える病床は2.7%(≒20.5%×13%)、54,000円を超えるのは0.2%(≒20.5%×1%)です。

高額な差額ベッドは無視できないほど存在しています。。。

差額ベッドを使う人は全体の5%にすぎず、差額ベッドが全病床数に占める割合に比べて少ない。

病院の病床数全体に占める差額ベットの割合は20.5%でした。

普通に考えれば、入院した人のうち差額ベッドを使う人の割合も、それに近くなるはずです。

ところが実際に差額ベッドを使っている人は5%程度しかいません。

差額ベッドはどれくらいの人が使っているのだろうか。永田教授が患者調査をもとに利用率を簡易推計したところ、全体での利用率は約4.9%。がんは9.6%、心筋梗塞などは9.3%、脳卒中は3%だった。(データで検証 あなたに医療保険は必要か|マネー研究所|NIKKEI STYLE

余分なお金がかかるから、皆さん差額ベッドの利用は回避しているようですね。

先程、「一日当たりの差額ベッド代が、10,800円を超える病床は2.7%、54,000円を超える病床は0.2%」と書きましたが、実際にそのような高額の差額ベッド代を請求される人の割合は、2.4%や0.19%よりずっと少ないことでしょう。

差額ベッド代の水準は病院によって全く違う

差額ベッドを利用する入院患者は全体としては5%ですが、入院する病院によってその割合は変わってきます。

また料金水準も様々です。

差額ベッド代を全くとらない病院もある

病院によっては差額ベット代を全く取らないところもあります 。

例えば、全日本民医連に加盟する病院では、差額ベット代を全く徴収しません

差額ベッド料はいただいていません。(民医連のご紹介 – 全日本民医連

東京の病院は差額ベッド代が高いので要注意

一方、差額ベッド代の徴収にかなり熱心な病院もあります。

ちょっと古い2010年のデータですが、地域別の特徴を見てみると…

2016-12-02-special-recuperation-room-fukushima-tokyo2

都道府県別の平均値で見ると、都市部と地方との間には大きな差が見られます。最低料金が最も高いのは東京都の6,097円で、最も低い福島県の2,032円に比べて、3.0倍の開きがありました。(急性期病院の差額ベッド料に関する調査結果について | 株式会社ケアレビュー

東京の料金水準は高いですね。

東京では病院経営が差額ベッド代に大きく依存しているからなんです。

地域別、収支科目別では東京の入院収入が全国平均より低い。逆に療養環境収益が際立って高い。平成27年度 病院経営調査報告|公益社団法人全日本病院協会

上記ページの表によれば、東京の病院の療養環境収益(主に差額ベッド収入)は 病院収入全体の4パーセントを占めます。これは全国平均の2.66倍です。

2016-12-02-special-recuperation-room-tokyo-zenkoku

東京の病院に入院すると、その他の地域の病院に入院するのと比べて、差額ベット(しかも他の地域より高額)をとても熱心に勧められそうです。気をつけたいですね。

下記記事から東京都内で差額ベッド代が高い病院のTOP10を作ると…

こうなります。
2016-12-02-special-recuperation-room-top10-tokyo

迂闊に差額ベッドを使うと、1日20万円近くの出費になりかねません。

東京都民の方は、私立大学病院やその他の大病院に入院する際は、特に注意した方がよさそうです。

次回は…差額ベッド代の支払拒否について書きます

今回詳しく説明したとおり、差額ベッド代は千差万別です。

差額ベッドを使うとなると、事前に入院費用を見積もることが難しくなります。

こうなると医療保険の必要性を考えるのも一苦労ですから、差額ベッド代は絶対に支払わない方向で考えるのがおすすめです。

しかし病院とって差額ベッドは貴重な収入源。差額ベッドの利用を熱心に勧められることも多いのです。

差額ベッドを絶対に利用しないのなら、病院による差額ベッド利用の勧誘をいなし、スマートに且つハッキリと差額ベッド代の支払いを拒否するノウハウが必要です。

次回はその話をします。

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