保険料を約束通り支払わないと、保険契約の効力が失われ、保険金も支払われなくなります。これを保険契約の失効と呼びます。
しかし、約束を守れなかったらすぐに失効するわけではないですし、失効した契約を復活させることもできます。
また失効と解約は「似ているけど違うもの」です。
保険料を期限までに支払えないとどうなるのか
保険料にはいろいろな支払い方法がありますが、いずれにしても支払期限があります。
この期限を守らないと約束通りに保険料を支払ったことになりません。
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保険料払込猶予期間内に支払えば問題なし
保険会社は、契約者が支払い期限を守れなかったらすぐに失効とするのではなく、一定期間支払いを待ってくれます。この期間のことを保険料払込猶予期間といいます。
保険料払込猶予期間中に保険事故が発生した場合、保険契約が失効しているわけではないので、保険金や給付金は保険契約に則って支払われます。
ただし、猶予してもらっている(滞納している)保険料については、保険金や給付金から差し引かれます。
保険料払込猶予期間内に保険料を支払えなければ失効
保険料猶予期間が終了してもなお保険料を支払えなければ、保険契約は失効します。
ただし、契約で自動振替貸付制度が適用されることになっていれば、保険契約は失効せずに継続します。
自動振替貸付制度があれば自動的に保険料を貸し付けてくれる
急にお金が必要になったときには、おそらく保険料の支払いも苦しくなっているはずです。
苦しいからと言って保険料を払い込まずにいると、保険料払込猶予期間が経過した時に、普通は保険契約が失効してしまいます。
しかし、保険契約の内容によっては、保険料払込猶予期間が過ぎても、解約返戻金の範囲内で保険会社が自動的に保険料を貸し付けてくれることになっています。
これだと保険料を延滞してもすぐに契約が失効しません。
保険料払込猶予期間はいつまでか
保険料払込猶予期間は保険料の支払い方によって異なります。
月払いの場合
保険料を月払いにしている場合、保険料払込猶予期間は、払込期日の翌月の初日から月末までです。
例えば5月19日が払込期限の場合は、6月1日から6月30日が保険料払込猶予期間となります。
年2回払い(半年払い)、年1回払い(年払い)
年払いや半年払いの場合は、保険料払込猶予期間は、払込期日の翌月の初日から翌々月の月単位の契約応当日までとなります。
例えば5月19日が払込期限だった場合は6月1日から7月19日までとなります。
契約応答日とは
先程出てきた契約応当日という言葉の意味について少し説明します。
契約応答日とは保険期間中の契約日に対応する日のことです。支払期日についての契約応当日は、年単位、半年単位、月単位の3種類あります。
5月19日が支払い日だった場合、
- 年単位の契約応当日は毎年5月19日となります。
- 半年単位の契約応当日は、毎年5月19日と、その半年後の11月19日となります。
- 月単位の契約応当日は、毎月19日となります。
失効すると大きなデメリットが
保険料が未払いのまま保険料払込猶予期間内が経過すると失効通知が届きます。
失効すると保険金は支払われなくなります。これまでに支払った保険料も戻ってきません。
失効返戻金は戻ってきますが失効してから3年が請求時効です。
保険契約を失効させてしまったら忘れずに返戻金を請求しましょう。
保険契約の復活
一旦失効した契約でも、保険会社が承諾すれば、保険契約を失効前の状態に戻し、再び効力を持たせることができるようになります。
これを保険契約の復活といいます。復活の期限は失効後3年です。失効後あまり長い期間放置すると復活できなくなります。
保険契約の復活には、保険会社の承諾とともに、延滞保険料(失効した時点で未払いとなっていた保険料)と利息の支払いが必要になります。
また、改めて告知や診査が必要になります。
復活した場合、以下の3つが完了した時が責任開始日です。
- 復活の申し込み
- 延滞保険料と利息の払い込み
- 告知または診査
復活した場合の保険料は、失効する前と同額になり、配当も同様に継続されます。
保険料率が失効前と変わらないのは、新規契約と比べた場合の復活のメリットですね。
失効と解約の違いと共通点
失効は解約と同様、保険契約の効力がなくなるものです。
失効の場合は失効返戻金が、解約の場合は解約返戻金がもらえます(返戻金のある契約に限ります)。
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しかし、失効と解約では、その意味するところはかなり違います。
失効は契約の不履行(保険料の不払い)によって保険契約の効力がなくなったものです。
一方、解約は契約者自身の意思で、保険契約を打ち切って保険契約の効力をなくしたものです。まず、この点が違うところです。
また、失効した場合は復活することができますが、解約した場合はできません。特約だけを復活させることもできません。この点も失効と解約の違いです。