保険契約時には、保険契約申込書や 告知書 とともに、意向確認書を提出しないといけません。
契約時には記入作業が多いので「どうしてこんなものが必要なのか…」と思いがちですが、意向確認書は合理的に保険を選ぶためにはとても重要な書類です。
こんな書類がなぜ必要になったか
保険を含めた金融商品は、一般消費者と業者の間の情報格差がとても大きいです。
そのため、自分の意向や実情に合わない契約を、業者に言われるままに結ぶ消費者が後を絶ちませんでした。
そこで業者側には、
- 契約締結前の重要事項説明
- 適合性の原則に沿った勧誘
が求められることになりました。
適合性の原則とは
適合性の原則とは、
[bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]顧客の意向と実情に照らし合わせて、不適切な商品を勧誘してはいけません。[/bubble]
という原則です。
これを守るには顧客の意向を確認することが不可欠です。
そのため、生命保険会社は、契約に当たって、意向確認書を契約者から差し入れてもらわないといけなくなったのです。
意向確認書の記載内容と書式
意向確認書では、保険契約と密接に関係する事柄に関して、顧客の意向を聞き取る形になっています。
記載内容は保険会社向けの総合的な監督指針 : 金融庁にて定められています。
生命保険文化センターが作ったひな型を見ながら確認してみましょう
顧客のニーズについて
これは保険契約を申し込む人が自分で書き入れるところです。
ひな形でいえば「お客さまの生命保険契約に関するご意向について」の部分ですね。
- 補償の種類について(老後保障、遺族保障、医療保障、がんなど特定疾病への保障、傷害保障、介護保障、資産運用など)
- 貯蓄部分を望んでいるか
- 保障(補償)期間について
- 保険料、保険金額について
などについて質問が並び、これに対して答えを書き入れていく形式ですね。
この保険商品が顧客のニーズに合致すると考えた主な理由
ひな形では「お客さまへのご提案について」の部分です。
ここは本来担当営業職員が各部分ですが、どんな契約でも対応できるように書かれた文面がすでに印刷されていますね。
実際には、職員が文面を書く必要はなく、ただ署名捺印すれば事足りるようになっています。
個別の契約について、担当営業職員が自分の行った判断内容を書く形式にするべきだと思います。
その他顧客のニーズに関して特に記載すべき事項
「保険会社向けの総合的な監督指針 : 金融庁」では、以下のように記載内容が例示されています。
- その保険商品では顧客のニーズを全部または一部満たさない場合はその旨
- 特に顧客から強く要望するニーズがあった場合や個別性の強いニーズを顧客が有する場合はそのニーズに関する情報
- 当該保険商品が顧客のニーズに合致することを確認するために最低限必要な情報が提供されなかった場合はその旨
ここも営業職員が自分で書く部分です。しかしひな形にはそのような欄は見当たりません。
特定の場合にしか記載するような指示がないので、そのような欄を作る必要がないという判断なのでしょう。
ただ、消費者のニーズを完全に満たす保険商品などないので、「その他顧客のニーズに関して特に記載すべき事項」は必ず生じるはずです。
営業マンが自分で書き入れるような作りにするべきだと思います。
保険募集人等の氏名・名称
ひな形では「お客さまへのご提案について」で営業職員が署名捺印することで、これを表示していますね。
意向確認書を面倒くさがってはいけない
意向確認書は、契約前の交付書類による重要事項説明とともに、消費者が納得して合理的な保険選択ができるようにするために整えられたシステムです。
[img-link url=”https://webshufu.com/document-before-insurance-contract/” title=”生命保険の契約前交付書類 (約款、契約のしおり、契約概要、注意喚起情報)”]
面倒だからと言って、営業職員の言うままに意向確認書を記入したのでは、せっかくの制度が無意味になります。
少しでもわからないところがあれば、納得できるまでしつこく説明を求めましょう。
意向確認書は十分納得して書くべきものです。