訪問相見積もりは引越し料金を少しでもリーズナブルにするためのものです。
そのメリットを最大限に生かすためには、業者と注意深くやり取りする必要があります。見積もり当日の流れと注意点をまとめてみました。
時間に制限があることを通告
訪問見積もり当日、業者が来たら、まず最初に「1時間経ったら出かけなければならない」「1時間経ったら別の業者が見積もりに来る」等と言って、1時間程度で見積を行うよう圧力をかけましょう。
さらに、見積もり作業自体は30分で終わらせること、その後にお互いの質疑応答の時間をとることも依頼しましょう。
最初にこちらのペースに巻き込むことが大事です♪
時間制限で質問の時間を確保した上で、業者がいつまでも粘る可能性を排除します。
お茶出し
これはどうしても必要なものではありません。
ただ、業者も人間です。出されて悪い気はしません。
時間に余裕があるなら、飲み物を出しておいて損はありません。
私はいつもペットボトルのお茶を用意しています。
引越運送約款を提示させる
引越運送約款は、見積書とともに、引越し作業を依頼する契約(引越作業請負契約)の内容を規定するものです。
業者と客との約束を細かく書いたものなのでとても大事です。
その雛形として国土交通省が定めているのが標準引越運送約款です。
また、業者が作成して国土交通省に届け出て認可を受けた独自の引越運送約款もあります。
業者が引越し料金を見積もる際には、認可を受けた独自の引越運送約款がある場合はその約款を、そうで無い場合は標準引越運送約款を提示する義務があります。
ですから、黙っていてもほとんどの業者は自発的に提示してくれます(見積書の裏などに細かい字でひっそりと書かれているだけの場合もありますが)。
しかし、相手も人間。忘れることもあります。そのときは「約款下さい」とこちらから要求しましょう。
約款を貰わないと、どういう契約を結ぶことになるのかがはっきりしませんので、必ず貰ってください。
荷物に貴重品等があることを確実に申告
これは、こちらやあちらでも説明しましたが、貴重品等を運んでもらうためには、荷物に貴重品が含まれることをはっきりと申告しなければなりません。
これを怠って、運送中に貴重品に損害が出たとしても、業者に損害賠償を求めることが出来ません。
貴重品類が荷物に含まれることをはっきり申告した上で見積もってもらいましょう。
依頼する作業内容などをはっきり伝える
引越し業者に見積もりを依頼する前に必ず準備・用意するべきことでも言いましたが…
- 引越し日時
- 引越し先の住所・周辺状況
- 引越し先に運ぶ荷物と運ばない(処分する)もの
- 依頼したい作業内容
これらのことをはっきり業者に伝えないと、業者は正確な見積もりを出せません。
正確に見積もれないときは、赤字受注を避けるために、業者は高めの見積もりを出してしまいます。
引越しの見積もりでは、はっきりしない優柔不断な態度は損をします。
また、各業者に上記の内容をはっきりと伝えて見積もりの前提を統一しておかないと、料金比較がしにくくなります。
相見積もりのメリットを最大限生かすためにも、依頼したい作業内容などは各業者に横溢の内容を明確に伝えましょう。
訪問見積もり時の質問・確認事項
訪問見積もりの目的は、リーズナブルな見積もりを集めることなのですが、それだけではありません。
業者の担当者と顔を合わせてやりとりすることで、トラブルの元になる「行き違い」を防ぐことにあります。
そのためには必ず聞くべきことがあります。
客側の責任でやるべき作業は何か
引越しを業者に依頼するといっても、何でもかんでも依頼できるわけではありません。
一般に、梱包作業については、業者ではなく、客が責任を持たなければなりません。
しかし、大きな家具などの梱包は業者がやることが普通です。
だから「自分で梱包しないといけないのはどれ?しなくていいのはどれ?」ということをはっきりさせる必要があります。
また、相見積もりを取っているのですから、他の業者と同じ荷物を梱包させる前提で、見積もりを出させるべきです。
場合によっては「この荷物も梱包してもらったら、見積もりはいくらになりますか」というような質問もしないといけません。
運んで貰いたいものを全て運ぶ前提で見積もられているかどうか
運んでもらいたいものを明確に伝えた上で見積もりを貰っているはずですが、もう一度確認しましょう。
ここで行き違いがあると、引越し当日とても大変になります。
家電の設置について
エアコン・洗濯機・テレビ・PCなどの一部家電製品については、梱包だけではなく、取り外し・設置も行うのが当たり前と言う業者があります。
一方で、取り外しや設置までは行わない業者もあります。
この点については、訪問見積もり時にはっきりさせないといけません。
また、相見積もりを取っているのですから、取り外し・設置についても同じ条件で全業者に見積もらせなければなりません。
場合によっては「取り外し・設置をお願いしたら(しなかったら)見積もりはいくらになりますか」ということも尋ねなければいけません。
その他確認すべきこと
ここまで説明したことの他にも…
- ダンボール・ガムテープ・布団袋・ハンガーボックスその他荷造り梱包資材の料金体系
- 上記梱包資材の引越し後の回収サービスの有無およびその料金体系
- 万一の事故に備えた保険補償内容
- 追加料金が発生する場合はどんな場合か
- 支払方法と支払時期
などは尋ねておきましょう。
即決厳禁、業者の甘い言葉に注意
相見積もりを行ったからには、複数業者の見積を比較検討して最もリーズナブルな見積を提示してくれた業者に引越をお願いしないと意味がありません。
相見積もりの最中に、特定の業者に決めてしまうなどもってのほかです。
しかし、業者側は一刻も早く受注を確定させたいので、甘い言葉で即決契約を誘います。
[img-link url=”https://webshufu.com/immediate-contract/” title=”引越しの営業マンが即決を迫るわけ”]
以下に業者側の誘い文句の例を挙げます。どれをとっても消費者にとってはメリットがないので、甘言に乗せられないよう気をつけましょう。
「今なら割引」
相見積もりでは特定の業者がどれだけ頑張って値下げしているかなど全く関係ありません。
大事なのは、複数の見積もりの中で、どれが一番リーズナブルかということだけです。
いくら割り引いてくれても、他社の見積もりと比較検討しないうちから即決するわけには行きません。
「今なら内金・手付金無料」
内金や手付金が無料なのは、標準引越運送約款にはっきり書かれていることで、至極当然のことです。
今でなくてもいつでも無料です。
それを今なら無料になるように言う業者など信用できません。
私ならそんな業者は選択肢から外します。
「今なら前々日までキャンセル料ゼロ」
これも標準引越運送約款に書かれていることです。
それを「今ならゼロ」とか「ウチならゼロ」などと即決の特典のように言う業者は信用できません。
「ダンボール無料なので置いていきますね♪」
ダンボールを誰にでも無料で配ってくれるというなら有難い話です。
しかし、実態は「契約してくれたお客様だけにはダンボール無料配布」です。
「ダンボール無料なので置いていきますね♪」は、客が断りにくくなることを狙って、各業者の営業マンが仕掛けてくる心理戦です。
トラブルの元なので、絶対受け取ってはいけません。
[img-link url=”https://webshufu.com/how-to-turn-down-proposals-of-moving-company/#cardboard” title=”引越し見積もり後の断りや業者との契約のキャンセルの上手な方法-ウェブシュフ”]
また、「ダンボール代無料」といっても、単に見積もり書の「ダンボール代」の項目がゼロになるというだけで、その分を他の項目に上乗せしているのです。
ダンボール代の分を本当に割り引いてくれたわけではありません。
また、相見積もりはダンボール代のみを安くするために行っているのではなく、引越費用の総額を安くするために行っているのですから、そのようなセールストークに耳を傾ける必要はありません。
断り方
即決を迫られたら自分に決定権が無いことを説明して回避するのがセオリーです。
「会社の費用で引っ越すので会社から決裁してもらわないと契約できない」
「夫(妻)に無断で契約できないので、いくら安くしてもらっても即決は無理」
などと説明しておけば、それでもなお強引に即決を迫ってくる業者などいないと思います。
即決は避けましょう。