給与収入の仕訳は手取り金額と法定外控除分の二本立て

更新

2015-09-11_1341

保険の見直しのためにライフプランを見直していたら、家計簿の重要性に目覚めて、複式簿記で家計簿を書いています。@web_shufuです。

家計簿を付け始めたころは、意外にも給料の記録で大きく躓いていました。

家計簿には給料の手取り額を記入するだけではダメなんです。その理由を書きます。

給料から天引きされる項目は法定控除と法定外控除に分類できる

労働基準法によって、賃金は何ら差し引かれずに、全額が労働者に支払われるべきだと定められています。

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。(労働基準法第二十四条

しかし、

  • 法律で源泉徴収すると定められているもの(法定控除)
  • 労働組合や労働者の代表者と合意がある場合(法定外控除)

については、給料から天引きすることが認められています。

私の妻(公立中学教師)の給与明細から、法定控除と法定外控除を拾ってみましょう。

法定控除はコントロールできない支出だから家計簿に書く必要はない

法律で源泉徴収すると定められているものは、ズバリ社会保険料と税金です。これらが法定外控除となります。

私の妻の給料から控除された金額のうち、次のものは法定控除です。

  • 共済組合短期掛金(健康保険料に相当)
  • 共済組合長期掛金(厚生年金保険料に相当)
  • 共済組合介護掛金(介護保険料に相当)
  • 所得税
  • 住民税

勤務先が立替払いをしてくれていて、その分を給料から源泉徴収しているとも言えます。

法定控除は自分の意思と関係なく支払わされるものです。コントロールできません。

だから家計簿につけなくても良いです。

家計簿ってお金の使い方を見直すためにつけるんですよね。

自分でコントロールできない支出は記入する必要がありません。

ちなみに、給料から法定控除を差し引いて残ったお金は、自由に使えるお金です。これを可処分所得と言います。可処分所得の使い方は自分でコントロールできます。

法定外控除はコントロールできる支出

法律で源泉徴収が義務付けられている法定控除はどの職場でも存在しますが、法定外控除は職場によっては全くないところもあります。

ウチの妻の場合は法定外控除が結構沢山あります。

  • PTA会費
  • 職場親睦会費
  • 団体保険の保険料
  • 互助会の積立預金(社内預金に相当)
  • 労働組合費
  • 職場の共同購入で購入した品物の代金

法定控除と同様、それぞれの費用を勤務先が立替払いをしてくれていて、その分を給料から差し引いているともいえます。

法定控除と違うところは、法定外控除は給料天引きによる支払が義務付けられていないことです。

ウチの妻の場合、PTAにしろ労働組合にしろ、一応加入自由です。無言の同調圧力はありますけどそれは強制とは言いません。

つまり、法定外控除は、自分の意志で支払おうと決めて、可処分所得の中から支払っている支出なのです。同調圧力さえ何とかすれば自分でコントロールできます。

法定外控除は費目別に家計簿に記入しないといけない

法定外控除は、自分の意思で可処分所得の中から行っている、普段の支出と同じです。費目別にきちんと家計簿に記入しなければなりません。

例えば、給料から天引きで支払っている保険料は、それ以外の保険料と同様に、家計簿に保険料として計上しないといけません。

給料を手取り額で記入すると、法定外控除の部分を家計簿に記録できない

ところが、給料を手取り額(銀行口座への入金額)で家計簿に記録すると、

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法定外控除として支出したお金の使い道を記録することが出来ないんですね。

支出をきちんと記録するには、給料収入を記録するときに、⑤の金額(自由に使えるお金、可処分所得)を給料収入として記録した後、すぐさま③法定外控除の金額を支払う形で記録しないといけません。

私は、家計簿をつけ始めたときには、法定外控除の部分を記入することが出来ていませんでした。皆さんはどうですか。

追記:法定外控除が0円の方の場合、給料を手取り額(銀行口座への入金額)で家計簿に記録しても、記入漏れの問題は生じません。

給与収入の仕訳は手取り金額と法定外控除分の二本立て

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では、実際、給与収入を仕訳に書くときはどうすれば良いのか。

実は、「家計簿には給料の手取り金額をそのまま記入してはいけません」といのは、給料の手取り金額をそのまま記入して終わりにしてはいけないという意味です。

上図の⑤の金額を給料収入として記録した後、すぐさま③法定外控除の金額を支払う形で記録しないといけません。

具体的な給与明細・銀行通帳を使って考えてみる

私の妻の2015年1月分給料明細(シンプルにするため少し改ざん済み)と銀行通帳の記載で考えてみましょう。

まず、銀行通帳には、手取り金額が振り込まれた旨が記載されます。

日付 振替文言 お支払い お預かり 摘要
1/21 給与 335,283 ミエケン

給料明細には総額・法定控除の内訳・法定外控除の内訳が並びます。

記号 摘要 金額
給与総額 485,263
a 健康保険料 21,166
b 厚生年金保険料 42,726
c 介護保険料 2,472
d 雇用保険料 0
e 所得税 14,610
f 住民税 36,269
g 親睦会PTA会費 9,200
h 保険料 15,459
i 労働組合費 8,078
銀行振り込み金額 335,283

a~iのうち、a~fまでは税金・社会保険料すなわち法定控除です。給料の総額から税金・社会保険料を差し引いた残りが可処分所得(⑤自由に使えるお金)です。家計簿やライフプランで給料を扱う場合は、この可処分所得で考えるのが普通です。

g,h,iは、自分の意思で、可処分所得(⑤自由に使えるお金)の中から給料天引きの形で支払っているものです。つまり③法定外控除です。

冒頭の図で⑤=②+③ですから、給与収入を仕訳に書くときは、②の仕訳と③の仕訳に分けて書き、給与収入の合計が可処分所得(⑤自由に使えるお金)を表すようにます。

②手取りの金額の仕訳

これは簡単です。銀行通帳の入金額を見て

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
1/21 妻預金(百五) 335,283 給与収入 335,283

と書けばOKですが、ここで終わってはいけません。

手取り金額そのままにならないように、給与収入についてさらに処理をしていきます。

③法定外控除分の仕訳

私の妻の法定外控除は以下の通り。

g 親睦会PTA会費 9,200
h 保険料 15,459
i 労働組合費 8,078

法定外控除は給料天引き。

つまり、私の妻は、今手に入れたばかりの給与収入で、親睦会PTA会費、保険料、労働組合費を支払っています。

仕訳はこのようになります。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
1/21 親睦会PTA会費 9,200 給与収入 9,200
1/21 保険料 15,459 給与収入 15,459
1/21 労働組合費 8,078 給与収入 8,078

給与収入と法定外控除に関する仕訳まとめ

というわけで、給与収入と法定外控除に関する仕訳をまとめると、以下のようになります。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
1/21 妻預金(百五) 335,283 給与収入 335,283
1/21 親睦会PTA会費 9,200 給与収入 9,200
1/21 保険料 15,459 給与収入 15,459
1/21 労働組合費 8,078 給与収入 8,078

この結果、家計簿にまとめられた8月分の給料の金額は、合計で368,020円となります。これは手取りに法定外控除分を加えたものです。

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この図で言うと⑤の金額ですね。当然、手取りの335,283円より多いですね。

そのうち③法定外控除の金額は、給与収入ですぐに支払われました。

家計簿には給料の手取り金額をそのまま記入してはいけないというのはこういうことでした。

番外:法定外控除が銀行通帳に記載されている場合

実は、私の以前の勤務先では、給料振込みの銀行通帳への記載は、手取り金額が振り込まれたと言うものではありませんでした。

手取り金額と法定外控除の合計が振り込まれた後、法廷外控除分が引き落とされる形式で記載されていました

例えば、私の妻と同じ給料明細でも、

日付 振替文言 お支払い お預かり 摘要
1/21 給与 368,020 ミエケン
1/21 法定外控除 32,737 ミエケン

のように書かれていたのです。

この場合は、368,020-32,737=335,283 で手取り金額を求めないといけません。

仕訳はこれまでと同様です。以下のようになります。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
1/21 妻預金(百五) 335,283 給与収入 335,283
1/21 親睦会PTA会費 9,200 給与収入 9,200
1/21 保険料 15,459 給与収入 15,459
1/21 労働組合費 8,078 給与収入 8,078

とはいえ、法定外控除分の記入が難しければ、給料は手取り額を記入するだけにしてもいいですよ

この記事では「給料を家計簿に記入するときに手取り金額を書いただけで終わらせてはいけない」と力説してきました。

しかし「何故法廷外控除分を家計簿に記入しないといけないか」を理解するのは少々難しいです。おまけに法廷外控除分を家計簿に記入するのも面倒です。

ひょっとしたら「難しくて面倒だから家計簿をつけるのをやめたい」という人もいるかもしれません。

家計簿をやめてしまうくらいなら、法廷外控除分を家計簿に記入せず、給料を手取り額で記入するだけでもかまいません。

家計簿は家計の状態をおおよそ把握するためにつけるものです。多少不正確になったとしても、まずは家計簿を続けることが一番大事です。

一番良くないのは家計簿をやめること。難しいことを理解するのは後回しにして、まずは家計簿を続けましょう。

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