我が家では妻(公立学校教師)にだけ4000万円の生命保険をかけていますが、生命保険に加入するべきか?加入すべきなら保険金をいくらにするか?というのは、なかなか悩ましい問題です。
我が家の結論は絶対的な正解ではありませんが、結論に至るまでの過程は参考になると思います。
皆さんが生命保険に対して後悔のない決断をする助けになれば幸いです。
※当サイトで単に「生命保険」という場合は、民間保険会社のが運営する保険で、被保険者が死亡した時に保険金が支払われるものを指すものとします。つまり、いわゆる「死亡保険」や「死亡保障」を指すものとします。
結婚直後に、妻に4000万円の生命保険を掛けた
結婚直後、生命保険について悩みました。結局、安直に4000万円の保険金を妻にかけることにしました。
私は不安定な自営業者、妻が安定した公務員(公立学校教師)なので、妻が我が家の大黒柱です。
妻にだけ生命保険を掛けることについては、早々に夫婦で一致しました。
問題は保険金の額でしたが、どうすれば良いかよく分かりませんでした。
結局、妻が結婚前から加入していた教職員互助会のグループ生命保険を継続し、保険金を上限一杯まで引き上げました。
その保険の保険金額の上限が4000万円だったわけです。今から思えばかなり適当です。
数年前に改めて真剣に生命保険について検討したが4000万円のままでいいと判断した
結婚当時は保険金の額を適当に決めてしまったので、数年前に生命保険を見直しに着手しました。
FP試験の勉強で得た知識などを利用して真剣に考えたのですが、結局…うちとしては、保険金を4000万円にして大正解だったんですよね。
まずは夫婦二人とも長生きする前提でライフプランを立て、生命保険見直しのたたき台とした
「公務員に生命保険は必要?」「専業主婦(主夫)に生命保険は必要?」
こんなことばかり考えていても、生命保険をどうするかを判断することはできません。
生命保険に入るのは、夫婦の片方が亡くなった時に発生する金銭的な損失を埋め合わせるためです。
この損失を計算しないと、生命保険をいくら掛けるべきかは判断できません。損失の計算にはライフプランが必要です。
家族の誰かが亡くなった場合のライフプランをいきなり立てるのは難しいですから、まずは夫婦二人とも想定通り長生きした場合のライフプランを立てましょう。
[img-link url=”https://webshufu.com/how-to-make-a-life-plan-with-excel/” title=”エクセルを使ったライフプランの立て方~ライフプラン表の作り方”]
我が家の保険の見直しでも一番最初にライフプランを作りました。
老後の年金の試算は重要。便利なサイトを利用しよう
ライフプランの作成で特に重要なのが、老後の年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)の試算です。試算に便利なサイトを利用しましょう。
[img-link url=”https://webshufu.com/public-officials-pension-calculate-test/” title=”地方公務員向け年金試算サイト「地共済年金情報ウェブサイト」の使い方”][img-link url=”https://webshufu.com/nenkin-net/” title=”ねんきんネットで年金試算と年金記録確認をする手順”]
ライフプラン表に記入する収入金額は額面総額ではなく手取りです。これも計算が必要です。
[img-link url=”https://webshufu.com/trial-calculation-of-pension-by-fp/” title=”老後の年金の手取り額を計算したら額面の88%くらいでした”]
難しく感じたら、保険ショップなどを利用して、専門家と相談しながら試算しましょう。
退職金の試算も重要だけど、便利なサイトはない。
ライフプラン作成には退職金の試算も重要です。しかし退職金試算サイトはありません。職場の退職金規定を元に試算しましょう。
[img-link url=”https://webshufu.com/retirement-allowance-teacher/” title=”教師の定年退職金は2400万円弱”][img-link url=”https://webshufu.com/net-income-of-the-retirement-bonus/” title=”退職金の手取り額を計算する方法”]
ライフプラン表に記入する収入金額は、額面総額ではなく手取りです。税金の知識が必要です。
計算が大変なら、専門家の助力を得ながら試算しましょう。
次に、ライフプランをもとに、妻に先立たれた場合の生涯収支の変化を計算した
ライフプランを作った後、妻が亡くなった場合のシミュレーションを行いました。
[img-link url=”https://webshufu.com/necessary-guarantee-amouont-based-on-life-plan/” title=”生命保険(死亡保険)の保険金額は生涯収支から計算する”]
妻に先立たれる年を、来年、再来年、3年後…というように1年刻みで変えて、それぞれについて自分の生涯収支を計算し直したわけです。
生涯収支の計算をすると、妻がいつ先立つかで家計の受けるダメージが大きく変わることが分かります。
生涯収支を計算するには以下の金額を把握しないといけません。
- 妻死亡時に支給される退職金
- 相続手続きの後に手元に残る資産
- 妻没後に支給される遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)
- 妻没後の生活費
ひとつずつ見ていきます。
妻死亡時に支給される退職金の試算
公務員を含むサラリーマンが死亡した場合、職場では死亡退職として扱われます。
退職金が支給されるケースも多いので、事前に金額を試算しておきましょう。
私も退職金の試算をしました。妻がなくなる年を1年刻みで変動させて、対応する金額を試算したので、結構大変でした。
[img-link url=”https://webshufu.com/retirement-allowance-teacher/” title=”教師の定年退職金は2400万円弱”][img-link url=”https://webshufu.com/net-income-of-the-retirement-bonus/” title=”退職金の手取り額を計算する方法”]
相続手続きや葬儀の後、手元に残る遺産額を把握
妻に先立たれると相続税を支払う必要があります。遺産はその分少なくなります。
子供がいない場合は、妻の親や兄弟に遺産を分配しないといけないこともあります。
このあたりのことを事前に試算して対策しておかないと、妻に先立たれた後の生活が大変になります。
私も遺産額を試算しました。妻がなくなる年を1年刻みで変動させて対応する金額をそれぞれ試算したので疲れました。
[img-link url=”https://webshufu.com/how-to-succeed-to-all-the-partner-property/” title=”妻(夫)が亡くなった時に遺産全額を相続することはできるのか”]
妻没後に支給される遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)の額を把握
妻没後に頼りになるのは遺族年金です。
調べた結果、私は遺族基礎年金は貰えません。私が55歳になるまでに妻に先立たれると、遺族厚生年金も貰えません。
[img-link url=”https://webshufu.com/survivors-social-security-benefits-for-widower/” title=”妻を亡くした時に55歳未満である夫は遺族厚生年金がもらえない”]
私が55歳になってから妻が先立たれた場合には、遺族厚生年金がもらえます。
妻がなくなる年を1年刻みで変動させて、それぞれに対応する年金額を試算しました。面倒でした。。。
[img-link url=”https://webshufu.com/survivor-social-benefit-all-my-life-long/” title=”遺族厚生年金の生涯受給額を概算~ねんきんネットや地共済年金情報ウェブサイトを利用~”]
妻没後の生活費を把握する
妻に先立たれた後の生活費は、現在の家計簿から試算しました。
「夫や妻の死後の生活費は、それまでの7割!!」というようなどんぶり勘定は論外です。
[img-link url=”https://webshufu.com/living-cost-after-wife-death/” title=”信じてはいけない!夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割なんて嘘”]
家計簿がない場合でも、銀行通帳やクレジットカードの明細から、おおよその生活費を算出しましょう。
我が家は、私が55歳になるまでは妻に4000万円の生命保険を掛け続けることにした
妻を亡くした時に55歳未満である夫は遺族厚生年金がもらえないため、妻がいつ先立つかで夫の生涯収支は大きく変わります。我が家もそうです。
ライフプランをを基にして、妻が先立った場合における私の生涯収支を計算すると、一目瞭然でした。
私が102歳まで生きるとすれば、私が54歳の時に妻に先立たれた場合の私の生涯収入は、私が55歳の時に妻に先立たれた場合と比べて約4000万円も減ってしまいます。
我が家ではこの4000万円を埋め合わせるために、私が55歳になるまでは妻に4000万円の生命保険を掛け続けることにしました。
結婚直後にわりと安直な考えで妻に4000万円の生命保険を掛けた我が家ですが、その判断は偶然にもイイ線を行っていたわけです。
ただ、改めて生命保険について真剣に考えた結果、4000万円もの保険金かけるのは私が55歳になるまでにすべきこともわかりました。
55歳以降は保険金を大幅に減額するか解約します。
生命保険を見直してみて良かったです。
しかし、私にもっと資産があって安定した収入が見込めるなら、生命保険を掛けずに済む
妻に4000万円の生命保険を掛けるために我が家が支払っている保険料は、年間約8万円となります。
私がもっと稼げれば、この8万円は節約できるんですけどね。
妻の言う通りなので、早く妻にかけた生命保険を解約することが出来るよう、努力したいと思います。
追記(2020年7月)
この記事を書いてから4年たちました。
我が家では、家計の状況を見ながら毎年保険の見直しを行っています。
その結果、妻にかけている生命保険の保険金額は、この記事を書いたときより随分減っています。
当初のライフプランに比べて、今の家計の状況が良好となっているためです。