
1級ファイナンシャルプランニング技能士(FP1級)のウェブシュフです。
何の資格でも2級と1級は雲泥の差と言いますが、FP資格でもその言葉は当てはまりました。
FP1級の試験は簡単ではありませんが、真摯に取り組めば受かると思います。
しかし、真摯に取り組まないとほぼほぼ落ちるでしょう。
FP1級の受験資格と合格への道
FP1級資格の取得方法は色々あります。
きんざいで1級学科試験合格後、きんざいで実技試験(面接形式)に合格するのが、最短コースで王道です。
私もこのコースで1級に合格しましたが、実務経験と面接が必須です。
しかし、実務経験も面接も不要なコースもあります。

どのルートをたどっても、試験を2回以上受けなければなりません。
2級までは試験を一回受けるだけで合格できたので、そこが大きな違いですね。
FP1級取得への4つのルートと、それぞれの受験資格など試験の概要については、次の記事に詳しくまとめました。ぜひご一読ください。
学科試験対策と勉強方法
FP1級の取得方法には様々なルートがありますが、最短で取得したいなら学科試験を受けなければなりません。
学科試験の合格率は10パーセント前後です。かなり狭き門だといっていいでしょう。
FP技能検定試験結果|一般社団法人 金融財政事情研究会を見て過去5回の合格率をまとめてみると以下のようになります。
年月 | 学科合格率 |
---|---|
2018/1 | 14.52% |
2018/9 | 8.24% |
2019/1 | 8.45% |
2019/5 | 11.77% |
2019/9 | 10.14 |
試験当日は、午前中に4択の基本問題、午後に記述式の応用問題を解きます。
200点満点で120点以上取れば合格です。
基本問題より応用問題のほうが簡単
応用問題は、型にはまった問題で占められています。
その一方で、基本問題は重箱の隅を突いた難問も出ます。
私にとっては、基本問題の方が難しかったです。
参考書や問題集はきんざいのものをメインで使う
きんざい主催の試験なので、きんざいが出版する本を使うのがいいでしょう。
私は以下のテキスト・問題集を使いました。
まずFP技能検定教本1級(全6冊)。これだけで26000円オーバー。チーン。


「パーフェクトFP技能士1級対策問題集・学科編」と 「試験をあてる TAC直前予想 FP技能士1級」 。この2冊で6000円オーバー。

FP技能検定教本1級(全6冊)は一通りさらっと読み流します。どこら辺にどんなことが書いてあるかを大体掴めばOK。1分冊あたり3時間程度で読み終えたいですね。
まずは応用問題対策。勉強時間は100時間弱必要
奇問難問がある程度出てしまう基本問題の対策は後回しにして、型にはまった問題の多い応用問題から対策します。
パーフェクトFP技能士1級対策問題集・学科編の後半にある応用問題(25問くらい)を演習しまくります。
解けなかった問題はFP技能検定教本1級で調べるなどして自信を持って答えを出せるまで頑張ります。
答案の書き方にも拘らないといけません。
きちんと答案を書ければ、たとえ計算間違いをしても部分点が獲得できるからです。
記述式の応用問題をどれだけきっちり取れるかでFP1級学科試験の合否が決まると思います。
90時間くらいの学習で8割程度解けるようになるまで到達したいところです。
基本問題はひたすら繰り返し。勉強時間は150時間くらい必要。
応用問題が8割がた取れるようになったら基本問題に手をつけます。
パーフェクトFP技能士1級対策問題集・学科編の前半にある基本問題(全6分野で240問くらい)を演習しまくります。
出来なかった問題はFP技能検定教本1級(全6冊)などを読みながら、理解した上で正解を選べるまで復習します。
理解を伴う暗記を心がけましょう。
パーフェクトFP技能士1級対策問題集に収録されているものと似た問題が出たら80%くらいは解けるようにしておきましょう。
本番では見たことも無いような問題が1割くらい出てしまうのですが、そういうのはできなくても仕方ないと割り切ることも必要です。
ともかく、パーフェクトFP技能士1級対策問題集に収録されているような、よくある問題だけは確実に解けるようにしたいところです。
私は150時間くらい基本問題対策に費やしました。
法改正対策も必要。所要時間は改正の多さ次第。
FP技能検定は、きんざいの定める法令基準日現在の法令に基づいて出題されます。
FP技能検定教本1級(全6冊)は、毎年6月末ごろに刊行されるので、法令基準日の観点から言えば、9月の試験でFP1級を受験するのにちょうどいいのです。
しかし、1月の試験の受験対策でFP技能検定教本1級(全6冊)を使うには、法令改正を自力で把握する必要があります。
これに、先程あげた「試験をあてる TAC直前予想 FP技能士1級」が役に立つんですよね。
法改正対策にかかる時間は、改正の多さによるとしか言えません。
私が受験勉強をしたときには、10時間位の対策で十分でした。
過去問2回分と直前予想問題で直前対策(20時間)
試験3週間前くらいからは、「パーフェクトFP技能士1級対策問題集・学科編(過去問2回分)」「TAC直前予想 FP技能士1級(直前予想問題3回分)」を、本番さながらに時間を計って、自作自演の模擬試験を5回(1回あたり基礎・応用2時間ずつ、計20時間)こなしました。
自信を持って解けなかった問題は理解した上で解けるようになるまでやり直しです。
このやり直し復習には問題を解く時間の倍くらいの時間(約40時間)をかけました。
過去問の量がこれだけでは不足だとお考えの方は以下のページをご利用ください。
勉強時間と勉強期間
私は、1日3時間程度の勉強を100日くらい継続して試験を迎えたので、2級合格後一級学科試験のために費やした学習時間は330時間くらいです。
- FP技能検定教本1級(全6冊)の流し読みに約20時間
- 応用問題対策に90時間
- 基本問題対策に150時間
- 法改正対策に10時間
- 過去問と予想問題を模擬試験形式で解くのとその復習で60時間
9月の試験で2級に合格して翌年1月の試験で1級に合格することを目指すなら、2級の試験の合否がわかる前から1級の試験勉強に手をつけ無いと間に合わないと思います。
私の試験の結果
ちなみに私の試験結果ですが、200点満点で155点でした。
基礎編で80/100点取れてました。応用は75/100点だったので、受かった人の中ではおそらく平均的。
基礎編は4択問題なのですが、勘で書いた答えが結構合っていました。ラッキー。
実技試験対策と勉強方法
学科試験に合格したら次は面接形式による実技試験。FP技能検定試験結果|一般社団法人 金融財政事情研究会によると、過去5回の実技試験合格率は以下の通り。
年月 | 実技合格率 |
---|---|
2017/2 | 84.43% |
2017/6 | 86.50% |
2018/2 | 86.45% |
2018/6 | 85.40% |
2019/2 | 86.46% |
合格率85%程度ですが、難関の学科試験を突破した人でも15%の確率で落ちてしまうということなので、油断はできません。
15分間で設例を読んだ後顧客に扮した面接官との12分間の質疑応答に臨みます。
試験範囲は学科試験と同じですが、よく問われる論点は偏っています。
FP技能検定教本1級(全6冊)で言えば、大半は「4不動産」と「6 相続・事業承継」から出題されます。
そういうわけで、実技の過去問を集めた「FP技能検定1級実技(資産相談業務)対策問題集 」をひたすらやりこむことこそ、実技試験の唯一無二の対策になります。

そのやりこみ方なのですが、試験の形式が面接である以上、ポイントだけを暗記しても駄目です。
解説を理解することは必要ですがそれでもまだ足りません。
文章としてアウトプットすることが必要です。
私は、問題の設例を熟読した後、ひたすら模範解答をWordPressに入力しまくりました。
ただの写経に近いのですが、これをやっていたおかげで、面接のときに緊張する中でも、貝になってしまうことは無かったと思います。
もちろん、理解せずに機械のごとく写経をしていると全く意味がありません。
よく理解できない箇所はFP技能検定教本1級(全6冊)等で良く調べて理解をしつつ写経しないといけません。
お客さんの悩み相談のつもりで面接に臨む
面接試験では知識とともに顧客対応の適性を見られています。
まず、設例をよく読んで、顧客が置かれている状況をよく理解しないといけません。
FP知識以前の、相手の立場を理解したり人の話をよく聞いたりする能力がかなり問われます。
お客様に扮する面接官の問いに自信を持って答えられない場合の対応は、かなり重要だと思います。
筆記試験では何も答えないよりは山勘でもいいので何か答えたほうがいいでしょう。
しかし面接試験でそれをやるのは危険です。
実際に顧客から相談を受けたときに不正確なアドバイスをしたら大変です。
それよりは「持ち帰って調べた上で答えさせて頂きます」とでも逃げたほうがマシです。
試験結果は思わぬ合格でした。
…とここまで偉そうに言っていますが、自分の試験での出来は褒められたものではありませんでした。
![IMG_0200[1]](https://webshufu.com/top/wp-content/uploads/2015/03/IMG_02001.jpg)
120/200が合格ラインですが129/200で合格してました。ぎりぎりに近いですね。
でももっと低い点数で見事に不合格だと思っていました。望外の合格です。いや良かった良かった。
私の失敗
なぜ見事に落ちたと思ったかと言うと以下のような失敗をしたからです。
あ…電卓忘れた。
電卓が必要な質疑応答が無く、事なきを得ました。
不動産の仲介手数料率が答えられなかった
面接では「不動産屋さんに払う仲介手数料っていくらぐらいでしたっけ。」と聞かれましたが、ど忘れ。
「確か、すっ、数パーセントですが、後ほど調べて連絡致します。」と答えました。
FP受験者以外でもかなりの人が知っていると思われる仲介手数料率3%が出てこず。他の受験生から後れを取りました。
FPと職業倫理に関する質問に、答えそこなう
面接で「FP業務を行うに当たって大切にしている原則はなんですか」と問われて「 これは必ず聞かれる『FPと職業倫理』だな。対策万全。これはもらった!! 」と思ってすらすら答えました。
しかし、面接官から強烈なカウンターパンチ!!
「一番大事なこと忘れてませんか。そんなFPさんにはお願いしたくないな。顧客利益を優先してくれないと…」
相続税の申告期限を間違える
相続税の申告期限を聞かれたのですが「 相続発生から8ヵ月後までです。 」と答えてしまいました。
いや、10か月だった知ってたし、自分でもそう答えたつもりだったんです。
しかし面接官から「 えっ、8ヵ月後? 」と強烈なカウンターパンチ。
ほんとに単なる言い間違いなんですが、この大事な局面で出なくても…そのうえ、取り繕い方もよくなかったです。
「えっ、私8ヵ月後と言いましたか?すいませんそれなら間違いです。申告期限は相続発生の10ヵ月後です。 」
とぼけてしまいました。。。
多くの失敗にもかかわらず合格
これだけの失敗をしても、二次試験の点数は129点で、合格ラインを結構上回りました。
学科試験に受かった人は、真面目に準備をして当日大失敗さえしなければ、実技試験には楽勝で受かるものと思われます。
とは言え、合格率85%ですので、15%の人は面接に落ちます。
油断が一番の大敵ですね。
受験費用
FP一級の取得には、独学ですんなり合格した場合も、結構費用がかかります。
私の場合以下の費用がかかりました。
費目 | 金額 |
---|---|
FP技能検定教本1級(全6冊) | 25920 |
パーフェクトFP技能士1級対策問題集・学科編 | 4860 |
あてる TAC直前予想 FP技能士1級 | 3240 |
FP技能検定1級実技(資産相談業務)対策問題集 | 4320 |
学科受験料 | 8900 |
実技受験料 | 25000 |
合計 | 72240 |
元を取っていかねば…
ファイナンシャルプランニング技能士になって何するの
ただ、元を取るといっても独立開業してバリバリ稼ぐぞ…ということではありません。
金融不動産関係の営業で現役バリバリな方はFP資格が仕事に直結すると思いますが、そうで無い限りFPはすぐに収入に結びつく資格ではありません。
独立するなら他の資格との合わせ技で独立するのが現実的ですね。多分。
そういうわけで、資格試験の勉強を通じて得た知識で無駄使いを減らして、資格取得に投じた費用を回収できればと考えています。
あと、ブログ記事を書いたり、アフィリエイトするときに少しでも役に立てばと思ってますよ。
最後に
FP受験生頑張れ。