我が家には子供がいませんが、妹夫婦には子供がいて、もう中学生になりました。
子供は成長するとともに親が答えに窮する質問をするようになるものです。
妹夫婦が直面したそのような質問の一つが「保険って何?」でした。
そこで、子供にも十分わかりやすく、保険の初歩的内容を図解することにしましたが…
自分で画像・動画コンテンツを作ると大変なので、ウェブ上の既存コンテンツを利用して、補足説明することにしました。(釣り気味ですいません。)
日本生命さんのコンテンツがわかりやすい
いくつかのコンテンツを物色した結果、日本生命さんの動画コンテンツがわかりやすかったです。
特に「保険のはじまりとしくみ」の部分が良いですね。
保険は不幸に対する相互扶助の仕組み(日製産が言うには)
日本生命の動画では、夫に突然先立たれて葬式代にすら困った妻が、村長の力を借りて村民から善意の寄付を集める話が出てきます。
そこから村長が以下のような提案をします。
「みんなで少しずつお金を出し合って、資金をためておき、お金を出した人が死んだ時には、貯めた資金から援助金を出そうではないか。」
つまり、日生さんは、保険を相互扶助としてとらえているわけですね。
みんなで少しずつ出し合うお金が保険料です。援助金が保険金です。
ちなみに葬式代や遺族生活費の相互扶助は、古代ローマの組織「コルレギア・テヌイオルム」で実際に行われていました。
西暦100年頃のローマで生まれた遺族の生活を助け合う組織「コルレギア・テヌイオルム」が生命保険の起源(滋賀大学)
しかし、保険学者を中心に「相互扶助の雰囲気を前面に出し過ぎるのはどうか」という意見もあります。
ただし保険に入ると損をする
保険を相互扶助的なものとして紹介すると、素晴らしい仕組みに見えますが、良いことばかりではありません。
言うまでもなく日本生命さんは保険の売り手。動画では触れられていませんが、保険加入は金勘定の面では損です。
みんなで出し合う保険料から、保険会社の社員さんの給料などが差し引かれて、残ったお金が援助金(保険金)に回されるので、保険加入者全体としては、
支払った保険料>受け取れる保険金
となってしまうのです。
中学生にはちょっと難しいかもしれませんが、以下の記事に、この辺りのことをまとめました。
保険を損得だけで考えてはいけませんが、損得を全く考えないのは論外です。
保険に入る前に、保険以外の相互扶助の利用を検討する
保険は突然の不幸に備えるための仕組みですが、保険に入ると損をします。
ですから、不幸に対応するなら、まずは自力で貯蓄、次に借り入れ、そして保険以外の相互扶助、保険は最後の手段です。
安易に保険に入ると一生のうちに多額の損をしてしまいます。
動画でも、「私は十分お金を持っていますから、保険に入らなくても大丈夫」と言って、村長の提案を受け入れない人が出てきます。
一方「私は不安だから保険料払って保険に加入する」という人も出てきます。
人それぞれです。
保険に入る必要などなく、入ったほうが良いと思う人が入ればいいのです。
その判断をするのに有用なのがライフプランです。「十分なお金がある」または「お金が十分ないから不安」という判断は、ライフプランを作って将来の自分の財産について試算した上で、行うべきです。
試算もせずに、何となく不安だからと言って保険に入っていたら、それはただの無駄遣いです。
しっかり検討して「たとえ保険加入が大損であっても、自分にとっては、保険に入らないより入るほうが良い」と確信するに至るなら、保険加入はいい買い物ではないでしょうか。
保険料はリスクに応じて変動する
動画の中で「20歳の若者と99歳の老人の保険料が同じなのはおかしい。老人のほうが死ぬ確率が高いのに…」
という若者が登場します。
動画中の村長の提案によると、保険料を払っていた人が死んだときには家族に保険金が支払われます。
確かに、死ぬ確率が高い人(=保険金をもらいやすい人)と低い人(=保険金をもらいにくい人)の保険料が同じだと不公平ですね。
保険料の不公平を放置しておくと、若くて健康な「死ににくい」人は、バカバカしくて誰も保険に加入しなくなります。
そこで、死ぬ確率(保険料を受け取る確率)が高い人ほど保険料は高く、死ぬ確率が低い人ほど保険料が低くなるようになっています。
死ぬリスクは、年齢だけではなく、
- タバコを吸っているかどうか
- 大きな病気をしたことがあるかどうか
- 危険な仕事をしているかどうか
などでも変わってきます。
このように、保険料がリスクに応じて変化する話も、動画では分かりやすく描かれています。
ちなみに、純粋にリスクに応じて計算された保険料を自然保険料と言います。
クイズもあるので興味を持って読みやすい
日本生命さんの動画には最後に「保険クイズ」もあります。
子供が飽きずに視聴するにはいいですね。
動画コンテンツ以外にも日本生命サイト内の保険の基礎知識 カテゴリのコンテンツは、保険をわかりやすく説明しているので素晴らしい。
とはいえ、保険に入ると大損することなど、保険の売り手である日本生命さんにとって都合の悪いことには触れられていない部分もあります。
そこは親御さんが補ってあげないといけませんね。