は公務員で中学教師です。@web_shufuです。
ライフプランを立てる時に、自分や妻が何歳まで生きる設定にするか、とても悩みました。
中立的な設定では「平均」を利用するのが合理的ですが、ライフプランにおける平均は、平均寿命ではなく平均余命を使うべきです。
平均寿命とは0歳児の平均余命
平均余命とは「あと何年生きられるか」の平均値です。当然ですが年齢ごとに平均余命は減っていきます。
平均余命については厚生労働省が毎年簡易生命表にまとめています。
例えば、平成26年の簡易生命表によれば、日本人の年齢別平均余命は以下の通りでした。
0歳における平均余命は、「生まれた瞬間の時点であと何年生きられるか」を表すので、平均寿命そのものを表すことになります。
平均寿命に基づいて老後を論じるのは不適切
老後の資金準備を論ずる記事などで「平均寿命まで生きるものとして…」などと言っている識者を見かけませんか。
これは間違いとまでは言いませんが、老後準備のためのライフプランを作るにあたってはかなり不適切です。
老後のライフプランに重要なのは退職時の平均余命
老後のライフプランは、たいていの場合、退職後のためのものですよね。
ということは定年まで無事に生き延びた場合に備えて作るわけです。
だから、0歳児の平均余命より、定年時(定年が高齢化すると予想して65歳~70歳?)の平均余命の方が重要です。
65歳まで生き延びるた人の平均寿命は男84歳、女89歳
平成26年簡易生命表の数値をもう一度見てみましょう。
年齢 | 男 | 女 | ||||
H26 | H25 | 差 | H26 | H25 | 差 | |
65 | 19.29 | 19.08 | 0.21 | 24.18 | 23.97 | 0.21 |
70 | 15.49 | 15.28 | 0.21 | 19.81 | 19.59 | 0.22 |
65歳時点の平均余命は、男19.29年、女24.18年です。つまり、65歳まで生き延びた人は平均して男約84歳(=65+19.29)、女約89歳(=65+24.18)まで生きることが、統計上明らかなのです。
同じようにして、70歳まで生き延びた人が平均して何歳まで生きるかを考えると、男約85歳(=70+15.49)、女約90歳(=70+19.81)となります。
平均余命の伸びも考慮したほうがいい
では、男は85歳、女は90歳まで生きる前提でライフプランを立てればいいかというと、それでもまだ不足です。
平成26年簡易生命表を見ると、65歳時点と70歳時点の平均余命がともに1年間で0.2歳強伸びていることが分かります。
1年間で1歳年を取る間に、65歳時点や70歳時点の平均余命が0.2年延びるわけですよね。
平均余命の伸びが今のペースを維持すると仮定すると、平成26年簡易生命表上の65歳時点の平均余命は約19年(男性の場合)です。今年(平成28年)私は45歳になりますが、20年後に私が65歳になったときの平均余命は4歳ほど(=0.2×20)伸びて約23年に達するかもしれません。
と考えると、平均的に生きる前提なら90歳まで、長生きリスクを多めに見積もっるなら100歳までのライフプランを立てるべきだということになります。
女性の場合は、男性より約5年寿命が長いので、これに5歳加えることになります。平均的に生きる前提なら95歳まで、長生きリスクを多めに見積もるなら105歳まで…ということになります。
わが家のライフプランは私が100歳前後まで生きる前提で考えています。
まとめ
何歳までのライフプランを立てるかというのは、本来、人それぞれ自由に決めるべきことです。
この記事で申し上げたかったことは、「世の中の平均に合わせるつもりなら、平均寿命ではなく平均余命を使おう」ということです。
何より、不完全でもいいので、まずライフプランを作ってみることが老後準備においては重要です。