先進医療を使う場合でも医療保険は必要ないのか

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我が家は「保険診療しか受けないなら医療保険はいらない」と考えています。

では、重い病気にかかったときに、保険診療以外の診療(治療費全額が自己負担となる診療)を利用するなら、どうでしょうか。

保険診療以外の診療には色々あるのですが、当記事では先進医療を利用する場合に医療保険が必要かどうかについて考えたいと思います。

我が家としては、

ウェブシュフ妻
先進医療を使うにしても、医療保険はいらないわね。

と判断していますが、それは人それぞれ。

我が家がこのような判断を下すまでの過程が参考になれば幸いです。

保険診療は安全性と有効性が確立された診療。

保険診療は、保険証を提示すれば自己負担3割以下で利用できる診療のことです。

保険診療は国のお墨付きの診療で、保険診療は安全性と有効性が確立されています。

先進医療は、安全性と有効性のテスト中である診療

一方、先進医療は保険診療ではありませんから、安全性と有効性が確立されたわけではありません。

先進医療は健康保険に収載するかどうか評価段階の治療で、とくに優れた医療を指すわけではない。(最先端・高額のイメージばかりが独り歩き「先進医療」にまつわる3つの重大な誤解|男の健康|ダイヤモンド・オンライン

先進医療は、保険診療の候補として、安全性や有効性がテストされている最中の診療なんです。

保険診療として採用される一歩手前まで来ているわけですから、先進医療は他の保険外診療より、安全性や有効性に優れている可能性が高いと言えます。

先進医療は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)において、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の1つとされています。(先進医療の概要について |厚生労働省

テストの結果、安全性や有効性が十分に認められれば、先進医療は保険診療となります。

逆に、十分な安全性や有効性が認められなければ、保険診療として採用されず、先進医療としての指定も解除されてしまいます。

安全性や有効性について言えば、保険診療>>先進医療>>>その他の保険外診療となります。

先進医療の出番は保険診療ではどうにもならないときだけ

先進医療は保険診療と比べれば信頼度に劣ります。

先進医療を使うべき場面があるとすれば、保険診療ではどうにもならない手詰まりの場面だけですよね。

先進医療のコストは全額自己負担

最後の頼みの綱となるかも知れない先進医療ですが、保険診療に比べて自己負担はとても大きくなります。

保険診療にかかる費用の自己負担割合は3割以下です。残りは公的医療保険が負担してくれます。

先進医療の費用は全額自己負担です。公的医療保険は全く負担してくれません。

もちろん高額療養費制度の対象にもなりません。

先進医療にかかるコストが高額だったら大変ですよね。

とはいえ、最も高額な治療でも費用は約300万円。自己負担でも対応可能。

先進医療にかかる実際のコストを見てみましょう。

2017年1月現在、先進医療の中でも高額なものが、がん治療として使われる陽子線治療や重粒子線治療などです。

陽子線治療にかかる費用は300万円弱で、もちろん費用の全額が自己負担です。

治療費は、288万3千円となっています。現在のところ、これらの治療費は健康保険の対象になりません。ただし、それに付随する入院費や検査料は通常の保険診療の対象となります。(Q&A よくある質問とその回答 | 名古屋陽子線治療センター

重粒子線治療の費用は約300万円です。もちろん費用の全額が自己負担です。

重粒子線治療は先進医療として認められているため、混合診療が可能です。そのため、重粒子線治療費用約300万円(自己負担。(治療費は各施設のホームページをご覧ください))に加えて、通常の治療と共通する保険診療部分(診察、検査、入院、薬など)の3割負担が必要になります。(よくあるご質問| 重粒子線治療ガイド

300万円であれば、結婚準備や車の買い替えでも覚悟しなければならない程度の金額です。保険に頼らず自力で何とかすることも十分可能です。

先進医療に備えて保険に入る必要性は、今のところ高くないが…

300万円もの治療費が急に降りかかるとすれば痛いですが、これに備えるために終身医療保険に夫婦で加入すると、それ以上の保険料を生涯で支払う羽目になるかもしれません。

損得勘定の上では終身医療保険に入るのは明らかに損ですよね。

先進医療の制度が現状のまま何も変わらないとすれば、先進医療を利用するつもりであっても、これに備えて保険に入る必要性は高くないでしょう。

保険よりも自力で対処することが理想です。自力が無理でも、保険を頼る前に、親や子をはじめとした親族を頼ることを考えるべきだと思います。

先進医療費が高額化すると、保険で備える必要性は高まる

しかし医療費は年々高額化しています。

健康保険組合連合会(健保連)の集計によると、患者1人あたりの医療費が1カ月で千万円以上だった例が、2016年度は484件となった。15年度に比べて件数は3割以上増え、過去最多になった。1カ月で1億円を超えた治療も2件あった。(医療費月1000万円以上、最多 1人あたり、昨年度484件 :日本経済新聞

ここで出てくる「1か月で1億円以上の費用がかかる治療」には保険証が利くので、患者の自己負担は120万円程度です。

もしこの治療が保険証の利かない先進医療だったとすれば、自己負担は1億円全額です。

先進医療の中にこのようなものが含まれるようになれば、流石に自力で対処するのは難しいです。

医療保険に加入して先進医療特約を付けるなど、先進医療に対して保険で備える必要も高くなります。

先進医療特約とは、先進医療の費用を1000万円から2000万円程度まで保障してくれる特約のことです。

しかし、先進医療の高額化を十分にカバーする保険はない

我が家は「保険診療で手詰まりになったら先進医療を受けたい」と考えています。

先進医療の高額化に備えて、先進医療特約を付けるためだけに、医療保険(1年定期型)に最小限度(入院給付金日額1,000円)で加入していました

先進医療に特化したリンククロスコインズという保険商品も検討しました。

ただ医療保険の先進医療特約は上限1,000万円~2,000万円程度です。

1カ月で億単位のお金がかかる治療法が出てきている以上、先進医療特約を付けても家計破たんのリスクが残ってしまいます。これでは全く安心できません。何のための保険でしょう。

我が家では先進医療特約の利用もやめることにしました。

先進医療特約を利用するためだけに加入していた医療保険も解約しました。

先進医療特約の補償額の上限は引き上げてほしい

我が家は先進医療特約の利用をやめました。

それは先進医療特約の補償が貧弱で安心できないからです。

補償がもっとしっかりしていれば、先進医療特約は利用したいです。

例えば、先進医療を無制限に保障するタイプが出てきたら、ぜひとも利用したいと考えています。

我が家では、切実に、

ウェブシュフ妻
先進医療特約の補償額の上限は引き上げてほしい

と思っています。

先進医療を使うのか使わないのか、どちらかに決めることが大事です

ところで、我が家は先進医療を利用することにしていますが、先進医療を利用しないのも一つの決断です。

先進医療を利用しないなら、先進医療特約は不要ですよね。

こういった選択は価値観次第なので、どちらの結論を出しても正解です。

大事なのは決断することです。決断を避けて先送りにするのはよくありません。

将来について決断を下すのは難しいことです。いろいろ調べる必要もあって面倒です。

しかし、決断を先送りすると、どちらに転んでもいいように何でもかんでも保険をかけることになってしまいます。

この状態は「いつか必要になるかも知れないから」という理由で何でも買ってしまうのと似ています。行き着く先は大きな無駄遣いです。

将来について決断を下すのは大変ですが、それでも極力決断を下すようにしないと、お金がいくらあっても足りなくなります。

ウェブシュフ
先進医療を利用するのかしないのか
ウェブシュフ妻
先進医療を利用するならそれに備えて保険をかけるのか

医療保険について検討するなら、夫婦でよく話し合って、この点について必ず結論を出しておくべきです。