先進医療を使う場合でも医療保険は必要ないのか

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医療保険不要論者とのレッテルを貼られがちな@web_shufuです。

我が家は確かに「医療保険はいらない」と考えていますが、それは保険診療しか受けないという前提の下での話です。

注)保険診療とは、保険証が効くために治療費の自己負担が3割以下で済む診療のこと

重い病気にかかったときに保険診療以外の診療(治療費全額が自己負担となる診療)を利用するなら、その前提で医療保険を利用するかどうかを検討しなければいけません。

保険診療以外の診療には色々あるのですが、本日は、先進医療を利用する場合に医療保険が必要かどうかについて考えたいと思います。


先進医療とは何か

「先進医療」と聞くと、ふつうの保険診療より効果がありそうに見えますが、実はそうでもありません。

先進医療は「安全性と有効性をテストしているところ」である診療

先進医療は健康保険に収載するかどうか評価段階の治療で、とくに優れた医療を指すわけではない。(最先端・高額のイメージばかりが独り歩き「先進医療」にまつわる3つの重大な誤解|男の健康|ダイヤモンド・オンライン

確かに先進医療は比較的新しい治療ですが、健康保険に収載するかどうか(つまり保険診療とするかどうか)がテストされている最中の診療なんです。

テストの結果、安全性や有効性が十分に認められれば、先進医療は保険診療となります。

逆に、十分な安全性や有効性が認められなければ、保険診療として採用されず、先進医療としての指定も解除されてしまいます。

先進医療は、保険診療とされるほどの安全性や有効性はまだ認められていない治療法であって、保険診療と比べて安全性や有効性が劣っている可能性すらある医療です。

保険診療は「安全性と有効性が確立された」診療

一方、保険診療は安全性と有効性が確立されています。

保険診療は国のお墨付きの診療だと言えます。

そのうえ費用の自己負担は3割以下に抑えられます。

先進医療の出番は保険診療ではどうにもならないときだけ

このように、様々な点で「保険診療>先進医療」です。

先進医療を使うべき場面があるとすれば、保険診療ではどうにもならない手詰まりの場面だけですよね。

先進医療のコストは全額自己負担

最後の頼みの綱となるかも知れない先進医療ですが、保険診療に比べて自己負担はとても大きくなります。

保険診療にかかる費用の自己負担割合は3割以下です。残りは公的医療保険が負担してくれます。

先進医療の費用は全額自己負担です。公的医療保険は全く負担してくれません。

もちろん高額療養費制度の対象にもなりません。

先進医療にかかるコストが高額だったら大変ですよね。

とは言え最も高額な治療でも費用は約300万円。自己負担でも対応可能な金額です。

先進医療にかかる実際のコストを見てみましょう。

2017年1月現在、先進医療の中でも高額なものが、がん治療として使われる陽子線治療や重粒子線治療などです。

陽子線治療にかかる費用は300万円弱で、もちろん費用の全額が自己負担です。

治療費は、288万3千円となっています。現在のところ、これらの治療費は健康保険の対象になりません。ただし、それに付随する入院費や検査料は通常の保険診療の対象となります。(Q&A よくある質問とその回答 | 名古屋陽子線治療センター

重粒子線治療の費用は約300万円です。もちろん費用の全額が自己負担です。

重粒子線治療は先進医療として認められているため、混合診療が可能です。そのため、重粒子線治療費用約300万円(自己負担。(治療費は各施設のホームページをご覧ください))に加えて、通常の治療と共通する保険診療部分(診察、検査、入院、薬など)の3割負担が必要になります。(よくあるご質問| 重粒子線治療ガイド

300万円であれば、結婚準備や車の買い替えでも覚悟しなければならない程度の金額です。保険に頼らず自力で何とかすることも十分可能です。


先進医療に備えて保険に入る必要性は、今のところ高くないが…

300万円もの治療費が急に降りかかるとすれば痛いですが、これに備えるために終身医療保険に夫婦で加入すると、それ以上の保険料を生涯で支払う羽目になるかもしれません。

損得勘定の上では終身医療保険に入るのは明らかに損ですよね。

先進医療の制度が現状のまま何も変わらないとすれば、先進医療を利用するつもりであっても、これに備えて保険に入る必要性は高くないでしょう。

保険よりも自力で対処することが理想です。自力が無理でも、保険を頼る前に、親や子をはじめとした親族を頼ることを考えるべきだと思います。

先進医療費が高額化すると、保険で備える必要性は高まる

しかし医療費は年々高額化しています。

例えば、一部のがんに使う場合に保険診療となるオプジーポと言う抗がん剤がありますが、この薬の値段はとても高額でした。

非小細胞肺がんの場合、1回3mg/kgを2週間間隔で投与。体重60キロの成人に対して、1年間継続して投与された場合、およそ3500万円の医療費が必要と試算されています。(“夢の新薬” オプジーボと財政危機|NHK NEWS WEB

その後価格が半額に引き下げられましたが、それでもかなり高額です。

先進医療の中にこのようなものが含まれるようになり、数千万円を全額自己負担する事態を想定しなければいけなくなったとしたら、流石に自力で対処するのは難しいかもしれません。

こうなると、医療保険に加入して先進医療特約を付けるなど、先進医療に対して保険で備える必要も高くなります。

先進医療特約とは、先進医療の費用を1000万円から2000万円程度まで保障してくれる特約のことです。

そのため我が家は先進医療に備えて医療保険に加入していますが…

我が家は「保険診療で手詰まりになったら先進医療を受けたい」と考えています。

先進医療の高額化に備えて、先進医療特約を付けるためだけに、医療保険(1年定期型)に最小限度(入院給付金日額1,000円)で加入してします。

我が家は、一般的な医療保険の主契約に含まれる入院保障や手術保障は無駄だと考えているので、本来は医療保険には入りたくありません。

ウェブシュフ妻
医療保険の主契約には入らずに先進医療特約だけに入れたらいいな

と思っていますが、そんな保険加入の仕方を容認してくれる保険会社は日本にはありません。

そこで、しぶしぶ医療保険(1年定期型)に最小限度(入院給付金日額1,000円)で加入して、そこに先進医療特約を付けているわけです。

一人当たりの年間保険料は約3,000円なので、そんなに高い出費ではないですけどね。

最近は「先進医療に備えて保険に入る必要はないのではないか」と思い始めました

しかし最近になって、我が家では夫婦とも

ウェブシュフ
先進医療特約は不要なのではないか?

と考えるようになりました。

我が家には現行の先進医療を受けられるだけの貯蓄はあります。

したがって目先のことだけを考えれば先進医療特約は要りません。

将来高額な先進医療がどんどん出現したら不安ですが、医療保険の先進医療特約は上限1,000万円~2,000万円程度です。

先進医療特約があっても、先進医療が高額化した場合は、安心して先進医療を受けられるか疑問です。

がん保険なら先進医療を無制限に保障してくれるものが多いですが、当然ながら「がん限定」です。

我が家の主観にすぎませんが

ウェブシュフ妻
医療先進医療特約って思ったほどパワーなさそう

と思えてきたんですよね。

そういうわけで、先進医療特約のためだけに入っていた1年更新の定期医療保険は、次回は更新しません。

先進医療を使うのか使わないのか、どちらかに決めることが大事です

我が家は先進医療を利用することにしていますが、先進医療を利用しないのも一つの決断です。

我が家は「先進医療を利用する場合でも先進医療特約は不要」だと考えますが、もちろん「先進医療特約は必要」と考えても構いませんし、そう考える方が多数派でしょう。

こういった選択は価値観次第なので、どちらの結論を出しても正解です。

大事なのは決断することです。決断を避けて先送りにするのはよくありません。

将来について決断を下すのは難しいことです。いろいろ調べる必要もあって面倒です。

しかし、決断を先送りすると、どちらに転んでもいいように準備をしたくなるものです。

リスクマネジメントでこれをやり始めると、何でもかんでも保険をかけることになってしまいます。

この状態は「いつか必要になるかも知れないから」という理由で何でも買ってしまうのと似ています。行き着く先は大きな無駄遣いです。

将来について決断を下すのは大変ですが、それでも極力決断を下すようにしないと、お金がいくらあっても足りなくなります。

ウェブシュフ
先進医療を利用するのかしないのか

医療保険について検討するなら、夫婦でよく話し合って、この点については必ず結論を出しておくべきです。

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