HCDコンサルティング(旧・中川勉社会保険労務士事務所FPウェブシュフ)のブログ

平均入院日数の推移を調べると、高齢者ほど減少傾向が明らかだった

連載:医療保険は不要 第29回です。

前回は、高齢者の長期入院費用の自己負担分 についてでした。

今回は、平均入院日数の減少について書きます。

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先日来、入院確率を調べていましたが、医療保険について考えるには入院日数も重要です。そこで年代別に平均入院日数を調べてみました。

直近のデータだけではなくここ数年の推移を調べたところ、「加齢とともに入院期間は伸びるが、近年は入院日数は明らかに減少傾向」であることがわかりました。

特に高齢者の入院日数の減少ぶりは顕著です。

厚生労働省患者調査より

まずは、厚生労働省の平成26年患者調査で平均入院日数を調べてみます。

患者調査では、平均入院日数は「退院患者の平均在院日数」として調査されています。

年齢別平均入院日数の最新データ

年齢別の平均入院日数は次の通りです。

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年齢を重ねると共に入院日数はどんどん増えていきます。

年令 平均入院日数
20~24歳 13
25~29歳 11.2
30~34歳 11.8
35~39歳 15.6
40~44歳 18.3
45~49歳 21.7
50~54歳 27
55~59歳 25.9
60~64歳 30.4
65~69歳 29.5
70~74歳 33.5
75~79歳 36.9
80~84歳 41.4
85~89歳 51.8
90歳以上 76.3

70代からは平均入院日数が30日を超え、90代では76.3日となります。

これだけを見ると、高齢者になると1月以上の入院が当たり前になりそうな気がしますね。

年齢別平均入院日数は高齢者ほど減少傾向が強い

ところで、年齢別平均入院日数はここのところ継続して減少傾向を示しています。これをグラフにしたのが次の図です。

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高齢者ほど入院日数の減少傾向は明らかです。

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生命保険文化センターの調査より

入院日数については、厚生労働省だけではなく、生命保険文化センターも 「生活保障に関する調査」の中で、統計を取っています。

年齢別平均入院日数の最新データ

70代以上のデータがないですが、加齢とともに平均入院日数が増えていく様子は明らかですね。

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年齢別平均入院日数のここ最近の推移

生命保険文化センターの調査は、厚生労働省の調査に比べて母集団が小さいので、若年層の入院日数の変化が若干おかしいですね。

それでも、入院日数が減少傾向であることは読み取れると思います。

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平均だけ見ていても駄目

データを見るときに平均だけを見るのは考えものです。

先程「高齢者になると1月以上の入院が当たり前になりそうな気がしますね。」と言いましたが、90代の方でも長期入院するケースは少数派です。

平均だけを見ているからこうなってしまうのです。平均値以外も詳しく見る必要があります。

次は入院日数について「どのくらいの入院日数の方が、どれぐらいいるか」というところを調べたいと思います。


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