信じてはいけない!夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割なんて嘘

更新

2016-06-27-living-cost-after-wife-death

外交員
旦那さんが亡くなった後の家計支出は今までの7割くらいですよ

などという保険外交員やFPに出会ったことはありませんか。

こういう発言は信じてはいけません。大体「7割」なんてどこから出てきたのでしょうか。

ウェブシュフ
ソースを教えてほしいですよね。

例えば、我が家の場合は、妻が死んだ場合に生活費は半分以下になります。我が家にとって「7割」は真っ赤な嘘です。

家計については「誰かが○○と言っていたから」という判断は危険なのです。


家計はあくまでも「我が家の場合」を考えなければなりません。

生命保険に限らず、教育費や住宅ローンなど、ライフプランに関することは全て、常識や誰かの意見は脇に置いといて、あくまで我が家の場合はどうなのかを見積もって判断するしかありません。

ウェブシュフ妻
平均が○○だから
ウェブシュフ妻
みんなが○○だから
ウェブシュフ妻
専門家っぽい人が○○と言っていたから

という理由で、保険・教育費・住宅ローンなどについて判断すると、とんでもない目に合うかもしれませんよ。

我が家の家計支出は妻に先立たれると半分以下になる

我が家でも、一家の大黒柱である妻に死亡保険を掛けるに先立って、妻死亡後に支出がどうなるかを費目別に検討しました。金額の単位は「万円/年」です。

費目別 妻生前 妻死後
基本生活費計 337 176
その他固定費計 167 81
一時支出計 95 40
家計支出合計 599 297

やはり「夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割」なんて信用ならないと言わざるを得ません。

それぞれについてもう少し詳しく見ましょう。

基本生活費は妻死亡後に6割以下に

基本生活費(毎年払う生活費)について妻死亡前後の明細をまとめると以下の様になります。

基本生活費 妻生前 妻死後
新聞図書費 15 10
水道光熱費 30 27
消耗品費 1 1
通信費 24 16
支払手数料 2 2
食費・日用品費 84 60
服飾費 35 10
妻カード出金・交際費 74 0
妻ガソリン代 15 0
世帯交際費 27 20
自分カード出金・交際費 30 30
基本生活費計 337 176

「妻カード出金・交際費」というのは、要するに妻のお小遣いです。この部分は妻が亡くなるとゼロになります。妻によるガソリン代支出も、妻死亡後にはゼロになります。

亡くなった妻(夫)について

  • 亡くなった妻(夫)のお小遣いがかなり多い
  • 亡くなった妻(夫)だけが車に乗る

という場合は、妻(夫)の生前と死後で生活費にかなりの差がつくはずです。


その他固定費についても妻の死後は5割以下に

その他固定費 妻生前 妻死後
住居費 81 60
保険料(車・住居以外) 14 1
車の税と保険料 21 0
妻職場交際費 21 0
医療費・人間ドック 30 20
その他固定費計 167 81

私が一人暮らしになると、保険料はほとんど要りません。車関係の費用もいりません。その結果「その他固定費」は妻の死後に5割以下になります。

妻職場交際費というのは、労働組合費など給料天引きで支払っている交際費のことです。これも妻が亡くなったら必要ありません。

なお、我が家は子供がいないので教育費は不要で、住宅ローンもありません。

一時支出も5割以下に

続いて、毎年行うわけではない支出について、年平均額をまとめました。「一時支出」も妻の死後には5割以下になります。

一時支出 妻生前 妻死後
旅行費 30 15
車検・車買換え 40 0
介護・葬儀 25 25
一時支出計 95 40

こうしてみると車って金食い虫ですね。

「7割」を信用すると保険金額の設定を誤ってしまう

以上のように、我が家の家計支出は、妻の死亡後に7割どころか5割未満にまで減ります。

「夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割」を信じて保険金を設定すると、実際の必要保障額よりずいぶん高い保険金額となります。

当然保険料も高くなり、長い年月の間に多額の無駄遣いが発生します。

考えないと損をする典型例ですね。

「7割」を主張する人も一枚岩ではない

ところで「夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割」にも二通りあります。

例えば、ファイナンシャルプランナー・岩永真理オフィシャルサイト|サービスメニューでは、独身者の生活費を夫婦二人暮らしの生活費の7割としています。これは、二人暮らしの夫婦の片方が亡くなると生活費がそれまでの7割になるという考え方です。

一方、ライフネット生命会長出口治明さんの著書「生命保険とのつき合い方」に「伝統的な生命保険業界の考え方」が紹介されています。

①子どもが独立するまでの世帯の日常生活費…290,454円(世帯の月額消費支出。総務省「家計調査」2013年平均)×0.7(遺族の消費支出を七割とする)×240カ月(子どもが大学を卒業するまでの20年間)=47,896,272円。

これは子供がいる夫婦で妻(夫)が亡くなると生活費が7割になるという考え方ですね。子供の人数は考慮されていないですね。

このように、「夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割」と主張する人でも、前提がいろいろと違うので、言っていることは実はバラバラなのです。

出口さんの本では、「夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割」に懐疑的な言葉が投げかけられています。

ただし、一見緻密な計算のようにみえますが、そもそもこのカップルの月額消費支出が平均に近いかどうかも分かりませんし、遺族の消費支出が7割かどうかも分かりません。仮に5割とすると1,400万円近くの誤差が生じます。また、月額消費支出を正確に常時把握している人はほとんどいません。

さらに次のような記述もあります。

この一見精緻にみえる伝統的な計算式は、高い必要保障金額を導くための生命保険会社の販売戦略の側面がなかったのかどうか

これでも、ライフプランを立てる際に、「夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割」を信用していいと思いますか。

「7割」は保険業界の販促目的で流布された

出口さんが言うように、「夫や妻の死後の生活費がそれまでの7割」が広まったのは、生命保険会社の販売戦略としてでしょう。

死亡保険をはじめとした生命保険を契約するなら、

  • 現在の生活費を把握し
  • それが妻(夫)の死後にどう変化するか

を把握して必要保障額を計算する必要があります。

それには家計簿をつけてそれに基づいたライフプランを立てておくべきです。これが正論なのですが、現実は

月額消費支出を正確に常時把握している人はほとんどいません。

という状態です。

ですから保険セールスの現場で正論を前面に出すと、

外交員
家計簿で生活費を把握して妻(夫)の死後の変化を…
昔の私
家計簿なんて面倒だから作らないよ
外交員

となり、必要保障額の計算どころではなくなります。これではセールストークが前に進みません。

だから邪道な売り方が必要になるのです。

各家庭の家計の個別的事情を知りもしないのに、総務省「家計調査」のような権威ある統計を持ち出し、「あなたの家庭で旦那さんが亡くなった場合の必要保障額は○○円ですよ」などと臆面もなく言うのです。

自分でしっかりライフプランを立てて、いい加減な物言いに騙されないようにしたいものです。

家計やライフプランは、人の言うことをうのみにせずに、自分で考えないといけない

死亡保険の件に限らず、家計やライフプランのことについて何か決断をするには、人の言うことを鵜呑みにすることは厳に慎まなくてはなりません。

この記事を読んでいただいて大変ありがたいですが、やはり記事内容を盲目的に信じるのはだめです。

我が家の家計は自分の頭で考えることが大事です。人の言うことはあくまで参考情報にすぎません。

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