冷蔵庫は取り扱い要注意の荷物です。
この記事では、一応、冷蔵庫を運ぶための準備と冷蔵庫の運び方を説明しますが、冷蔵庫を運ぶなら自力の引越しはおすすめしません。
冷蔵庫は引越しのタイミングで買い替えるのが一番で、どうしても運ぶなら最初から業者にお願いしたほうが無難です。
では、事情があって冷蔵庫を自力運搬せざるを得ない方向けに、そのための準備と方法を書きます。
冷蔵庫を運ぶ準備
冷蔵庫を運ぶ前には、それ相応の準備が必要です。
自力であっても、業者に任せる場合でも、そこは同じです。
次の動画に要点はまとまっていますが…
…もう少し詳しく説明します。
引越し前日までに中身は空にする
引越し時、冷蔵庫の中に調味料や食品を入れたままにすることは出来ません。
引越しの前日までには、空にしておくことが理想です。
使い切ったり捨てたりして処分するのが原則
引越しまでに、冷蔵庫の中の物は、食べきったり、廃棄したりして、空っぽにするのが原則です。
特に冷凍食品は絶対に処分してください。
クーラーボックスかクール宅急便で保存・運送する手も
どうしても使い切れずに、新住所まで運んで行きたいものもあると思います。
冷蔵庫の食品のうち、パンや海苔などは、夏でなければ、普通の荷物として運んでも良いでしょう。
しかし、味噌やバター・マーガリン・マヨネーズなどは、冬以外の時期では、冷やして運びたいですよね。
こういったものは、近距離の引越しであれば、自前のクーラーボックスに保管して運ぶことが出来ます。
クラーボックスの準備が面倒だったり、遠距離の引越しの場合は、クール宅急便を利用しましょう。
引越し業者を利用している場合は、専用のボックスなどを貸し出してくれるところも有ります。
時間に余裕があれば掃除を
引越し中は、冷蔵庫の電源は当然OFFです。
すると冷蔵庫内の気温が上がり、食べかすや調味料をこぼした汚れなどから臭いが発生します。
この臭いは冷蔵庫を運んでくれている人に結構なダメージを与えます。
時間があれば、綺麗な雑巾に台所洗剤を含ませて、冷蔵庫内を拭き掃除しておきましょう。特にドアは丁寧に。
庫内の掃除が終わったら扉は開放しておきましょう。
また冷蔵庫にはゴキブリの卵が付いていることがあります。
[img-link url=”http://gokiburitaizi.seesaa.net/article/396261363.html” title=”ゴキブリはこんな所に潜んでいる(冷蔵庫編): 駆除倶楽部 茶色いハネ”]
引越しの機会にしっかり駆除して、新居にゴキブリを持ち込まないようにしたいところです。
電源を切って水抜き
冷蔵庫の中身を空にしたら次は水抜きです。
機種にもよりますが、いきなり電源を切れば良いというものではありません。注意してください。
まず製氷機能を停止して氷を捨てる
製氷機能のある冷蔵庫では、まず製氷機能を停止します。これは引越しの2日前までには行ってください。
引越しの前日には製氷皿の氷を全て捨てます。
霜取りの方法
最近の冷蔵庫は霜取りの必要が無いものも多いです。
しかし、製氷皿周辺に霜が付いているなら、霜取りしないといけません。
引越しの前日、それも早い時間のうちに、電源をオフにしたいところです。
コンセントを抜いた後は放置するだけ。霜が取れるまで16時間くらいかかります。
冷蔵庫を停止するときにアース線も外してください。
排水
冷蔵庫の下にある蒸発皿(受け皿)には、通常は水がたまっています。
引越しの際にはこの水も排水しないといけません。必要があれば当日に行います。
蒸発皿が取り外せる機種では皿を外して水を捨てます。
取り外せない機種では排水の必要がないことが多いです。しかし取扱説明書を見ないとはっきりしたことはわかりません。
中には冷蔵庫を傾けて排水しないといけない場合もあります。そこは注意点です。
電源は何日前・何時間前に切ればいいか
引越し時の冷蔵庫の取り扱いでよく話題になるのが、冷蔵庫の電源をOFFにするタイミングです。
まとめると以下の表のようになります。
機能 | OFF |
---|---|
製氷機能 | 2日前 |
電源 | 1日前 |
電源を抜き忘れて水抜きが出来ていないと、運搬中の冷蔵庫は水漏れを起こします。
水抜きはきっちりやりましょう。
冷蔵庫の運び方
自力で引っ越す場合、引越し当日は、冷蔵庫を運び出さないといけません。まずはこの動画をご覧下さい。
小さい部品の梱包
トレー等取り外しできる部品は、冷蔵庫から外して別梱包して荷造りします。
ガラス製など割れ物部品の梱包には気をつけてください。
養生(破損防止対策)
冷蔵庫はとても大きく、硬く、重い荷物です。冷蔵庫の周りを軟らかいもので包み込むようにして、養生をしておきます。
養生に一番適している方法は、引越し用のジャバラを二つ使うことです。ただ、ジャバラ(動画で冷蔵庫にかぶせているヤツです)は一つ5,000円程度。ジャバラを買うくらいなら、業者にお願いした方がコスパが良いです。
ジャバラがなければ毛布やダンボールで代用することになりますが、ジャバラよりすべりやすく破損事故を起こしやすくなります。
持ち上げた後は、床や壁の破損に注意
養生が終わったら持ち上げます。…と言うのは簡単ですが、冷蔵庫はとても重く、硬く、大きいです。
重さに耐え兼ねて不用意に床に置くと、へこみなどの傷の原因になります。大きな音をさせて近隣に迷惑をかけます。一人で運ぶのはとても無理です。
二人で持つ場合、冷蔵庫を横にしてその両端をお互いが持つのが楽です
玄関から出ない・入らないこともある
冷蔵庫を横にして持つと、玄関から搬出・搬入できないことがあります。
その場合は、最初に紹介した動画にあるように、縦にして持ったり、持ち方にテクニックが必要です。普通の人には大変です。
冷蔵庫の幅が玄関の幅より大きいなど、持ち方を工夫しても玄関から出せない場合もあります。
その場合は、冷蔵庫をロープで縛り、窓やベランダから、クレーン・ユニックなどで吊り上げ・吊り下ろしを行います。
階段を使った運び方~ただしとても大変です。
先ほどの動画の続きをご覧下さい。
二階から階段で苦労して冷蔵庫を下ろしていますね。
幅に気をつけながらの作業になりますし、らせん階段だと冷蔵庫を縦に持って運ばざるを得ません。
団地やマンションの階段から冷蔵庫を下ろすのはとても大変です。
階段で冷蔵庫をおろすのは業者に頼んだほうがいいです。
車への積載は横置き厳禁
冷蔵庫の積み方で注意しなければいけないのは、横置きは厳禁だということです。
自分で引越す場合には軽トラを使うべきで、高さが窮屈なバンは使うべきではありません。
横に寝かせてはいけない理由は、冷蔵庫の冷却システムにあります。
冷蔵庫の冷却システムは、「冷媒(フロンなど)」という冷やすための物質を循環させるものです。
循環ルート上には、冷媒が液体として存在すべきところと、ガスとして存在すべき場所があります。
冷蔵庫の電源がONになっているときは、重力をも利用して冷媒の状態を制御しています。
そのようなデリケートなシステムに対して、冷蔵庫を横に倒すことで想定外の方向から重力を掛けると、ガス漏れなどの故障が起きて、冷蔵庫が機能しなくなる場合があります。
冷蔵庫は必ず立てたままで積みましょう。
寝かせて運んでしまったら‥‥
万一、寝かさざるを得なかった時は、引越し先に到着後24時間程度は冷蔵庫の通電を控えましょう。
寝かせて運んだことが原因で、一旦冷却システムが壊れても、一定時間正しい方向から重力を掛け続けると復旧する可能性が上がるようです。
もちろん寝かせないことが一番ですが…。
※冷媒がノンフロンタイプである場合は、引越し後すぐに電源を入れても問題ないです。
自力で運ぶのはおすすめできない
普通の方が冷蔵庫を自分で運ぶのはとても大変です。
故障のリスクも高いです。引越し費用を惜しんで、引越し後に「冷蔵庫が壊れた」「冷えない」となっては本末転倒。
引越しで冷蔵庫を運びたいなら、自力運搬は諦めて業者を利用するべきです。
一人用サイズで同一都道府県内の移動ならば、冷蔵庫のみの引越し料金は6000円程度です。
冷蔵庫の処分費用
冷蔵庫は家電リサイクル法の対象品なので、友人にあげるなどしない限り、無料で処分できません。
誰かに売ったり譲ったりしない限り、廃棄処理費用が必要です。
メーカーによって異なりますが、リサイクル料約4000円~約6000円を支払えば、引き取り処分してくれます。
新品の冷蔵庫を量販店で買うと、似たような値段で古い冷蔵庫を引き取ってくれます。
処分するなら早めに動いてください。
冷蔵庫は引越し時に買い替えるのが良い
冷蔵庫を引越し先まで持って行くよりは、処分したほうが安上がりになることが多いです。
ある程度使い込んだ冷蔵庫は、引越しのタイミングで処分して、新しいものに買い換えた方が良いです。節約になります。
買ったばかりの冷蔵庫だと、引越し先に持って行った方が良いです。
しかし、持って行くなら、自力ではなく業者に丸投げした方が良いでしょう。