モバイル保険が私の周辺で少しだけ話題になっています。
モバイル保険や携帯キャリアの端末補償サービスへの加入は、自由(任意)ですから、必要ではありません。つまり不要です。
ですから「入ったほうがいい」と思う人だけがモバイル保険に入ればいいのです。
そして…保険に入る入らないは、最後はその人の価値観次第。入っても入らなくても正解です。
ただ私は、太陽が西から登ってもモバイル保険に入りません。
本記事は、そう考える理由を、長々と説明する記事となります。
モバイル保険は損
「モバイル保険」爆誕。月700円で3ガジェットの修理費を年10万円まで補償 : ギズモード・ジャパンによると、
月額700円でスマホをはじめとしたモバイル端末を3台まで補償してくれる「モバイル保険」がさくら少額短期保険株式会社から登場しましたよ。ディスプレイ破損して直して再度割って直して…という厄が続く人でも、年間10万円ぶんまでは回数限定なく修理費を補償してくれますよ。
とのことです。この保険は入った方が得でしょうか。
損得をキャッシュフローの期待値で考える限り、答えはNOですよね。
保険というものは、契約者全体としては、
支払った保険料>受け取れる保険金
となるようにできています。
そうでないと保険会社の経営が成り立ちません。
モバイル保険に限らないことですが、保険加入者全体としては損をするわけです。
保険は「めったに起きないけど起きれば家計が破滅しかねないリスク」に備えて入るもの
加入すると損をするのですから、保険には原則として入るべきではありません。ただし例外はあります。
それは、合理的に考えて、損を上回るメリットがある場合です。その一つが、「発生確率は低いものの、一度起きればライフプランに破滅的な打撃を与えかねないリスク」に備える場合です。
例えば自動車保険には入るべきです。
自動車を運転する以上、人をひき殺して到底支払えないほどの巨額賠償を背負うリスクがあります。
その確率は低いもののゼロではありません。
そして、ひとたびこのリスクが現実のものとなれば、家計(ライフプラン)を破滅に導くほど大きな損失をもたらします。
一方、自動車保険に入るのは損ですが、十分支払える程度の損です。
支払える程度の損で破滅的な巨額損失を確実に回避できるのなら合理的ですよね。
保険には原則として加入するべきではありませんが、家計(ライフプラン)への破滅的な打撃を確実に回避できる保険には加入するべきです。
モバイル端末の故障では家計は破滅しない
ところで、私はFP兼社労士兼ブロガーです。モバイル端末の故障が経済的にクリティカルヒットとなることなど考えられません。
私以外の多くの人にとっても「モバイル端末の故障が巨額損失を引き起こして家計(ライフプラン)が破たんする」なんてことは有り得ないでしょう。
家計破たんに程遠いリスクに対して、保険で備える意味はない
モバイル端末の故障は家計(ライフプラン)の破たんにつながる可能性が無いのですから、合理的に考えれば、そんなものに備えて保険に入る意味はありません。
モバイル端末の故障に備えて保険に入るくらいなら、破綻につながりうるリスクへの備えに、資金を使うべきでしょう。
各キャリアの端末保証サービスを利用する意味もありません。
もし、モバイル端末の故障が大きな損失を生むようなケースが有り得るのならば、モバイル保険や各種保障サービスの利用も検討の余地があります。
しかし、そんな人は、仮に存在するとしても、ごく少数です。
合理的に考えれば、モバイル保険や各キャリアの端末保障サービスに加入する意味は見出せません。
モバイル保険に入るくらいなら…
そういうわけで、モバイル保険に加入するべきかどうかについて聞かれたら「合理的に考えるなら、入らないほうがいい!!」と答えます。
モバイル端末の故障には、保険に入らず、次のように備えればよいではないですか。
保険料分貯金すればいい
モバイル保険の保険料は毎月700円、年間保険料は8,400円です。
50年間加入した時の保険料総額は420,000円にも上ります。
50年間で端末故障の修理費が420,000円もかかることはそうそうありません。
保険料分をコツコツと貯めたほうが賢いと思います。
スペアの端末を買っておけばいい
仮に、モバイル端末の故障が大きな損失や逸失利益をもたらす可能性があったとしても、保険や補償サービスに加入するよりは、格安の端末を購入してスペアとするのが合理的です。
スペアを持つのは「故障によって、一時的とはいえ端末が使えなくなることで、大きな損失や逸失利益をもたらす」のを避けることが目的ですから、スペアは最新の機器でなくても良いです。
モバイル保険の保険料は月額700円ですから2年分の保険料でスペア端末が買えますよね。
何事も落ち着いて損得勘定しましょう
最初にも言いましたが、保険に入るかはいらないかは個人の価値観次第なので、絶対的な正解などありません。
ですから個々人が好きなようにすればいいのですが…
損得勘定をしてみると、モバイル保険やキャリアの端末保障サービスに入ることに、合理的な意義は見出しにくいのではないでしょうか。
同じように考えている方が他にもいらっしゃるようでした。