引越しの部屋探しは引越し予定日の2ヶ月くらい前から始めて、1ヶ月前くらいには新居を決めるのが理想的です。
新居を決めるのが引越しの1か月前より遅くなると、余分な二重家賃を支払う羽目になるからです。
引越し費用を節約したいなら、このような事態はなるべく避けたいところです
二重家賃とは何か
二重家賃とは、引越し後しばらくの間、旧居と新居の両方で家賃の支払義務が発生している状態を言います。
とてももったいないのですが、大抵の引越しでは二重家賃が発生してしまいます。
なぜ二重家賃が発生するのか
賃貸住宅の契約では、「入居者が(賃貸)契約を中途解約する場合には、解約の一か月前までに通告しなければならない。」というような条項があります。
言い換えると「中途解約を通告してから一ヶ月間は解約出来ない(家賃を払い続けなければならない)」ということになります。
この「一か月間」を解約予告期間といいます。二重家賃発生の元凶です。解約予告期間は通常一か月ですが、まれに二か月や三か月の場合もあります。
例えば、あなたが、解約予告期間1ヵ月・賃貸契約期間2013年4月1日~2015年3月31日の条件で、ある部屋を借りているとしましょう。
2014年3月31日に契約を中途解約して退去するなら、その1ヶ月前の2月28日以前に大家さんに対して中途解約する旨を伝えないといけません。
大家さんに伝えるのが遅れて…例えば3月10日になってしまうと、そこから一月たった4月10日にならないと解約できません。
この状況で3月31日に退去して新居に引っ越した場合、4月10日までは、新居だけではなく旧居の家賃も二重に支払う義務があります。11日分の家賃を日割りで支払います。
これが二重家賃です。二重家賃は、解約予告から退去日までの期間が、解約予告期間に満たない場合に発生します。
二重家賃を回避するには
二重家賃はもったいないですよね。なるべく回避したいのが人情。次のような方法で二重家賃を抑えましょう。
フリーレント物件を利用
入居後一定期間家賃が無料になる物件をフリーレント物件といいます。
上の例で、新居が入居後1ヵ月家賃無料のフリーレント物件なら、二重家賃の発生は回避できます。
4月10日まで旧居の家賃を支払うことに変わりはありません。しかし、新居の家賃は、新居の賃貸契約開始から一ヵ月後の4月30日まで発生しません。
新居としてフリーレント物件を探すことは二重家賃を回避する方法として有効です。
上の例のように、入居可能日が少し先の1ヵ月フリーレント物件を新居として契約し、すぐに旧居の大家さんに退去(中途解約)を通告すれば、二重家賃はゼロにすることが出来ます。
交渉で新居の賃貸契約開始日(入居日)を旧居の解約日まで遅らせる
旧居の家賃を支払っている間は新居の家賃が発生しないようにすれば、二重家賃の発生は回避できます。
そのためには新居の仲介をしてくれる不動産屋さんに交渉して、新居の賃貸契約開始日(入居日)を、旧居の賃貸契約が終わるまで遅らせてもらうのも有効です。
上の例で言えば、新居への入居を、旧居の退去日である4月10日まで遅らせてもらうと、二重家賃は4月10日の一日分に抑えることが出来ます。
例え4月10日まで遅らせることが出来なくても、一日でも遅らせればその分二重家賃の発生を抑えることが出来ます。
とはいえ、遅らせるのは入居可能日から一月が限界のようです。
入居可能日が一月以上先の物件を選んで二重家賃の発生を抑える
新居の賃貸契約開始日(入居日)を遅らせるのも手なのですが、交渉が大変です。
ところが、入居可能日が一月以上先の物件を契約すれば、交渉しなくても二重家賃を引越し日の一日分に抑えることが出来ます。
例えば、2月10日に4月1日入居可能(4月1日賃借契約開始)の物件を新居として契約した後すぐに、旧居の大家さんに4月1日に退去する旨を通告すると、二重家賃は引越し日である4月1日の一日分で済みます。
結局、引越しの部屋探し開始時期はいつからがいいのか
それでは、二重家賃の発生を防ぐためには、部屋探しは一体何ヶ月前からすればいいのでしょうか。
私が考える理想的なスケジュールは、引越し予定日(希望日)の2ヶ月くらい前から始めて、1ヶ月前くらいに新居を決めるという流れです。
この1ヵ月の期間に、以下の3パターンを念頭において、家探しをするのがコツです。
なお、転勤などで遠方に引っ越す場合でも、部屋の下見は必ずしてください。
いくら二重家賃の発生を抑えてもダメな部屋を借りては元も子もありません。