不誠実なSEO会社に業を煮やした法律事務所が、Googleガイドライン違反を理由にSEO会社を訴えました。GoogleのMatt Cuttsさんがこれを見て「interesting」と発言。日本でもSEO会社に不満なひとは大勢いると思うので参考になると思います。
マットカッツのツイート
A law firm is suing the SEO they hired. The claims are interesting: http://t.co/6ANWbzXGdJ
— Matt Cutts (@mattcutts) 2014, 5月 23
Matt Cuttsが何かとても楽しげに見えたのでリンクをたどってみました。すると、法律事務所が、かつてSEOを依頼していた企業を訴えていました。
The law firm now says the SEO firm used undisclosed spammy techniques that had a high risk of triggering Google penalties. :
原告の法律事務所は、Googleからのペナルティーを引き起こす可能性が高いスパムを、SEO会社がこっそり行っていたことが我慢ならないようです。
訴えの内容
原告である法律会社からの申し立ての一部を拾い上げると、
- 被告であるSEO会社がSEOサービスを売り込んできたとき、彼らが使うことを提案したテクニックは、すでにGoogleのガイドラインに違反するものだった。ガイドラインは当時既にGoogleによって十分に確立され、公開されていた。
- 被告であるSEO会社は、Googleがガイドライン違反者を厳しく取り締まる方向へ急速に舵を切っていることを知っていた。
- 被告であるSEO会社は、そのようなテクニックを使えば原告の会社がGoogle検索結果で順位上昇する可能性が狭まることを知っていた。
- それどころか、検索エンジンから見て、原告の会社のウェブサイトがとても薄汚いものになることすら知っていた。
- 被告であるSEO会社は、原告のサイトの被リンクが数字上増え続けているかのように見せかけるために、意図的に人力よりも自動化プログラムを使おうとしていた。
- 被告であるSEO会社は、スパムに手を染めていることを「企業秘密の」名の元に覆い隠そうとした。
原告の法律事務所は、SEO会社がこっそりガイドライン違反に手を染めたことを、詐欺や共謀で訴えているようです。
「効果が無かった」ではSEO会社を追い詰められない
これまでSEO会社を訴える場合「払った料金に見合う効果がない。仕事してないんだから金返せ」的なものが多かったと思います。
しかし、それでは裁判に勝てないようです。
SEOの契約は大抵の場合「準委任契約」だと思うのですが、それだとSEO会社の義務は「全力を尽くす」ことだけです。
SEOというものは全力を尽くしてもうまくいくとは限りません。「払った料金に見合う効果がない」だけでは、「全力を尽くしたがだめだった」かも知れないので義務を果たしていない(債務不履行)とは言いにくいのです。
「払った料金に見合う効果がない。仕事してないんだから金返せ」と言っても無理があります。
詐欺まがいのブラックSEO会社でも「一生懸命やったけどがだめだった」で逃げ切れてしまいます。
「ガイドライン違反」なら善菅注意義務違反でSEO会社を締め上げられるかも
ところがSEO会社を「ガイドライン違反」で訴えるなら話が違います。
「ガイドライン」なんてのはSEOサービスを継続的反復的に行っているなら知っていて当然。守れて当然。
「ガイドラインを一生懸命守ろうとしたけど守れなかった」は通用しません。善菅注意義務違反による債務不履行に見えます。
SEO会社からどうしてもお金を取り戻したいなら、「成果がない」ことよりも「ガイドライン違反」を理由に行う方が筋がいいでしょう。
債務不履行の時効は10年くらいあったと思います。
裁判やるより本業に集中したほうが経済的ではありますが、SEO会社に対して「絶対許さない!!訴えてやる」という強い怒りをお持ちの方は、「ガイドライン違反⇒善菅注意義務違反⇒債務不履行」という路線でSEO会社を訴えることを、弁護士さんに相談する価値はあると思います。
実際、詐欺的ブラックSEO業者に対して腹を据えかねている人は大勢いるみたいですね。
Matt Cutts的に歓迎しているのは間違いない
Matt Cuttsさん的には、ガイドライン違反を根拠にSEO会社が敗訴して、ガイドラインを破るリスクがより大きくなることを望んでいるでしょう。
SEOに不勉強なあまり、ガイドラインを破ってしまうようなことは避けたいところです。
※なお、この記事は、特に英語が得意でもない私が、英文記事を参考に書いているため、正確性は担保できません。元の英文記事も読まれることを強く勧めます。