ここでいうJAVAは紅茶やソフトウェアではなく動物実験廃止を掲げるNPOです。しかし、主張が非論理的で一貫性を欠くため、大きくイメージダウンをしています。コンテンツを作るときはこうならないようにしたいものです。
動物実験がまちがっている事例が9例
Javaさんは以下のページで動物実験の結果が人には通用しない、すなわち動物実験が有効でなかった事例を9個ほど挙げています。
[img-link url=”http://www.java-animal.org/animal-testing/animal-testing3/” title=”動物実験はまちがっている | NPO法人 動物実験の廃止を求める会(JAVA)”]
確かに、ある薬をラットに投与したら延命効果が認められたのに人間に投与したら死亡率が高まった例などは、動物実験に何の意味があったのかと思わせる内容ではあります。
絶対数より割合が問題
しかし、動物実験全体の有効性を論じるなら、動物での実験結果と人間での治験結果が相反する事例が動物実験全体のどれくらいの割合を占めるかが需要です。
事例の絶対数は問題ではありません。
9例が9/10なのか9/1000万なのかで全く違います。
Javaさんは上記ページでこのあたりに全く触れていません。
おかげで「動物実験が有効でない」というJavaさんの主張が客観的に正しいと考えることなど全く不可能な状態になっています。
なんと歯切れの悪いことか。
実は動物実験の有効性を認めていた
ところがJavaさんも動物実験について一定の有効性を認めていました。そりゃ歯切れも悪くなりますよね。
[img-link url=”http://www.java-animal.org/animal-testing/animal-testing4/” title=”動物を使わない実験方法 | NPO法人 動物実験の廃止を求める会(JAVA)”]
動物実験が全く無駄なことであれば、ここでもReductionではなくAbondanceを唱えるべきですよね。
全く持って支離滅裂です。場面によって廃止と言ってみたり削減といってみたり、一貫性が全く感じられません。
動物実験の代替案がすごい
余談ですが、実際動物実験の代替法として挙げられていたものの中に凄いのがありました。
- 人間のボランティアによるテスト
Javaさんは動物実験を廃止してより有効な人体実験を推進しているようです。
731部隊もびっくりです。
もちろんJavaさんは自らボランティアとして生前献体される奇特な方々なのでしょう。
いや、実に頭が下がります。
コンテンツ作りの反面教師
最後の生前献体の件に至っては「穿った見方をすればそう読めるよね」というレベルのものなのですが、でもそんなに無理してません。
Javaさんが元々言っていることは「命を大切にしましょう」ということで、それ自体は誰も共感できる内容なのに、何故こうも悪印象を与えるのでしょうか。
それは次の3点に尽きると思います。
主張に一貫性がない
すでに述べたように、動物実験について廃止と言ったり削減と言ったり、主張に一貫性がありません。
廃止への過程として削減が位置付けられていれば良いのですが、そんな記述は見当たりません。
客観的な裏づけに乏しい
「動物実験って効果ないんだ」と思わせる証拠に欠けます。
これなら、動物実験廃止を掲げる理由として、その効果の無さを挙げずに、「命を大切にしましょう」一本やりで行った方が好感が持てます。
予想される反論にほとんど答えていない。
一言で言うとツッコミどころ満載です。
ひょっとしたら、論理的に穴だらけのコンテンツでまず注目を集め、押し寄せてきた反論を各個論破していくという高等テクニックが隠されているのかもしれません。
しかし、一般的には、コンテンツの中で想定される反論に触れつつ、それを論破するという「悪魔の代弁者」みたいなシステムは、信用を得る上で不可欠だと思います。
[img-link url=”https://webshufu.com/devils-advocate/” title=”「悪魔の代弁者」でコンテンツに客観性と説得力を持たせる|Web Shufu”]
本気で「動物実験廃止」を掲げるのであれば、在り来たりのQ&A形式でもいいので、「悪魔の代弁者」を用意するべきだと思います。
最後に
筋が通らない主張というのはとても如何わしく見えることを再認識しました。
コンテンツ作り、特に商業的なものを作る際にはJavaさんのようにならぬよう、気を付けたいと思います。