「契約者が保険料を支払えば、被保険者に保険事故が起きたときに、保険者が受取人に保険金を支払う」という契約を、保険契約と言います。
保険契約は、保険料を支払う契約者と、保険金を支払う保険者との間で結ばれます。
保険が難しく感じるのは、たいていの場合、保険独特の用語がピンと来ないからです。人物相関図で軽く意味をつかんでおきましょう。
保険契約の人物相関図
保険契約について人物相関図を作ると上の図になります。A~Eまでを説明すると以下の通りです。
- A契約者…保険料を支払う人。
- B被保険者…保険を掛けられている人。
- C保険事故…保険金が支払われる条件となる不幸な出来事。
- D保険者…保険金を支払う人。ふつうは保険会社。
- E受取人…保険金を受け取る人。
ちなみに、保険会社の従業員の給料と保険会社の儲けを合計した分だけ、契約者は損をします。
[img-link url=”https://webshufu.com/buying-insurance-makes-a-loss/” title=”保険に入ると損。長い目で見れば確実に負けるギャンブル|FPウェブシュフ”]
保険に入ると損をするので、保険はリスクマネジメントの最後の手段としなければなりません。
[img-link url=”https://webshufu.com/insurance-is-a-way-of-risk-management/” title=”損をしてでも保険を掛けるのはリスクマネジメントの最後の手段|FPウェブシュフ”]
保険契約の人物相関図には、保険会社の従業員を除いて、契約者、被保険者、保険者、受取人の4人が出てきました。
このうち保険者は他の登場人物と同一人物となることはあり得ません。
しかし、契約者、被保険者、受取人については、全員別人であることもあれば、全員が同一人物であることもあります。
契約者=被保険者=受取人となる保険契約例
「契約者が保険料を支払えば、被保険者に保険事故が起きたときに、保険者が受取人に保険金を支払う」というのが保険契約のひな形でした。
ここで登場人物や保険事故を以下のように定めると
- 契約者…ウェブシュフ
- 被保険者…ウェブシュフ
- 保険事故…自動車運転中の事故
- 保険者…T海上N動火災株式会社
- 受取人…ウェブシュフ
「ウェブシュフが保険料を支払えば、ウェブシュフに自動車運転中の事故が起きたときに、T海上N動火災株式会社がウェブシュフに保険金を支払う」という保険契約が、ウェブシュフとT海上N動火災株式会社の間に結ばれたことになります。
[bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]私が、契約者=被保険者=受取人[/bubble]
このように、自動車を運転する人が自分に保険をかけているケースなどでは、契約者=被保険者=受取人となります。
契約者=被保険者≠受取人となる保険契約例
保険契約のひな形の登場人物や保険事故を以下のように定めると
- 契約者…ウェブシュフ
- 被保険者…ウェブシュフ
- 保険事故…ウェブシュフの死亡
- 保険者…N生命保険相互会社
- 受取人…ウェブシュフ妻
「ウェブシュフが保険料を支払えば、ウェブシュフが死亡したときに、N生命保険相互会社がウェブシュフ妻に保険金を支払う」という保険契約が、ウェブシュフとN生命保険相互会社の間に結ばれたことになります。
このように、一家の大黒柱が、自分にもしものことがあった場合に備えて掛ける生命保険では、契約者=被保険者≠受取人となります。
契約者=受取人≠被保険者となる保険契約例
さて、先ほどのウェブシュフにかけられた生命保険契約で、契約者を「ウェブシュフ」から「ウェブシュフ妻」に変えると、契約者=受取人≠被保険者となりますね。
「ウェブシュフ妻が保険料を支払えば、ウェブシュフに死亡という事故が起きたときに、N生命保険相互会社がウェブシュフ妻に保険金を支払う」という契約です。
サスペンスだと
[bubble speaker=”ウェブシュフ妻” imgurl=”/img/wife.png” type=””]ウェブシュフに生命保険掛けちゃった。ウェブシュフ早く死なないかな…。そしたら保険金が入ってくるのに。[/bubble]
という展開から殺人が起こったりしますね。
このような契約は、被保険者がターゲットになる保険金殺人事件を引き起こしかねないわけです。
そこで、「契約者≠被保険者」となる生命保険契約の成立には、契約者と保険者の合意に加えて被保険者の合意も必要とされるのです。
契約者≠被保険者=受取人となる保険契約例
契約者≠被保険者=受取人となる契約も、さほど珍しくありません。保険契約の登場人物や保険事故を以下のように定めると
- 契約者…ウェブシュフ
- 被保険者…ウェブシュフの長男
- 保険事故…自動車運転中の事故
- 保険者…T海上N動火災株式会社
- 受取人…ウェブシュフの長男
「ウェブシュフが保険料を支払えば、ウェブシュフの長男に自動車運転中の事故が起きたときに、T海上N動火災株式会社がウェブシュフの長男に保険金を支払う」という保険契約が、ウェブシュフとT海上N動火災株式会社の間に結ばれたことになります。
これは、契約者=被保険者=受取人となる保険契約例を少しだけ変えたものです。
若い人が自分で自動車保険に入ることができず、保険料を父親に出してもらうような状況を思い出してもらえれば、しっくりくると思います。
契約者≠被保険者≠受取人となる保険契約例
契約者≠被保険者≠受取人となる保険契約もあります。これもまた、若い人が保険料を親に出してもらう状謡を思い出せばしっくりきます。
保険契約の登場人物や保険事故を以下のように定めると
- 契約者…ウェブシュフ
- 被保険者…ウェブシュフの長男
- 保険事故…ウェブシュフの長男の死
- 保険者…N生命保険相互会社
- 受取人…ウェブシュフの長男の妻
「ウェブシュフが保険料を支払えば、ウェブシュフの長男が死亡したときに、N生命保険相互会社がウェブシュフの長男の妻に保険金を支払う」という保険契約が、ウェブシュフとN生命保険相互会社の間に結ばれたことになります。
まとめ
保険はすべて「Aさん(契約者)が保険料を支払えば、Bさん(被保険者)にCという不幸な事故(保険事故)が起きたときに、Dさん(保険者)がEさん(受取人)に保険金を支払う」というひな形に当てはめて理解しておけばいいですね。
もちろん、保険料や保険金については金額をしっかり把握することが大事ですよ。