今回は総勘定元帳作りです。
総勘定元帳とは
総勘定元帳は、仕訳帳とは異なる形式で、仕訳帳の内容を勘定科目ごとにまとめて表示したものです。
特定の勘定科目の残高が時間の経過とともにどのように増減したかを、仕訳の相手科目とともに記録するものです。
…と言ってもピンと来ないと思いますので、実際の例を使って説明します。
仕訳から特定科目が登場するモノのみを抽出する
次の図は、作業シートの仕訳にフィルターをかけて、貸方科目か借方科目が水道光熱費である仕訳のみを、抽出表示したものです。
これで水道光熱費絡みの取引をまとめて表示できました。しかしこれはあくまでも仕訳帳です。
各勘定科目ごとに元帳を作る
水道光熱費絡みの取引に絞って作った仕訳帳を、総勘定元帳の表示形式に変えて、水道光熱費元帳を作りましょう。
まず、左上隅に勘定科目名(水道光熱費)を書き、どの科目についての総勘定元帳を作るかを明らかにします。
次に、日付列には、各仕訳の日付を入力します。
相手科目列には、水道光熱費の相手方として仕訳に出てくる勘定科目を書きます。
各仕訳について、借方科目として水道光熱費が登場する場合は、金額を借方列に書きます。
貸方科目として水道光熱費が登場する場合は、金額を貸方列に書きます。
残高列には当期におけるその勘定科目の残高合計を計算して書き入れます。
このようにして、水道光熱費が絡む取引をまとめて、総勘定元帳の表示形式で表したものを「水道光熱費元帳」と呼びます。
各勘定科目ごとの元帳を集めて一覧表示したものが総勘定元帳
総勘定元帳は各勘定科目ごとの元帳を一覧表示したものです。
水道光熱費だけでなく、仕訳帳に登場したすべての勘定科目について、「預金元帳」「売掛金元帳」などの「○○元帳」を作らなければなりません。
「○○元帳」を1か所にまとめたものが総勘定元帳です。
「○○元帳」は資産・負債・資本(純資産)・収益・費用の順に並べるのが普通です。
「青色申告帳簿作成用エクセルファイル」なら総勘定元帳の作成は簡単
総勘定元帳は仕訳帳を見ながら地道に作るのが普通です。この地道な作業を転記と言います。
しかし転記は面倒です。「青色申告帳簿作成用エクセルファイル」では、元帳作成シートを利用することで、転記作業をすることなく総勘定元帳の作成が出来るようになっています。
残高試算表シートを見て仕訳に登場した勘定科目を把握
総勘定元帳の作成には、仕訳帳に出てくる全勘定科目を把握することが大事です。
残高試算表の科目列に出てくる勘定科目を全部拾っておけば十分ですが、
漏れが心配な人は、決算整理前残高試算表を作った時と同じような作業をして、「勘定科目一覧」を改めて作ってもいいかも知れません。
元帳作成シートで各勘定科目ごとに元帳を作る
仕訳に使った勘定科目を漏れなく把握したら、勘定科目ごとの元帳作りです。まずは預金元帳を作っていきましょう。
まずA1セルに勘定科目名「預金」を入力します。次に、B1セルの中から適切な種別を選びます。今回は「資産」ですね。
オートフィルタをかけ、相手科目列について、空白以外の行をすべて表示するようにします。
するとあっという間に預金元帳が出来上がります。
スクロールして元帳の一番下まで行くと、こんな感じです。
元帳を総勘定元帳シートにコピペ
出来上がった預金元帳は総勘定元帳シートにコピペします。貼り付け時は
- 「形式を選択して貼り付け」の「値のみ貼り付け」
- 「形式を選択して貼り付け」の「書式のみ貼り付け」
の2回貼り付けを行います。
これで総勘定元帳のうち預金元帳の部分が完成しました。
「元帳を作る⇒コピペ」をひたすら繰り返す
あとは全ての勘定科目について「元帳を作る⇒総勘定元帳シートにコピペ」をひたすら繰り返すのみです。これが終了したら総勘定元帳の完成です。
これで青色申告で作らなければいけない帳簿である、
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
がともに完成しました。
損益元帳、元入金元帳、閉鎖残高元帳は重要
青色申告では仕訳帳・総勘定元帳から
- 損益計算書
- 貸借対照表
という決算書を作ります。
次回から行う青色申告決算書の作成では、総勘定元帳が大活躍します。