原則として実名登録を求められるfacebookがユーザーを増やして以降、twitterなど他のSNSでも実名で活動する人が増えています。これは、SNSに実名アカウントがないと様々な面で明らかに不利になりつつあるからです。この動きはSEOにまで及んでいます。
「自分」を晒す個人の増加
facebookのユーザー数は依然として伸び続けています。下の図は、ついに伸びが鈍化?Facebookの都道府県別ユーザーデータ2013年1月版 | ソーシャルメディア集客ラボに掲載されたグラフです。
不正アカウントがないという強引な仮定の元では、日本人の7人に一人程度はfacebookに実名アカウントを持っていることになります。
また、facebook以外のSNS、例えばtwitterでも、実名でアカウントを使い、顔写真すら掲載しているユーザーが明らかに増えてきました。
ソーシャルメディア上で実名・顔写真を載せるなど「自分」が明白に特定されるレベルにまで個人情報を晒して活動することは、もはや特殊なことではなく一般化してきているのです。
自分の実名・顔写真を晒す理由
それでは、なぜSNS上に個人情報を晒すのかといえば、晒すメリットがあるからです。当然ですよね。
メリット:ネットを通じた信頼獲得の効率化
普通、人というのはよく知らないものというのは信用できません。信頼に値するかどうか判断しようがないからです。
したがって、信用を獲得するには、自分のことをよく知ってもらう必要があります。
そのためには、個人情報もなるべく多く出したほうがいいのです。特に顔写真があるとないとでは、信用の獲得にずいぶん差が出ます。
もちろんSNSを通じて様々な情報や考え方を発信することも自分のことを知ってもらうことにつながりますが、それだけで終わるのとそこに外見や名前などの個人情報も付加して発信するのとでは大きな違いが生まれます。
また、交友関係を明らかにすることで親近感や信用を得られることもあります。
ソーシャルメディア上で個人情報を明らかにすると、ネットを通じた信頼獲得が効率的になるのです。
デメリットもある
ただし、個人情報を発信するということにはデメリットもあります。
住所や電話番号をうっかり公開してしまえば、わずらわしい勧誘や、ストーカー・窃盗等の犯罪に巻き込まれることもあります。
また、せっかく自分をさらけ出しても、その内容によっては信用ではなく不信や疑惑を獲得してしまう場合もあります。
極端な例ですが、公開したプロフィールに性犯罪歴などがあると、ほとんどの場合は信頼されないどころか排除されるでしょう。
デメリット<メリット
しかし、自分の個人情報をネット上に晒す人にとっては、信頼の獲得を効率化できるというメリットが、デメリットを上回っているのです。
実名・顔写真を出さない者に対するマイナスイメージ
ところで、実名・顔写真など「自分」をネット上に晒している人は、そうしない人を見下す可能性があります。例えば
- 顔写真出せないのは自信がないからだろう
- 経歴を詳しく書けないのは隠したい過去があるからだろう
- もしかして前科もちかも
- 交友関係を公開しないのはやばいヤツとつながってるからかも
- 結局、自分を出せない臆病者
- そもそもSNSを使うことすらできないのかも
このように、実名・顔出しのSNSアカウントを持たないことは、さほど無理なくネガティブなイメージとつなげることが出来ます。
このように、実名・顔写真など「自分」をネット上に晒している人は、そうしない人を「自分に自信がなく、知られては都合の悪い何かがあるからそうしないのだ」と評価しても何の不思議もないのです。
実名・顔出しのSNSアカウントを持たないことはとても不利なことになってしまいました。
実名アカウントがないと就職活動に不利
大企業・有名企業の採用活動では大量の応募者を機械的・効率的に絞り込む手法を常に探しています。
応募者一人ひとりをじっくり吟味するのが理想ですがそんなことをしている時間はありません。
そういう方たちにとってSNSの顔出しアカウントの有無を基準に応募者をふるいにかけるのは割と合理的な行動です。
実名・顔出しのSNSアカウント持たない人が「自信がなく何か隠している可能性がある」ということで門前払いされてもさほど不思議でないような気がします。
実名アカウントがないと恋人探しでも不利
実名・顔出しのSNSアカウントを持っている人は、実名・顔出しのSNSアカウントを持っていない異性について「自分に自信がなく、知られては都合の悪い何かがあるから実名・顔出しのSNSアカウントを持たないのだ」と考える可能性があります。
こうなると、実名・顔出しのSNSアカウントを持っていないことで恋人探しも不利になります。
恋人や結婚相手の条件に「SNSで実名アカウントを持っている人」というのが含まれるようになっても不思議ではない感じがします。
実名アカウントがないとSEOでも不利
SEOについては、現状ですでに、実名・顔出しでGoogle+にて活動することが有利に働きます。
検索結果内の著者情報 – ウェブマスター ツール ヘルプ
実名・顔出しでGoogle+で活動している人のコンテンツを「優秀なコンテンツ」として目立たせることをはっきり書いています。
これに加えて、googleは検索順位にAuthor Rank(オーサーランク)という指標を導入予定であることを発表しました。
Author Rankは、あるコンテンツの著者への評価を数値化したもので、これまで良質のコンテンツをリリースしてきた著者のコンテンツをより高く評価するようなものになるようです。
そして、著者への評価の要素として、Googleが信頼性に足ると判断したSNSでの活動というのが含まれることが予想されています。(2013年のSEOで重要になるかもしれない『Author Rank(アウターランク)』とは? | Facebookアプリ/ソーシャルメディア Hivelocity ハイベロシティ)
最後に
最近、検索結果で顔が表示されるブロガーさんが増えてきた気がします。
ウェブシュフも、ネット上での活動を徐々に実名化していこうかと考えています。