豊富な品揃えと言えば繁盛店の条件と思っていた@web_shufuです。しかし、実際には品揃えの豊富さが売上を押し下げている場合があります。モノがあふれると誰も買わなくなるって怖いです。
choice paralysis(選択麻痺)
これはSheena S. Iyengar氏が実証した有名な理論です。
選択肢過多だと人が選択をやめてしまうことが、ジャムの品揃えの豊富さと試食・購買行動の関係を調べた実験で明らかになっています。
それによると、ジャム6種類のときは40%の客が試食しそのうち30%の客が購買に至りました。
一方ジャムを24種類にした場合は、60%の客が試食したものの、購買に結びついたのはそのうち3%しかなかったのです。
理由としては次の3つがあげられます。
比較が難しい
選択肢が増えれば増えるほど、比較するための労力が増えます。
決心の後の後悔
選択肢が増えれば増えるほど、購買するという決定したあと選択が間違っているのではないかと、迷いが出てしまいがちになります。
結果として、自分の選択に自信が持てなくなります。
後悔への恐怖
最終的に誤った選択をすることへの恐怖があまりにも大きくなり、選択することを避けるようになります。
品揃えはほどほどに
上のジャムの実験では6種類の品揃えが最適解になりましたが、もちろん商品が異なれば最適な商品種類数というのは変わってきます。
しかし、1つ言えるのは、品揃えを増やせば増やすほどいいとは決して言えないということです。
品揃えが乏しいうちは、品揃えと売上は正の相関関係にありますが、あるところを過ぎると両者の関係は負の相関関係に変化します。
日本全体が品揃え過多
ところで今の日本というのは社会全体が品揃えの多すぎる店のようになってしまっています。
@web_shufuも、モノがありすぎて何を買うのが正解なのか分からない、と思うことがよくあります。
特に家電など耐久消費財の購入を検討する時によく経験する悩みです。
結局、購入を避けてしまい、故障や破損などやむをえない事情が発生したときのみ購入に踏み切ります。
しかし、その際も何を購入したらいいかをわかっていないのですから、最終的には最も分かりやすい尺度である価格で決めてしまいます。
結果、予算に余裕があっても最安値に近いものしか買わないということになってしまいます。
まとめ
こんな感じで、「将来不安とか今お金がないとかそういった状況がなかったとしても、安いものしか売れない」というのが今の日本じゃないでしょうか。
そういうわけで、@web_shufuは、アベノミクスが効果を発揮しても民需はあまり回復しないこと思っています。
皆さんはどう思われますか。
参考:http://www.paulolyslager.com/9-most-common-misconceptions-about-users/
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