老後の年金の手取り額を計算したら額面の88%くらいでした

更新

2016-06-18-net-income-of-pension老後の年金が不安だという話をよく聞きますが、不安の一番の原因は年金がどれくらい貰えるかわからないことでしょう。

年金の受給見込み額は老後のライフプランを立てるのにも欠かせませんから、何もせずに不安だ不安だと騒いでばかりいずに、老後の年金額を手取りベースで計算してみましょう。

ちなみに我が家(妻は教師で夫は自営業兼主夫)の試算結果によると、年金手取り額は額面金額の88%程度でした。

まずは年金収入の総額を調べる

年金の手取り額=年金収入総額ー税金・社会保険料です。まずは年金の総額(額面金額)を調べます。最近は便利なシミュレーションツールがあるので、ずいぶん楽になってきました。

公務員以外の方はねんきんネットで調べる

年金受給額の試算といえばねんきんネット。民間サラリーマンや自営業者については、老後の年金(老齢厚生年金・老齢基礎年金)の受給額を、ライフプランに使える精度で試算できます。

試算の前提条件を自由自在に変えてさまざまなパターンのシミュレーションが出来ます。

我が家では私(昔サラリーマン・今は自営業兼主夫)の年金受給額については、ねんきんネットで試算しました。

ただし、厚生年金基金からの受給見込み額は反映されません。これについては加入していた厚生年金基金や企業年金連合会に問い合わせるしかありません。

70歳受給開始の場合、私の年金額は1,314,394円/年だとわかりました。これをライフプランの前提にします。

公務員の方は共済組合に問い合わせる

一方、妻の年金受給額は、ねんきんネットでは試算できませんでした。

妻は公立中学の教師なので公立学校共済組合に加入しています。

ねんきんネットで妻の加入記録を調べると「未加入」の嵐です。
2015-07-09_2039

ウェブシュフ妻
ちょっと。就職してからも年金の保険料は払っているよ。なんで未加入なの?

となってしまいました。

年金見込額試算|日本年金機構によると、

共済組合加入期間は、年金見込額に反映していません。

…ねんきんネットでは公務員が老後に受け取る年金の試算はできませんね。

代わりに地共済年金情報ウェブサイトでざっくりと試算します。

試算の結果、妻の老後の年金額は年額で240万円程度だとわかりました。

これをそのまま使っても問題ないのですが、我が家では地共済年金情報ウェブサイトが登場する前に、共済組合に障害年金の試算を依頼してそこからより緻密に老後の年金を試算していました。

試算の結果、65歳受給開始の場合、私の妻の年金額は2,495,798円となることが分かりました。

これでライフプランを立てていきます。

税金・社会保険料を計算する前に、年金所得の金額を求める

年金収入の総額が分かったら、次は税金・社会保険料ですが、税金・社会保険料を計算するには総所得金額を求めなければなりません。

収入が年金しかない場合、総所得金額=公的年金等にかかる雑所得の金額です。

No.1600 公的年金等の課税関係|所得税|国税庁によると、65歳以上の場合、公的年金等にかかる雑所得の金額は下記の(a)×(b)-(c)となります。

年金額(a) 割合(b) 控除額(c)
120万円以下 100% 収入全額
120万円超330万円未満 100% 1,200,000円
330万円以上410万円未満 75% 375,000円
410万円以上770万円未満 85% 785,000円
770万円以上 95% 1,555,000円

我が家の場合、私の年金額(額面金額)は1,314,394で、妻の年金額(額面金額)は2,495,798円でしたから、それぞれの総所得金額は以下の通りとなります。

  • 私の総所得金額=1,314,394円×100%-1,200,000円=114,394円
  • 妻の総所得金額=2,495,798円×100%-1,200,000円=1,295,798円

年金から差し引かれる社会保険料・税金と年金手取り金額(75歳まで)

総所得金額が分かったので、社会保険料の金額を一つ一つ計算していきましょう。

ただし、税金から差し引かれる社会保険料は、年齢によって変わるので注意が必要です。まずは75歳までを見ていきましょう。

国民健康保険料

年金生活になっても、75歳になって後期高齢者医療制度に加入するまでは、国民健康保険に加入します。

国民健康保険料は自治体によっては国民健康保険税とも呼ばれ、世帯単位で計算するところに特徴があります。

世帯ごとに、所得割、均等割、平等割の金額を計算して、それらを合計したものが、世帯の国民健康保険料となります。

  • 所得割は世帯の所得に応じて課される金額
  • 均等割は世帯の人数に応じて課される金額
  • 平等割は1世帯ごとに課される金額です。

自治体ごとに保険料率は違います。

まずは「お住いの自治体名+国民健康保険料」で検索して保険料率を調べてください。各役所の計算方法説明ページで保険料率と保険料の計算方法を確認しましょう。

我が家の場合は伊賀市の国民健康保険税計算方法に従って計算します。

項目名 金額
所得割 所得割算定基礎額×6.7%
均等割 被保険者数×23,000円
平等割 22,000円

所得割算定基礎額とは、前年中の総所得金額から基礎控除額(33万円)を引いたものです。総所得金額が基礎控除額以下であるときは所得割算定基礎額はゼロです。

我が家では、夫婦とも65歳以上75歳未満となって収入が年金のみになった場合、私の所得割算定基礎額=0円、妻の所得割算定基礎額=1,295,798円-33万円=965,798円です。

我が家にかかる健康保険料の金額は以下の様になります。

項目名 金額
所得割 965,798円×6.7%
均等割 2×23,000円
平等割 22,000円
合計 132,708円

75歳になって国民健康保険から後期高齢者医療制度に移ると国民健康保険料は払わなくてよくなります。

後期高齢者医療制度への支援金

75歳になるまでは後期高齢者医療制度に加入しませんが、後期高齢者支援分という支援金を支払わなければなりません。

国民健康保険料と同様に、世帯ごとの所得割、均等割、平等割の金額を計算して合計します。伊賀市の国民健康保険税計算方法によると

項目名 金額
所得割 所得割算定基礎額×1.08%
均等割 被保険者数×3,500円
平等割 4,500円

我が家にかかる後期高齢者支援分は以下の様になります。

項目名 金額
所得割 965,798円×1.08%
均等割 2×3,500円
平等割 4,500円
合計 21,930円

介護保険料

介護保険には40歳から加入するのですが、65歳になるまでとそれ以降では介護保険料の計算の仕方が違います。年金の受給は65歳からですからここでは65歳以降の分だけを見ます。

65歳以降の介護保険料は世帯単位ではなく個人単位でかかります。

伊賀市の基準によれば、年間の介護保険料は、私にかかる分が75,600円、妻にかかる分が93,800円、合計で169,400円となります。

所得税

所得税課税の対象となる金額は、総所得金額から社会保険料の合計と基礎控除38万円を引いて求めます。計算の結果が負の数になる場合、所得はゼロ円です。

夫婦とも75歳未満の時期について、我が家の総所得金額、社会保険料、基礎控除についてまとめ、所得税課税の対象となる金額を計算してみると、以下の様になります。

項目名
総所得金額 114,394 1,295,798
国民健康保険料 0 132,708
後期高齢者支援 0 21,930
介護保険料 75,600 93,800
基礎控除 380,000 380,000
課税対象 0 667,360

なお、世帯単位で支払う国民健康保険料や後期高齢者支援分は、所得が多い妻に支払ってもらいます。その方が節税メリットがあるからです。

所得の区分ごとの税率・控除額は下記のとおりですから

所得金額 税率 控除額
~195万円 5% 0円
195万円~330万円 10% 97,500円
330万円~695万円 20% 427,500円
695万円~900万円 23% 636,000円
900万円~1,800万円 33% 1,536,000円
1,800万円~4.000万円 40% 2,796,000円
4,000万円~ 45% 4,796,000円

私にかかる所得税は0円、妻にかかる所得税は667,360円×5%=33,368円となります。

住民税

住民税の基礎控除は33万円で所得税より5万円少ないです。また、税率は所得の金額にかかわらず10%で一定です。

私にかかる住民税は0円、妻にかかる住民税は(667,360円+50,000円)×10%=71,736円です。

手取り金額

結局、私たち夫婦の場合、夫婦とも75歳未満の時期における年金手取り額を計算すると、以下の通りになりました。

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手取りは額面の89%程度になるようです。

年金から差し引かれる社会保険料・税金と年金手取り金額(75歳以降)

社会保険料の計算は75歳を境に変わりますので、改めて年金手取り金額の計算をやり直さないといけません。

国民健康保険料

75歳になって国民健康保険から後期高齢者医療制度に移ると国民健康保険料は払わなくてよくなります。

後期高齢者医療制度の保険料

75歳になると後期高齢者医療制度に加入するので、保険料を支払わなければなりません。

後期高齢者医療制度の保険料は、世帯単位ではなく個人単位でかかります。保険料は所得割と均等割の金額を合計して算出します。

項目名 金額
所得割 (総所得金額―33万円)×9.06%
均等割 43,870円

私の後期高齢者医療制度保険料は

項目名 金額
所得割 0円×9.06%
均等割 43,870円
合計 43,870円

妻の後期高齢者医療制度保険料は

項目名 金額
所得割 965,798円×9.06%
均等割 43,870円
合計 131,371円

二人合わせて175,241円です。

介護保険料

介護保険料は75歳になるまでと変わりません。年間の介護保険料は私にかかる分が75,600円、妻にかかる分が93,800円、合計で169,400円となります。

所得税・住民税

私と妻がともに75歳以上となった後について、総所得金額、社会保険料、基礎控除についてまとめ、所得税課税の対象となる金額を計算してみると、以下の様になります。

項目名
総所得金額 114,394 1,295,798
国民健康保険料 0 0
後期高齢者支援 43,870 131,371
介護保険料 75,600 93,800
所得税基礎控除 380,000 380,000
課税対象 0 690,627

私にかかる所得税は0円、妻にかかる所得税は690,627円×5%=34,531円となります。

私にかかる住民税は0円、妻にかかる住民税は(690,627円+50,000円)×10%=74,062円です。

手取り金額

結局、私たち夫婦の場合、夫婦とも75歳以上となった後の時期における年金手取り額を計算すると、以下の通りになりました。

2016-06-20_1054

表で「後期高齢者支援」となっているところは「後期高齢者医療制度の保険料」が正しいです。読み替えてください。

75歳以降の年金手取り額は、ざっくり言って、額面金額の88%程度になるようです。

当記事利用に関する注意点

ここで行った各種社会保険料の計算や税金の計算は、法令に準拠した端数処理を端折るなど、金額的なインパクトが小さいものについては法令を無視している部分もあります。

要するに手間ばかりかかって金額への影響が少ない規則は無視しております。あくまで我が家のライフプランを立てるために行う計算ですから、細かい正確さは追及する必要がないんです。

当記事のご利用につきましては、その点ご了承ください。

ただ、このようなどんぶり勘定気味な金額でも、有ると無いとでは大違いです。皆さんも自分なりに年金の手取り額を計算してみてはいかがですか。

保険の見直しや住宅ローンの検討にはとても役に立つと思います。

老後の年金の手取り額を計算したら額面の88%くらいでした」への5件のフィードバック

  1. 森田信之

    非常に参考になり、助かりました。
    東京都日野市在住で還暦を迎えたものです。
    年金の支給金額については年金事務所で計算してくれますが、手取金額について問い合わせる窓口がはっきりいたしません。
    市役所も保険料と税は窓口が別で、総合的に年金の手取は計算してくれませんでした。
    個別に問い合わせ、計算したところ、手取は89%となりました。
    だいたい1割減のようです。
    これで老後の心配の種が少しは小さくなりました。
    ありがとうございました。

    1. ウェブシュフ 投稿作成者

      森田様、コメントありがとうございます。

      ご自身で各方面に聞き取り調査に動かれた行動力が素晴らしいです。

      多少ともお役に立てましたようでうれしいです(^^♪

  2. 木村 徹

    三重県津市在住の61歳です。還暦も過ぎて、段々、リタイア時期も迫っていますので、仕事を辞めた後、生計の目途をつけるために年金の手取り額がいくらになるかは気になっていました。このサイトで試算して、概要が判りましたので、大変助かりました。
    67歳までは仕事を続けるつもりで、幸い体もランニングで鍛えていますので、無病息災です。まだ時間があるので、身の丈に合った生活に近づけていこうと考えています。

  3. 木村 徹

    書き忘れましたが、私の場合、手取り額は85%程度になりました。

    1. ウェブシュフ 投稿作成者

      木村さんコメントありがとうございます。

      多少ともお役に立てたようでうれしいです。

      年金に頼らず、長く仕事ができるのが一番ですね。

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