先日から盲腸で入院しています。@web_shufuです。
病院にノートパソコンを持ち込みましたが、最近よく更新していた確定申告ネタを書くには資料、道具ともに不足。
いっそのこと、普段ならできないことをやることにし、イケダハヤト氏の有料noteの価格が市場価格からどれだけかい離しているか調べてみました。
すると、イケダハヤト氏の有料noteは、相場を何倍も上回る法外な価格で売られていることがわかりました。
イケダハヤト氏のファン以外、一体誰が買うんでしょう。
noteの有料テキストコンテンツは情報商材と同じ
noteの有料テキストコンテンツは、情報商材にたとえられて批判されます。
情報商材が批判されたのは、直ちに違法となるような行為(詐欺など)をしたからではありません。
批判されたのは、既存のメディアから無料または廉価で得られる情報をまとめただけの商材を、法外に高い価格で売ったからです。
相場よりも著しく高い価格で一部消費者に対して「高かろう良かろう」のような幻想を抱かせていることも、情報商材への批判を増幅させています。
noteの有料テキストコンテンツも、情報商材同様、法外な値段の割に質・量とも貧弱です。
法外な値段の割に低品質であることに対しては指摘が多い
noteの有料テキストコンテンツの質が低い点については、すでに多くの識者・著名人・ブロガーが指摘している通りです。
私自身は有料noteを買っていないこともあり、この点については深入りしません。
[img-link url=”http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2016/02/11/212800″ title=”最近の有料note問題に見る「有料のほうが『コンテンツが面白い』」の大嘘 – 脱社畜ブログ”]
ただ、有料noteを一つも読んでいないものの、脱社畜の方がわざわざ書くっていうことは相当低品質なのだろうとは思います。
量の薄っぺらさについてはあまり言及されていないので調べた
一方、noteの有料テキストコンテンツは法外な値段に見合った量を提供しているのか。
ここはnoteを読んでいない私にも検証可能です。
イケダハヤト氏が5万文字のブログ論を2,980円で売ると聞いた時、直感で「値段の割に薄っぺらいな」と思ったのですが、それを算数で裏付けてみようと思いました。
なぜ量にこだわるべきなのか
量に着目しようとすると、「質が良ければ量は少なくて構わない」という声が聞こえてきそうです。
賢くお金を使おうとするなら、質と同じかそれ以上に、量にも着目するべきです。
私は「質が良ければ量は少なくて構わない」なんて軽々しく言えません。
量は質を補完する
満足度の上で量と質は補完関係にあります。
一定以上の品質があれば、質が足りない部分は量で補えます。
例えば「魚沼産コシヒカリ10kgか伊賀産コシヒカリ10kgをあげます。」と言われたら、多くの人は魚沼産コシヒカリを選択するでしょう。魚沼産コシヒカリは、品質について、他の追随を許さない評価を得ているからです。
しかし、「魚沼産コシヒカリ10kgか伊賀産コシヒカリ30kgをあげます。」なら伊賀産コシヒカリの圧勝でしょう。
なぜなら、伊賀産も食味評価で特Aをもらえるほどの高級米だからです。
魚沼産に質で多少劣るとはいえ、3倍の量をもらえるなら、質の面におけるビハインドなど吹っ飛びます。
質が水準以上である限り、量で質を補完することができるのです。
量は質を担保する
ところで「魚沼産のコシヒカリ0.1gか伊賀産コシヒカリ0.1gをあげます。」と言われたらどうでしょう。
多くの人は「どちらもいらない」と答えるでしょう。
いくら品質が高いコシヒカリでも、0.1gではその質を味わうことができません。大体、やばい薬との見分けすらつきません。
品質の良さを担保するには、ある程度の量が必要なのです。
量は質に対する保険になる
量が増えれば増えるほど、「すべてが低品質だった」という確率が劇的に下がります。
文字コンテンツについてもこれは当てはまります。
例えば、新聞には一日で読み切れないほどの情報が掲載されています。これだけあれば、すべての情報が無価値であるなどということはありません。
量は質に対する保険になるのです。
テキストコンテンツの小売価格相場はせいぜい0.02円/文字
文章コンテンツにおける量の重要性がわかったところで、文章コンテンツにおける、価格と量の関係に注目しましょう。
価格と量の関係を端的に表すのは、1文字あたりのテキスト単価です。
これを調べてみたら、書籍の場合、1文字当たり0.02円未満でした。
色々な本について調べたので、調査結果をご覧ください。
イケダ氏が書いた書籍の小売価格
まずはイケダ氏の単行本と新書を一つづつ調べました。
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- 価格(円)…1458
- 文字数…約80,6001
- 1文字当たりの価格(円)…0.0170
- 1円で買える文字数(字)…55.28
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- 価格(円)…852
- 文字数…約92,0002
- 1文字当たりの価格(円)…0.0092
- 1円で買える文字数(字)…108.10
「イケハヤ=テキストは、0.02円/文字未満なので、 100円で5000文字以上買える」というのが市場評価です。
ブログ論的書籍の小売価格相場
イケダハヤト氏以外による有名ブロガーのよるブログ論書籍についても調べました。0.02円/文字よりも高い価格水準の文字コンテンツなんてあまりないのかもしれません。
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価格(円)…1944
文字数…約156,2403
1文字当たりの価格(円)…0.0124
1円で買える文字数(字)…80.37
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価格(円)…480
文字数…約46,9004
1文字当たりの価格(円)…0.0102
1円で買える文字数(字)…97.71
朝日新聞100円書籍の小売価格相場
朝日新聞100円Kindle書籍でも、1文字当たりの価格、1円で買える文字数を調べました。
価格(円)…108
文字数…約82405
1文字当たりの価格(円)…0.0131
1円で買える文字数(字)…76.29
税抜き100円で8,000文字のコンテンツを買えますね。
イケダハヤト氏のブログ論的有料ノート小売価格は0.06円/文字以上
先日、イケダハヤト氏は、5万字のブログ論を、価格2980円の有料noteとして販売しました。
テキスト一文字当たりの価格を計算すると0.06円/文字となります。
上で述べたように、イケハヤ=テキストに対する市場評価(市場価格)は0.02円/文字に満たないものでした。
イケダハヤト氏がnoteで売り出したブログ論は、これより200%以上も高い法外な値段設定です。ボッタくりと言われても仕方ありません。
実は100円有料noteはもっとボッタくっている
ボッタくりはイケダハヤト氏だけではありません。
100円など低価格で販売されている有料noteにもボッタくりコンテンツは潜んでいます。
多くの100円有料Noteは、テキスト1文字当たりの価格が、朝日新聞の100円Kindleの何倍もの高値になっていることでしょう。
イケダハヤト氏の月刊マガジンだって、テキスト1文字当たりの単価は、一般雑誌と比べてとても割高なのではないかと想像しています。
僕はイケダハヤト氏のコンテンツを購入する気がないので、マガジンを購入した人で誰か算出してくれるとありがたいと思います。
ボッタくりだと分からず買うのは最悪
小学校の算数で出てくる「単位当たりの量」とか「およその数(概算の仕方)」などの知識があれば、テキスト1文字当たりの価格は簡単に計算できます。
つまり、noteで販売されている有料テキストコンテンツの大半が、価格に見合う量を提供しないボッタくり商品であることは、小学生にもわかります。
有料noteに限らず、買い物をする前には、
- 価格に見合った量があるか
- 価格に見合った質は期待できるか
の二点について考えるのは当然です。質についてはいくら事前に考えても分からない部分がありますが、量は著者の開示情報から分かるでしょう。量について開示しないnoteなんて買うに値しません。
小学校の算数で「単位当たりの量」とか「およその数(概算の仕方)」などを取り上げるのは、合理的な判断ができる消費者を育てるためでもあるでしょう。
自分の感覚などの主観に頼る前に、まずは客観的な物差しで判断したいところです。
ボッタくられていると認識してもなお、お金を差し出したいならお好きにどうぞ
ボッタくり商品の購入など、アンリーズナブル(不合理)な買い物を、アンリーズナブルと意識せずに行うのは最悪です。
しかし、アンリーズナブルであることを意識して、敢えてそれをするのはアリだと思います。
- 子供の一番のファンである親が、子供の教育費に糸目をつけられず、家計にとって分不相応な私立学校や高額塾に子供を通わせる。
- アイドルのファンが、そのアイドルにまつわるグッズ類を、割高だとわかっていてもほしがる
- AKBのファンが、握手会参加のために、同じCDを何枚も買う。握手会に参加するための費用としては高すぎだけど…
- イケダハヤト氏の有料noteはボッタくりだけど、僕は彼の大ファンだから、それでもバイブルとして全部買いたい
アンリーズナブルだと分かってもなおやるのなら、こういったファン特有の購買行動までは止めはしません。
まあ、私はしませんけどね。
- この本は私の手元にあります。目立つほどの空白のない3ページをランダムにピックアップし、Amazon Kindle: Your Highlights経由で字数を数えました。目立つほどの空白のないページについては、1ページ当たりの字数の平均は620字でした。その後、本文全体を、目立つほどには空白がないページと、空白が目立つページとに分けた。総ページ数は(目立つほどには空白がないページ数)×1+(空白が目立つページ数)×1/2で計算した。その結果総ページ数は130となった。620字×130ページ=80,600字 ↩
- この本は幻冬舎新書だがまだ入手していない。幻冬舎新書 41文字 16行 – Google 検索によると、幻冬舎新書の1ページは16文字×41行の段組みでできているようだ。全234ページだが、段組みのうち空白の部分が4割あるものとして、字数を概算。16文字×41行×234ページ×0.6=92,102字 ↩
- この本は手元にあります。文字でびっしり埋まっているページのフォーマットは、31文字×35行程度です。図表が豊富なので、文字がページスペースの5割程度しか占めていない場合もあります。平均して文字がページスペースの6割程度を占めているものと仮定し、31文字×35行×240ページ×0.6=156,240字 ↩
- この本は私の手元にあります。目立つほどの空白のない3ページをランダムにピックアップし、Amazon Kindle: Your Highlights経由で字数を数えた。目立つほどの空白のないページについては、1ページ当たりの字数の平均は700字だった。その後本文全体を、目立つほどの空白のないページと、空白が目立つページとに分けた。総ページ数は(目立つほどの空白のないページ数)×1+(空白が目立つページ数)×1/2で計算した。その結果総ページ数は67となった。700字×67ページ=80,600字 ↩
- この本は私の手元にあります。全文をAmazon Kindle: Your Highlightsに転送して字数を数えました。 ↩