払済保険と延長保険~保険料の支払いをやめても生命保険契約を継続させる方法

更新

2016-05-24-haraizumi-eycatch

保険料の支払いが一時的に苦しいだけなら、契約者貸付や自動振替貸付で乗り切ることができます。

しかし保険料の支払いが継続的に苦しくなった時はどうすればいいでしょう。

この場合は解約するのも一つの解決策ですが、保険料の支払いをストップしつつ、ある程度の保障を継続する方法もあります。

それが払済保険と延長保険です。


払済保険

保険料の支払いを中止して元の保険を解約し、その時点の解約返戻金を一時払い保険料として、元の保険と同じ種類の保険に改めて入ることを、払済保険への変更と言います。

ただし払済保険を使うには、解約返戻金が保険会社が定める最低金額を上回っていなければなりません。

元の保険が掛捨てでは解約返戻金がないのでもちろん使えません。

また、本来解約返戻金が発生する保険であっても、契約してから間もないために解約返戻金が最低金額に達していないケースでは、払済保険への変更ができません。

例えば終身保険を払済保険に変更する場合は、以下のような仕組みになります。
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契約者貸付や自動振替貸付がある場合は、その残高は解約返戻金から差し引かれます。

保険料の支払いをやめてしまうわけですから、払い済み後の保険金額は元の保険に比べて少なくなります。

しかし、予定利率は、払済保険への変更後も元の保険契約と同じままです。解約返戻金は増えることになります。

告知や診査も不要です。

また、元の保険についていた入院特約などの特約は、リビングニーズ特約を除いて消滅します。

また配当金もなくなります。

払済保険の例

満期金300万円の養老保険に入っている人がいたとします。保険料は月額15,000円で、保険料払込期間はあと40か月残っています。今、解約すると受け取れる解約返戻金が220万だとわかりました。

この保険を払済保険に変更すると、保障額は270万円になってしまいますが、保険料は支払わなくてよく、満期金も270万円になります。

支払保険料 保険金・解約返戻金 保険契約 差引き
継続 60万円 300万円 240万円
解約 0円 220万円 220万円
払済保険 0円 270万円 270万円

このケースでは、払済保険が有利だとわかります。

契約継続、解約、払済保険の比較は、前提条件が変わると損得が変わります。

終身保険・学資保険・個人年金保険でも養老保険と同様に考えることができます。

延長保険

保険料の支払いを中止して元の保険を解約し、その時点の解約返戻金を一時払い保険料として、元の保険と保険金額が同額の死亡定期保険に入り直すことを、延長保険(延長定期保険)への変更と言います。

太字の部分が払済保険との違いです。

契約者貸付や自動振替貸付がある場合は、その残高は解約返戻金から差し引かれます。

元の保険についていた特約は、リビングニーズ特約も含めて消滅します。

延長定期保険に変更する場合は、元の保険の解約返戻金が多いか少ないかで、取り扱いが変わってきます。

元の保険が養老保険である場合で、それぞれのケースについて考えてみましょう。

解約返戻金が少なかった場合

解約返戻金が少なかった場合、元の保険の満期まで定期保険に入り続けるには不足です。

この場合延長保険の満期は元の保険より早くなります(下図)。
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解約返戻金が多かった場合

解約返戻金が多かった場合、元の保険の満期まで定期保険に入り続けても、なお解約返戻金が余ります。

この余った分は延長保険の満期時に生存給付金(生存保険金)として支払われます。

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とはいえ、延長保険の満期時に支払われる生存保険金は、元の保険の生存保険よりは少なくなります。

復旧

保険の減額、払済保険、延長定期保険への変更後、保険会社が定めている期間内であれば、保険会社の承諾を得て元の保険契約に戻すことができます。

これを復旧といいます。

復旧するときには改めて告知や診査が必要です。また、復旧部分の責任準備金が不足することになるので、その不足額を払い込まなければなりません。

この不足額には利息がかかるので、その分も払うことになります。

復活と復旧を勘違いしないように

復旧とよく似た言葉に復活というのがあります。

復活は失効した保険に再び効力を持たせることです。復旧と混同しないようにしたいです。

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