差額ベッド代の対策は支払拒否に限る

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先日、差額ベッド対策としては医療保険が力不足だという記事を書きました。@web_shufuです。

こんなことを言うと「どうすればいいの?」という声が聞こえてきそうなので、差額ベッド代を支払う羽目に陥らないためにするべきことをまとめてみます。


こんな時は差額ベッド代の支払いを拒否できることを知っておく

厚生労働省が地方厚生局医療課長宛てで出した通知である保医発0624第3号には、差額ベッド代を請求してはならない例として、以下の場合が挙げられています。

  1. 差額ベッド代の金額が記載された同意書に患者が署名をしていない場合
  2. 治療上の都合で患者に差額ベッドを使わせた場合
  3. 病棟管理の都合から患者に差額ベッドを使わせたときで、「実質的に患者の選択によらない場合」

つまり、①②③のどれかに一つにでも該当すれば、病院からの差額ベッド代を請求されても拒否することができます。

一つ一つ見ていきましょう。

差額ベッド代の金額が記載された同意書に署名をしていない場合

Signature

厚生労働省の通知には以下のくだりがあります。

(8) 患者に特別療養環境室に係る特別の料金を求めてはならない場合としては、具体的には以下の例が挙げられること。(中略)
① 同意書による同意の確認を行っていない場合(当該同意書が、室料の記載がない、患者側の署名がない等内容が不十分である場合を含む。)

差額ベッド代が記載された同意書にサインをしなければ、差額ベッド代は払う必要がありません。

ウェブシュフ
差額ベッド代を払いたくないなら、差額ベッド希望との意思表示は厳禁。

そのうえ、同意書のサインだけでは、病院が差額ベッド代を請求することはできません。サインをさせる前に丁寧な説明をしなければなりません。

厚生労働省の通知には以下の部分もあります。

(7) 特別療養環境室へ入院させた場合においては、次の事項を履行するものであること。
① 保険医療機関内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に特別療養環境室の各々についてそのベッド数、特別療養環境室の場所及び料金を患者にとって分かりやすく掲示しておくこと。
② 特別療養環境室への入院を希望する患者に対しては、特別療養環境室の設備構造、料金等について明確かつ懇切丁寧に説明し、患者側の同意を確認のうえ入院させること。
③ この同意の確認は、料金等を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うものであること。なお、この文書は、当該保険医療機関が保存し、必要に応じ提示できるようにしておくこと。

病院がここまで説明義務を果たして、初めて差額ベッド代が発生するのです。ろくな説明もなく

病院事務員
落ち着いたらこの書類にサインをお願いします。

と言われて同意書にサインした程度なら、差額ベッド代を支払う必要はありません。

治療上の都合で差額ベッドを使うことになった場合

Doctor

差額ベッド代は、病気の治療上の都合よって差額ベッドを利用した場合にも、支払う必要がありません。

厚生労働省の通知には次のようなくだりもあります。

(8) 患者に特別療養環境室に係る特別の料金を求めてはならない場合としては、具体的には以下の例が挙げられること。(中略)
② 患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合
(例)
救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者
免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者
集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の患者

こういうケースでは、たとえ同意書にサインしてしまっても、差額ベッド代を支払う必要がありません。

病棟管理の都合から差額ベッドを使うことになった場合

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差額ベッドしか空いていないためしぶしぶ差額ベッドを使うケースなどが、病棟管理の都合から差額ベッドを使うことになった場合に当たります。

厚生労働省の通知には次のようなくだりもあります。

(8) 患者に特別療養環境室に係る特別の料金を求めてはならない場合としては、具体的には以下の例が挙げられること。なお、③に掲げる「実質的に患者の選択によらない場合」に該当するか否かは、患者又は保険医療機関から事情を聴取した上で、適宜判断すること。(中略)
③ 病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合

ここで、注目は太字部分です。「適宜判断」するのは一体誰でしょう?

それはこの厚生労働省の通知が誰に宛てて書かれたかを考えればわかります。

地方厚生局の医療課長宛に書かれたものでしたよね。

ということは適宜判断するのは地方厚生局の医療課長です。

差額ベッド代を払うべきかどうか迷ったら、地方厚生局に電話して尋ねるのが一番いいということになります。

差額ベッド代の拒否でトラブルが起きたら…

厚生労働省の通知を見る限り、

某男性
差額ベッド代を自ら進んで払いたい

という人以外は差額ベッド代を一切払わなくて良いように、制度が出来ています。

しかし実際には、病院に入院したときに、

病院職員
差額ベッド代がかかる病室しか空いてないんですよね

などと言われて、渋々差額ベッド代を払ったという話が後を絶ちません。

ウェブシュフ妻
こんな時はどのように立ち向かったらいいの?

厚生労働省の通知を根拠にして差額ベッド代の支払いを拒否するのが正論

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払う必要のない差額ベッド代は、きっぱり断るのが正解です。

以下の発言小町をすべて読むとよくわかります。

病院は、本来請求できないとわかっていながら、わざと差額ベッド代を請求しているフシがあります。

患者が無知なら何の疑問もなく払ってくれるからです。差額ベッド代は無知な人が搾取される典型的な例なんです。

一方、請求をきっぱり断れば、病院は以外におとなしく引き下がることも多いようです。

小町の中にもそのような例が出てきますよね。

自力で交渉すると看護師や医師との間に角が立つかも

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しかしキッパリ拒否するとかえって悪い結果になるケースもあります。

以下の記事では、差額ベッド代を払わずには済んだものの、看護師さんや医師との関係が悪化した話が書かれています。

看護師や医師と差額ベッド代についてのやり取りをするのは得策ではないかもしれません。

だったら、お役所に泣きつくのが一番。最も頼りになるのは、地方厚生局

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では、どうすればいいか。

弁護士ドットコムの次の記事が参考になります。

相談者の方は、差額ベット代を払わずに済んだそうです。

この中の弁護士のアドバイスに解決策が出ています。

弁護士A:厚労省の地方厚生局に相談してみてはどうでしょうか。

また、読売新聞でもこのように解説しています。

疑問を感じたら、地方厚生局かその出先の事務所(都道府県ごとにある)に相談しましょう。違反なら厚生局から病院に指導してもらい、すでに払った分でも返還を求めることができます。(医療とお金(3)差額ベッド代は患者側が希望した時だけ : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

差額ベッドについて指導や処分を行うのが地方厚生局の医療課であることは、先ほどの厚生労働省の文章を見ても分かりますよね。

医療課に連絡しましょう。急ぎなら電話がいいですね。

  • 北海道厚生局医療課 011-796-5105
  • 東北厚生局医療課 022-206-5216
  • 関東信越厚生局 048-740-0815
  • 東海北陸厚生局 052-979-7382
  • 近畿厚生局 06-6942-2414
  • 中国四国厚生局 082-223-8225
  • 四国厚生局 087-851-9502
  • 九州厚生局 092-707-1123

ここは役所に活躍してもらうのが一番いいと思います。


トラブルに巻き込まれる確率はそう多くはない

病院とトラブルになったらどうするかという話をしましたが、実はトラブルに巻き込まれる確率はさほど多くありません。

私のいとこまでの範囲の一族でも、差額ベッド代を払ったという話はありません。

入院時に、差額ベッドを勧誘されることはありましたけども、

ウェブシュフ
お金がないから差額ベッドなんて絶対使わない

とお断りしています。それで話は全て終わりました。

そもそも差額ベッド代のかかる病床の数が全体のうち2割しかありません。

2016-11-26-percentage-of-special-recuperation-room2

その上差額ベッドを利用している人というのは全体の5%程度です。

2016-11-29-percentage-of-special-recuperation-room-utilize

病院との間でトラブルが起きるのは、この中のほんの一部です 。

入院を怖がる必要までありませんが、もしそんなことになったらどうするか、という知識だけは持っておくに越したことはありません。

その辺りがどうしても気になるようなら、差額ベット代が一切かからない民医連の病院に入院するのがいいかもしれません。

医療制度を改善する運動もすすめ、「いのちは平等である」と の考えから、差額ベッド料はいただいていません。(民医連のご紹介 – 全日本民医連

また、一般の私立病院よりも公立病院や大学病院の方が、差額ベッド代のトラブルを避けようとする傾向にあります。

入院時にこの辺りのことも考えて病院選びをするのもいいかもしれません。

医療保険に入っていても、頑張って支払い拒否をしなければならないケースはある

実際に病院からの差額ベッド代請求を拒否するのは結構な心理的負担です。

そんなことを考えているときに、保険営業マンから

保険営業
差額ベット代の支払いに備えて医療保険に入られてはいかがですか

などと言われると 心がグラッとくるかもしれません。

医療保険に入っておけば、差額ベッド代支払い拒否交渉をしなくてもよさそうな気がしますものね。

しかし、高額な差額ベッド代や、入院が長期化した場合の差額ベッド代に対して、医療保険は少々力不足です 。

これは先日の記事で書いた通りです。一般的な医療保険では、1回の入院で受け取れる給付金の額は、100万円に満たないからです。

そうなると、保険に入っていても、保険とは別にある程度まとまった資金を用意しておく必要があります。

首尾よく資金が用意できればいいですが、用意できなければ、差額ベッド代の支払いを請求された時には断固拒否するしかありません 。

つまり、医療保険に入っても、差額ベッド代を請求を拒否するノウハウは絶対に必要なんです。

ウェブシュフ妻
じゃあ、医療保険はいらないよね。

というのが我が家の考え方です。

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