保険募集人河西通友氏による「また出た、でたらめな確率論」というデタラメな記事

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■また出た、でたらめな確率論|保険の相談はお気軽に。河西通友の保険日記という記事を読みました。

東洋経済の記事

を「でたらめな確率論」と切り捨てています。

しかしその切り捨て方こそデタラメでした。

確率分布から期待値を求めることを河西さんが批判しているのが謎

東洋経済の記事における以下の部分は、診断時に100万円が支払われる「がん保険」に60歳の男性が加入した場合に、死ぬまでに受け取れる診断給付金額の期待値について書かれたものです。

ある保険会社の診断時に100万円が支払われる「がん保険」で試算してみます。
60歳の男性が加入するケースで、見込める給付金の額は「100万円×余命(約23年間)を全うするまでガンにかかる確率63%」で63万円です。
これに対し、払い込む保険料総額は170万円くらいになります。(生命保険に「広告の印象」で入るのは間違いだ | 生命保険との正しい付き合い方 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

がんと診断されれば受け取れる診断給付金は100万円となり、がんと診断されなければ受け取れる診断給付金は0円です。

60歳男性が平均余命を全うするまでに癌にかかる確率が63%であれば、診断給付金の金額と確率を表にまとめると次のようになります。

がんと診断 される されない
給付金(万円) 100 0
確率 63% 37%

60歳でこのがん保険に加入した男性加入者について、受け取ることができる診断給付金額の平均を求めれば100×63%+0×37%=63(万円)となります。

東洋経済からの引用部分にデタラメな部分などありませんよね。

ところがこれに対して、「■また出た、でたらめな確率論|保険の相談はお気軽に。河西通友の保険日記」では以下の様に切り捨てています。

あの・・・見込める給付金の額が63万円ってなんでしょうか。
診断給付金が100万円のがん保険であれば、何歳でがんになろうが、受け取る給付金は100万円です。
がんにならなければ0、です。(■また出た、でたらめな確率論|保険の相談はお気軽に。河西通友の保険日記

「見込める給付金の額が63万円」の意味するところは、記事中の計算式から言っても、「受け取れる給付金額の期待値が63万円だから平均してそれくらいの給付金額を受け取れることが期待できる」ということです。

河西さんは保険販売に従事するFPですからお分かりのはずです。

がん診断給付金について、確率分布と期待値を考えてみることのどこがいけないのか、全くの謎です。

ちょっと脱線:正しく使われた「還元」という言葉の用法を河西さんが批判しているのが謎

東洋経済の記事には以下の記述もありました。

加入者に給付金として還元されるおカネの割合は63万円÷170万円で約37%です。「加齢とともに高まるガンのリスクに備える」というストーリーから離れると「60%超を胴元が取る賭けごと」にも見えてきます。(生命保険に「広告の印象」で入るのは間違いだ | 生命保険との正しい付き合い方 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

記事では「加入者が支払った保険料の総額に対して、加入者にがん診断給付金として支払われる金額の割合が37%」と言っているわけです。

支払われることを「還元される」と表現していますが、デジタル大辞泉によれば、還元とは「物事をもとの形・性質・状態などに戻すこと。」です。

別に誤った記述は見当たらないですよね。

河西さんは、以下の様に批判されていますが、

「還元」の「割合」ってなんでしょう。
がん保険の診断給付金は「給付金」であって、「還元」ではありません。
あえて言葉を変えてミスリードしてますね。ひどいものです。

東洋経済の記事で「給付金」を「還元」と同義だとして扱っている部分はありませんよね。どこがミスリードなのかわかりません。

それとも「給付金として還元される」という表現が「給付金と還元は同じ意味である」などと言ったことになるのでしょうか。

「大統領として選出される」と言えば、「大統領と選出は同じ意味である」などと言ったことになるのでしょうか。

ほんとに謎です。

河西さんが統計的確率を軽視しているうえ、確率という言葉の使い方がデタラメなのが謎

「また出た、でたらめな確率論|保険の相談はお気軽に。河西通友の保険日記」のなかでも、最もデタラメだと思うのが、次の点です。

本当のお客様目線でがんになる確率などを言うのであれば、「0か1」でしかありません。(■また出た、でたらめな確率論|保険の相談はお気軽に。河西通友の保険日記

確率そのものの数値が「A or B」となるようなことはありません。確率はただ一つの定数で表されるものです。

保険の世界で確率と言えば、統計的確率を指します。

芝浦工業大学工学部教授 松田晴英氏によると、統計的確率の定義は以下の通りです。

ある試行を同じ条件のもとで N 回繰り返したとき,事象 A が n(A) 回 起こったとします。このとき,n(A) N をこの N 回の試行に対する事象 A の起こる相対 頻度といいます。例えば,硬貨を 10 回投げたときに表が 6 回出たとすると,表の出 る相対頻度は 3 5 です。一般に,試行回数が増加するにつれて相対頻度がある定数 p に 収束すると見なせるとき,この値 p をこの試行のもとで事象 A が起こる統計的確率 (statistical probability) といいます。

これを見てわかるとおり、ある条件の下でがんになる確率は「0か1」などの「A or B」の形とはならず、ただ一つの定数に定まります。

河西さんの

本当のお客様目線でがんになる確率などを言うのであれば、「0か1」でしかありません。

こそデタラメです。

だって、河西さんも販売に携わるアフラックのがん保険のパンフレットは、統計的確率や平均値を重視したものなんですよ

河西さんも代理店をされているアフラックのがん保険のパンフレットを覗いてみましたが、統計的確率や平均値がふんだんに使われたものとなっています。

アフラックさんは、統計から導き出された確率や平均値を、保険加入を検討される個々のお客様にとって有用なものとして扱っていますよね。

それに対して河西さんは、

本当のお客様目線でがんになる確率などを言うのであれば、「0か1」でしかありません。

統計的確率や平均値を著しく軽視する発言を全世界に向けて公開されています。

代理店の方にこのような発言をされたら、統計的確率や平均値をふんだんに使ったパンフレットを販促に使っているアフラックさんは、迷惑この上ないと思いますけど、どうなんですかね。

東洋経済の記事と河西さんの記事、どちらを信用しますか

私が見たところ、■また出た、でたらめな確率論|保険の相談はお気軽に。河西通友の保険日記には、明らかな誤りが含まれていました。

一方、上記記事にて東洋経済の記事から引用された部分には、そういったものが含まれていません。

河西氏は上記記事の中で、以下のおっしゃっていますが、

>後田氏や机上論のFPたちはこのようなことを伝えることもせず、間違った確率論を展開しています。

後田氏が確率論で間違えている点を指摘することすらできていません。

どちらを信用するかは個々人の自由ですが、両者の比較であれば、私は東洋経済の方が信用できると感じました。

そもそも、保険は不確実な将来に備えた家計のリスクマネジメントとして使われるものです。

保険を検討するにあたって確率の考え方が使われるのは、当然だと思うんですけどね。

アフラックをはじめとした保険会社関係者や、大多数の真面目な保険募集人の方々におかれましても、同じようなお考えではないでしょうか。

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