HCDコンサルティング(旧・中川勉社会保険労務士事務所FPウェブシュフ)のブログ

年金はいくらもらえるか?ねんきんネットで老後の年金を試算をしてみた

妻は公務員で中学教師です。@web_shufuです。

ライフプランを作成したり、保険商品を選んだり見直したりするには、年金受給額の試算が欠かせません。

以前に年金手取り額の計算の話をしましたが、手取りを求めるには総額がわからないと話になりません。

公務員以外の場合、老齢年金(老後の年金)受給見込み額や年金記録の確認には、ねんきんネットが便利です。

私(昔サラリーマン今自営業)の老齢年金(老後の年金)受給見込み額や年金記録の確認するために試しに使ってみました。

利用登録

最近、ねんきんネットの利用登録方法について、詳しく説明している動画が年金機構からリリースされました。

この動画を見れば、利用登録など迷わずできると思われますが、キャプチャを取りながら解説してみます。

ねんきんネット|日本年金機構で「新規利用登録」をクリック
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私はアクセスキーがなかったので、「ご利用登録(アクセスキーをお持ちでない方)」を選択
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「同意」をクリック
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ここで基礎年金番号の入力を求められます。
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会社員の方は、勤務先の総務関係の部署に尋ねてください。

会社員以外の方は、年金手帳で確認してください。
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画面下まで必要事項を入力していきます。パスワードは忘れないようにしてください。
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入力が終わったら、「申込み内容を確認」ボタンを押します。

次の画面で「申し込み」ボタンを押すと、申し込み手続きは完了です。

1週間くらいでユーザーIDが郵送で届きます。

将来の年金額を試算してみましょう

年金額の試算についても、年金機構から詳しい動画が出ています。

ユーザーIDが届いたら、日本年金機構:ねんきんネット(ログイン)からログインしましょう。

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ログインが終わったら「年金見込額試算」をクリック。
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試算メニューは3種類あるのですが、「詳細な条件で試算」がおすすめです。

詳細な条件で入力するのでいろいろ面倒ではありますが、色々シミュレーションしたいならこれを使うのがベスト。
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収入や就業期間について細かい設定ができます。

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受給開始年齢についても色々な設定ができます。

現行制度では支給開始年齢を70歳までしか繰り下げられないのに、シミュレーションは75歳まで繰り下げられることになっています。

[bubble speaker=”ウェブシュフ妻” imgurl=”/img/wife.png” type=””]年金の支給開始年齢を75歳まで遅らせるのが国の意図なんでしょうね。
[/bubble]

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こんな感じで試算結果が表示されますよ。
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試算結果は5つまで保存できます。

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ライフプランニングや保険選びで活躍しそうです。

厚生年金基金からの支給は考慮されない

ねんきんネットは便利ですが、もちろん足りないところもあります。

その一つが、厚生年金基金からの支給金額を、試算に含めてくれないことです。

厚生年金基金からの支給金額は、勤務先や企業年金連合会に、自分で尋ねるしかありません。

[img-link url=”https://webshufu.com/pension-fund-association/” title=”転職者は企業年金連合会に厚生年金基金からの受給額を問い合わせておこう|FPウェブシュフ”]

公務員や学校職員の年金受給額は試算不可能

ねんきんネットで公務員の方の加入記録を調べると「未加入」の嵐になります。
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被用者年金は一元化されましたが、年金記録の管理は一元化されていないからです。

公務員や学校職員など共済組合加入者が年金の試算をするなら、地共済年金情報ウェブサイトを利用しましょう。

[img-link url=”https://webshufu.com/public-officials-pension-calculate-test/” title=”地方公務員向け年金試算サイト「地共済年金情報ウェブサイト」の使い方”]

障害年金や遺族年金の試算も試算不可能

ねんきんネットが試算してくれるのは老齢年金の受給額だけです。

これだけでも有り難いのは確かですが、ライフプランや保険選びでは、遺族年金や障害年金の受給額も試算したいところです。

[bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]遺族年金の受給見込み額は、生命保険の選択に大きな影響を及ぼします。[/bubble]

[bubble speaker=”ウェブシュフ妻” imgurl=”/img/wife.png” type=””]障害年金の受給見込み額は、病気やけがに備える保険(所得補償保険など)の選択に関係するわよね。[/bubble]

これらについては、ねんきんネットで計算された受給額をもとにして、計算で求めないといけません。

計算には下記ページの内容理解が必要です。

…試算するにはエクセルシートが便利です。

1級ファイナンシャルプランニング技能士の私ですが、

[bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]規則に則り正確に試算するのは大変です…[/bubble]

一般の方が障害年金や遺族年金の受給額見込み額を知るには、年金試算に強いFPや社会保険労務士さんにお願いしたほうがいいかも知れません。

年金事務所では、50歳以上の方の老齢年金以外、受給額の試算をしてくれない

ねんきんネットの試算で足りないところがあるなら、年金機構が運営する年金事務所や街角の年金相談センターで試算をしてもらいたいところです。

しかし街角の年金相談センター 津 (つ)(オフィス)|日本年金機構に電話して、試算依頼をしようとしたら、見事に却下されました。

[bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]つかぬことをお伺いしますが、そちらで年金の試算はしていただけますか。[/bubble][bubble speaker=”相談員” imgurl=”/img/female-biz.png” type=””]ええ、50歳以上の方なら老齢年金の受給見込み額の試算はできますよ。[/bubble][bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]えっ、40代だとやってくれないんですか。[/bubble][bubble speaker=”相談員” imgurl=”/img/female-biz.png” type=””]お断りさせていただいています。[/bubble][bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]障害年金や遺族年金の試算はどうですか。[/bubble][bubble speaker=”相談員” imgurl=”/img/female-biz.png” type=””]お断りさせていただいています。[/bubble][bubble speaker=”ウェブシュフ” imgurl=”/img/me.png” type=””]では、年金の試算は誰にやってもらえばいいんですか。引き受けてくれる社労士さん紹介してくれませんか。[/bubble][bubble speaker=”相談員” imgurl=”/img/female-biz.png” type=””]いや、なかなかやってくれる方はいないでしょうね。ご自身で頑張っていただくしか…[/bubble]

ねんきんネットが立ち上げられたのは、個別計算等の雑務を減らしてコストダウンすることも目的の一つなのでしょう。

おいそれと年金の試算を受けて貰えないのは仕方ないことかもしれません。

遺族年金や障害年金の試算は、

  • 自分でするか
  • 有料で誰かにお願いするか

しかありません。

ですが、年金の専門家である社労士さんも含め、皆さん嫌がって、なかなか引き受けてくれない傾向にあるようです。

年金記録を取っておこう

試算の基礎になるのは年金記録です。

ねんきんネットでは、正確な年金記録を見ることができるので、これを保存しておきましょう。

年金記録の見方についても、年金機構から詳しい動画が出ていました。

「年金記録の一覧表示」をクリックして
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「年金記録照会」をクリック
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「隔月の年金記録の情報」をクリック
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すると、国民年金、厚生年金それぞれの記録を確認するボタンが出てきます。
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国民年金のほうから見てみましょう。年金記録が表の形式で出ているので、表全体をエクセルにでも貼り付けて保存しておきましょう。

次に厚生年金のほうも見ましょうか。

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やはり、年金記録が表の形で残っているので、コピペして保存しておきましょう。

まとめ

年金受給額の計算式は、毎年のように少しずつ変わるので、正確に試算したところで将来の受給額が明確になるわけではありません。

それでも、ライフプランニングや保険商品の選択にあたっては、現在の計算規則に則った試算をしておいたほうがいいです。

ねんきんネットは老齢年金の試算には便利ですが、障害年金や遺族年金のシミュレーションは一切してくれません(ねんきんネットでの老齢年金の試算結果を使って、遺族厚生年金を概算することはできます)。

しかし、ねんきんネットからは、各種年金の試算に必要な年金記録は確実に取れます。

できる範囲でいろいろシミュレーションする一方、年金記録も取っておくと、年金手取り額の計算やライフプランニングにとても役に立ちます。

ライフプランや保険選び・見直しに真剣に取り組むなら、ねんきんネットをぜひ利用してみてください。

追記:試算結果を見るときの注意点

ねんきんネットの試算結果では代行部分の取り扱いがややわかりにくいです。

この点について別の記事で解説しました。

[img-link url=”https://webshufu.com/old-age-welfare-annuity-in-nenkin-net/” title=”要注意!ねんきんネットの試算結果の「基金代行部分」の金額は実際と異なるケースが多い”]


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