終身医療保険は途中で解約しにくい~サンクコストの呪縛

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1級ファイナンシャルプランニング技能士の@web_shufuです。妻は公務員(教師)です。

終身医療保険を途中解約すると、老後の保険料として前払いしている部分が、そっくりそのまま無駄になります。

そのため、「今やめたら損になる」という気持ちで途中解約しにくくなります。

医療保険が不要になった後も途中解約が出来ず、ずるずると保険料の無駄遣いを続ける可能性が高くなるのです。

この「今やめたら損になる」という気持ちは「サンクコストの呪縛(誤り)」というものです。

サンクコストの呪縛(誤り)とは?

サンクコストというのは、すでに支払ってしまって、もう帰ってこない過去の費用負担のこと。(上智大学教授の川西諭さん

これは「サンクコスト」の定義ですね。何故「呪縛」なのかと言うと、同じく上智大学教授の川西諭さんによれば‥

これから何をするか考えるときにはサンクコスト(過去のこと)を考慮する必要はないと経済学の教科書には書いてある。冷静に考えれば確かにそうなのだが、人はなかなかこれが上手にできない。(上智大学教授の川西諭さん

すでにつぎ込んだ金額や時間が無駄にるのを嫌がって、コストや費用をつぎ込むことをやめる決断がしにくくなる状態を「サンクコストの呪縛」と言うようです。

こころ学 – サンクコストの誤り:だってもったいないじゃないの心理(京都大学)では、「サンクコストの呪縛」の例として、次のようなことが紹介されています。

  • 壊れててデカくてジャマなんだけど100万円もしたものだから。(捨てられない)
  • 才能ないし好きでもないけど、10年続けてきたピアノだから。(やめられない)
  • 5万円つぎ込んだスロットマシンだから、もう1万円。(捨てられない)

いずれも、すでにつぎ込んだ金額や時間が無駄になるのを恐れて、捨てたり辞めたりできなくなっている例ですよね。

捨てようが捨てまいが、続けようが続けまいが、どちらにしてもすでにつぎ込んだものは返ってこないのに踏ん切りがつかないんです。

人はそれだけ、自分のかけたコストが何の成果も生まず水泡に帰すのが嫌なんですね。

私もよくこのような気分に囚われます。まだまだ修行が足りません。

サンクコストの呪縛は終身医療保険の加入者にも襲い掛かる

さて終身医療保険に話を戻しましょう。

終身保険は、若いうちに割高な保険料を支払い、その一部が老後の保険料の先払いに回されるシステムです。

そのおかげで「保険料は一生上がりません」が実現しています。

ただそれと同時に、終身医療保険を解約するべきだと思っても、なかなか踏ん切りがつかない原因ともなっています。

今やめたら既に支払った老後の保険料の先払い部分が無駄になるわ

と考えてしまい、なかなか解約に踏み切れないんです。

終身保険の解約では、巨額の解約手数料が発生するのと同様の現象が起きる

次の図で「若いうちにプールした部分(保険会社に預けている部分)」は、老後の保険料に回すために、終身医療保険の加入者が若いうちに割高な保険料を支払って作り出したお金です。

終身医療保険を解約すると、加入者は「若いうちにプールした部分(保険会社に預けている部分)」を全て諦めないといけません。

一方、保険会社は、加入者が「若いうちにプールした部分(保険会社に預けている部分)」を労せずして自分のものとすることができます。

終身医療保険に入ると、解約時に巨額の解約手数料を取られるのと同じような状況に追い込まれるんです。

その結果、無駄な保険料の支払いをずるずる続けてしまいます。

無駄だと気づかないで無駄遣いをするならまだしも、無駄だとわかっているのにやめられないんです。こんな不幸はありません。

もちろん、賢い選択をするには、「今やめたら損になる」という気持ちを意識して振り切る必要がありますよ。

でもこれって「言うは易し行うは難し」の典型なんですよね。

このようなサンクコストの呪縛にとらわれないようにするには、終身タイプの保険を避けるのが一番です。

医療保険はそもそも損だということを思い出そして、サンクコストの呪縛から逃れましょう

「今やめたら損になる」という考えを振り切るには、そもそも保険に加入していること自体が損であることを思い出すのがいいです。

保険に加入するのは、加入しないのと比べれば圧倒的に損なんですよ。これは少し考えれば誰でもわかることです。

これを思い出せば、「家計が破たんする心配がないなら保険なんてやめた方がいいに決まってる♪」とすっきり結論が出ます。

一生保険料が上がらない終身医療保険に若いうちから加入するのはデメリットだらけ

終身医療保険の代表的特徴をあげると以下の二点になります。

  • 保障が一生涯続く
  • 若いうちに割高な保険料を支払うことと引き換えに、老後の保険料は安くすることで「一生保険料が上がらない」を実現

これらの特徴は一見メリットに見えますが、実のところ大きなデメリットにもなり得ます。

保険加入者が「サンクコストの呪縛(誤り)」に囚われて、不合理で愚かな選択をしてしまう原因になるのですから。

医療保険は、今は必要であったとしても、ある程度の財産ができれば不要になります。

やめるべき時に後ろ髪をひかれるような形でやめる決断ができないなら、大きな損失です。

保険会社からすればメリットだらけ

一方、保険会社からすれば、終身医療保険はいいところだらけです。

先程も書いたように、解約発生時には、実質的に巨額の解約手数料が保険会社に転がり込む仕組みになっているからです。

顧客から終身医療保険解約の連絡を受けても、保険会社は快く送り出せるはずです。

終身型よりは定期型の方がいいと思いますよ

そういうわけで、我が家としては終身医療保険は保険の選択肢から追放しています。

我が家はそもそも医療保険自体に否定的なんですが、もし医療保険に入るとしても、

ウェブシュフ妻
医療保険は日進月歩だし、見直しにくい終身タイプはやめといた方がいい。

という考えです。

皆さんの保険選びの参考になれば幸いです。

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