アフィリエイト報酬(売上)は絶対に実現主義で仕訳

更新

2015-03-04_1845
ブロガー・アフィリエイターのための確定申告シリーズ第8回です。

前回は、仕訳の意味するところについて説明しました。

今回から、青色申告でよく出てくる仕訳を具体的に取り上げて説明します。今回は売上の仕訳についてです。


青色申告では原則として実現主義による収益計上が義務付けられています。

中でも、アフィリエイト報酬等の売上の仕訳は、何が何でも実現主義でなければなりません。

現金主義と実現主義

現金主義とか実現主義とか小難しそうな言葉ですが、どちらも、収益がいつ生じたかを決める際の考え方です。

青色申告は1年間の収益から費用を引いて所得を計算し、報告するためのものですから、この「収益や費用がいつ生じたか」はとても重要なのです。

現金主義による収益・費用の計上時期

現金主義とは、収益や費用は現金・預金の受け渡し時に計上するという考え方です。

つまり「お金を受け取った」「お金を払った」時が収益・費用の計上時期です。

実現主義による収益・収益の計上時期

一方、実現主義では、費用や収益の認識を、商品やサービスの提供が行われて、その対価が約束された時期を基準に行います。

売上の場合は、売り物である商品・サービスの提供が完了し、請求代金の金額が契約により確定した時点が、実現主義による計上時期です。

アフィリエイトASP「A8.net」の報酬を例に考えると…

アフィリエイトASP「A8.net」の報酬を例に、報酬という売上の計上時期が、実現主義と現金主義でどう異なるか考えてみましょう。

アフィリエイトのA8.net:サポートページ | 支払条件(支払方式)とはなんですか?を見ると、A8netでは、

  • 月末時点で、その月に確定したアフィリエイト報酬が合計1000円以上あって
  • 各アフィリエイターが報酬の支払いを希望するならば、

月末時点のアフィリエイト報酬合計額を、翌々月15日までに振り込んでくれます。

確定した報酬が1000円未満の場合は、翌月に繰り越され、いくら希望しても払ってもらえません。

3月31日に10万円のアフィリエイト報酬が確定して5月15日に報酬が支払われた場合を例に、実現主義と現金主義の違いを仕訳を通してみていきましょう。

実現主義の場合の仕訳

アフィリエイトASPでは、月末にその月に承認した成果を確定し、成果の誤計上を排除して、真の成果のみを受け取ります。

私たち、アフィリエイター・ブロガーの立場からすると、承認が確定した成果のみを提供・納品した形になります。

納品が済んだので、承認が確定した成果に対する報酬も確定します。

つまり、実現主義の考え方で言えば、アフィリエイト報酬(売上)が実現するのは、成果確定時点です。

よって、成果確定日の3/31に以下のような仕訳をします。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
3/31 売掛金 100,000 売上 100,000 (取引相手等)

その後、翌々月15日(5月15日)に報酬が支払われた際に、以下の仕訳をします。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
5/15 預金 100,000 売掛金 100,000 (取引相手等)

現金主義の場合の仕訳

一方、現金主義の考え方では、月末に報酬の支払いが確定した時点では、まだ現金が支払われていないため、売上・売掛金が発生したとは考えず、仕訳は行いません。

翌々月15日に報酬が振り込まれた時点で売上が発生したと考えます。

売上の発生を原因として、預金という資産が増えるので、以下のような仕訳をします。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
5/15 預金 100,000 売上 100,000 (取引相手等)

現金主義だと仕訳が半分で済むので、記帳作業がとても楽ですね。

青色申告では売上は実現主義で認識しないといけない

作業負担の観点から言えば、現金主義で記帳したいのですが、そうは問屋がおろしません。

税務署が毎年発行する青色申告の手引きを見ると、売上について次の記述があります。

掛け売りなどのように、まだ実際に代金を受け取っていない売上げでも本年中に売り上げたものは、全て本年分の収入金額になります。
※ 前年末に未収入金として収入金額に含めた金額を、本年の入金の際に売上げとして記帳している場合には、その金額は本年分の収入金額から除外します。

要するに「売上を現金主義で計上してはいけません」と言っているわけです。

売上は実現主義で計上しないといけません…絶対に

アフィリエイト報酬の仕訳まとめ

「まとめ」と偉そうに書きましたが、私の記帳のやり方を紹介するだけです。

アフィリエイト報酬が発生したとき

ASPの管理画面上で成果が発生したように見えても、その後のキャンセル等の可能性がある限り、成果が本当に発生したとは言えません。

広告主に成果の納品が完了したとは言えません。

広告主に成果が否認されるケースもあるため、まだ売上が実現したとは言えません。よって仕訳はしません。

アフィリエイト報酬が確定したが最低支払額未満であるとき

成果の納品は完了しましたが、最低支払額未満なので、代金の請求権はありません。これもまだ仕訳はしません。

アフィリエイト報酬が最低支払額を超えて確定したとき

ここでやっと売上実現の仕訳をします。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
△/△ 売掛金 △△△ 売上 △△△ (取引相手等)

アフィリエイト報酬が振り込まれたとき

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
△/△ 預金 △△△ 売掛金 △△△ (取引相手等)

アフィリエイト報酬の振込時に、手数料を差し引いた残額が振り込まれた場合は?

ところで、A8netなど一部のASPではアフィリエイト報酬の振込時に、振り込み手数料が差し引かれますよね。

その場合の仕訳はどうするか考えて見ましょう。

例えば、3月末に確定していたアフィリエイト報酬が、振込手数料30円を差し引かれたうえでA8netからゆうちょ銀行口座に5/15に振り込まれ、その金額が99,970円だった場合、以下のように仕訳をするのが通常です。

99,970円+30円=100,000円が売上金額なので、売上実現時の仕訳は以下のようになります。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
3/31 売掛金 100,000 売上 100,000 カ)フアンコミユニケ−シヨンズ

売掛金入金時の仕訳は以下のようになります。

日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
5/15 預金 99,970 売掛金 99,970 カ)フアンコミユニケ−シヨンズ
5/15 支払手数料 30 売掛金 30 カ)フアンコミユニケ−シヨンズ

入金日と売上実現の関係をまとめておくと便利

各ASPの規約を読めば、入金日と報酬確定(売上実現)のタイムラグがわかります。

それを、振り込み名義情報とともに、表の形式でまとめておくととても便利です。

私の場合はこんな感じです。

ASP 振り込み名義 入金口座 入金日 売上確定時
アマゾン アマゾンジヤパン(カ 楽天 月末 入金当月2日
アクセストレード カ) インタ-スペ-ス 楽天 15日頃 入金前々月末
Smart-C カ)アドウエイズ 楽天 15日頃 入金前々月末
リンクシエア リンクシエアジヤパン(カ 楽天 20日迄 入金前々月末
グ-グルAdsense グ-グル(カ 楽天 20日過ぎ 入金前月末
A8net カ)フアンコミユニケ−シヨンズ ゆうちょ 15日頃 入金前々月末

※ A8netは振込手数料が差し引かれる。郵貯銀行なら30円/回。その他の銀行では5万円以上の振込みで756円/回。


次回のエントリは

アフィリエイト報酬(売上)は絶対に実現主義で仕訳」への9件のフィードバック

  1. ピンバック: A8netの売上計上時期・仕訳例・証拠書類 | TAX INDEX

  2. もももももーす

    はじめまして。只今、初の青色申告記帳中です。
    大変、参考させていただいております。ひとつ気になった点ががあります。

    日付 借方 金額 貸方 金額 摘要
    5/15 預金 99,970 売掛金 99,970 カ)フアンコミユニケ−シヨンズ
    5/15 支払手数料 99,970 売掛金 30 カ)フアンコミユニケ−シヨンズ

    上記ですが、「支払手数料 99,970」でOKなんでしょうか?
    よろしくお願い致します。

    返信
    1. ウェブシュフ 投稿作成者

      もももももーすさん、初めまして。誤植の指摘ありがとうございます。手直ししました。ご迷惑おかけしました。m(_ _)m

      返信
  3. そーすけ

    はじめまして。
    いつも大変、参考させていただいております。

    1点教えていただけると助かります。

    A8.netの報酬の「支払い」は月単位で計算されますが、
    報酬の「確定」は、あくまでも日ごとに行われるものと認識しています。
    仕訳における売上の計上日は、報酬の確定日ごとに行うのが正しいように思えますが、
    月末にまとめてしまってよいのでしょうか?

    お手数をおかけ致しますが、よろしくお願い致します。

    返信
    1. ウェブシュフ 投稿作成者

      そーすけさん、コメントありがとうございます。

      ですが、そーすけさんがA8の売り上げをどうするかというような個別的な事例について、良いか悪いかをアドバイスするのは、税理士法に触れるのでできません。

      (税理士の業務)
       税理士は、法2条、で他人の求めに応じ、租税に関し①税務代理(法2条①一)、②税務書類の作成(法2条①二)、③税務相談(法2条①三)を行うことが定められており、法52条では、「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行ってはならない。」として税理士業務の制限を規定している。(日本税理士会連合会)

      税務相談(法2条①三)
       税務相談とは、「税務官公署に対する申告等、第1号に規定する主張・陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談に応ずること」をいう。
       相談に応ずるとは、相談を受けて意見を述べたり、教示したりすることであるが、その内容は相談者(納税者)の個別具体的な納税義務に係わるものであって、単に仮定の事例に基づいた計算や一般的な税法の解釈などは税理士業務としての税務相談には該当しない。  例えば、個別具体的な事例であっても、大学や各種学校などの授業の教材であるなどの場合は、税理士業務とはいえないし、同じ内容であっても、それが具体的な納税義務にかかる個別的な事案である場合は、税務相談に当たるということができる(基通2-6)。(日本税理士会連合会)

      …そういうわけで、いいか悪いかという視点でのお答えはできないのです

      ここでのお話は、私の考え方を述べるのみになります。

      一般に、「売掛金/売上」 の仕訳は、相手方から支払いの約束を得た時点で行いますよね。

      私は、ASPが支払の約束をするのは月末だけだと考えています。そのため「売掛金/売上」 の仕訳は月末だけに行うようにしてます。

      税理士法の都合上、奥歯にものの挟まったような物言いになることをご理解ください。

      具体的な相談は税理士の独占業務です。

      返信
  4. しるべすたすたろーん

    アマゾンの売上確定日って「入金当月2日」じゃなくて「前々月末」じゃないのですか・・?

    返信
    1. ウェブシュフ 投稿作成者

      前々月1か月分の売上が、入金当月の2日に確定されていますよ。

      返信
      1. しるべすたすたろーん

        「前々月末」に振込するのが決定されるのですから、確定日は「前々月末」とはならないのでしょうか・・?
        売掛金って「売上が確定した時」ですよね・・?
        すみません、初心者なのであまり良くわかっていません。。

        もしよろしければソースを明示していただけると助かりますm(_ _)m

        返信
        1. ウェブシュフ 投稿作成者

          アマゾンアソシエイトサイトの「アカウントの管理 」→「支払い履歴の確認」と進んでいただけると、アマゾンが前々月分の売上(アフィリエイト報酬)をアメリカ時間当月1日か2日に承認して確定させ、当月末に振り込んでくれていることが分かると思います。

          返信

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