「トランス脂肪酸が危ない!マーガリン厨死亡!バター使え!」はひどいデマ

更新


アメリカで食品へのトランス脂肪酸使用が禁止される動きがあって、ネット上で「マーガリン厨死亡」などと、マーガリンではなくバターを使えとの論調が盛り上がってますが、それはちょっとひどいデマです。

トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、Wikipediaによると

一定量を摂取するとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ心臓疾患のリスクを高める

とあります。確かに摂取しすぎるとろくなことはありません。

これを受けて、トランス脂肪が多く含まれているマーガリンの摂取を控えよう、という主張が増えています。

それは正論で別にデマではありません。

バターにもトランス脂肪酸が入っている

問題はマーガリンの代わりにバターの使用を進める論調です。これはおかしいです。

マーガリンと同様バターにもトランス脂肪酸が多く含まれています。

農林水産省/食品に含まれる総脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量によると、市販のバターやマーガリンのトランス脂肪酸含有率は以下のようになっています。

マーガリン バター
最低 0.94 1.7
最高 13 2.2

トランス脂肪酸が怖いなら、バターではなく、トランス脂肪酸使用量が最も少ないマーガリンを使うほうがましです。

トランス脂肪酸は人工のものでも天然のでも同じような害を人体に与える

ネット上には、「天然のトランス脂肪酸は大丈夫で、人工のものだけが危険」だから、マーガリンからバターへの乗換えを勧める論もあるのですが、それも間違いです。

いや、少なくとも、正しいというには証拠が乏しすぎます。

そのあたりはアメリカ版wikipediaのTrans fatに詳しいです。

Alberta Livestock and Meat Agency(カナダ・アルバータ州畜産食肉局?)とDairy Farmers of Canada(カナダ酪農協会…畜産業者の業界団体)から資金援助を受けた研究では「天然のトランス産は大丈夫」という結論が出ました。

一方、米国農務省が酪農業界から資金援助を受けて行った研究では、「天然のトランス産もLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ心臓疾患のリスクを高める」という結果が出ました。

スポンサーである畜産業界から圧力がかかったかどうかは定かではありませんが、農務省の研究結果は公表されませんでした。しかし、なぜかwebで絶賛公開中

また、オランダのアムステルダム自由大学
(VU University Amsterdam)のブラウエル(ブラウワー)博士(Ingeborg A. Brouwer)も、「トランス脂肪酸は人工のものでも天然のでも同じような害を人体に与える」という研究結果を発表しています。

このような状況では「天然のトランス脂肪酸は大丈夫で、人工のものだけが危険」とは断言できないです。

食の安全にとてもこだわるのなら、安全策で「天然でも人工でもトランス酸は危険」と考えるべきです。

安全にこだわるならマーガリンからバターに乗り換えるのではなく、マーガリンもバターも使わないのが正解です。

トランス脂肪酸が危険なら牛・羊由来の全ての乳・肉もダメ

天然のトランス脂肪酸は、牛や羊などの反芻動物の胃の中で微生物によって作られます。

従って、牛肉・羊肉・乳製品には、2~8%のトランス脂肪酸が含まれます。

トランス脂肪酸のもたらす害を警戒するなら、マーガリン・バターだけではなく、牛肉・羊肉・乳製品も摂取を控えなければなりません。

それにしてもひどいデマ

このように見てくると、マーガリンをバターに代替するのは、トランス脂肪酸による害を防ぐという観点では全く的外れです。

トランス脂肪酸に限らず、「人体に悪影響があるから○○を規制すべき」という論には、科学的根拠が乏しいデマの類がとても多いです。

人それぞれ、自分で調べて自分が納得いく判断を下すのが一番いいんじゃないでしょうか。

少なくとも、一律にトランス脂肪酸の使用を禁ずるファシズムのような発想は絶対避けるべきだと思います。

「トランス脂肪酸が危ない!マーガリン厨死亡!バター使え!」はひどいデマ」への2件のフィードバック

  1. マーガリン禁止論者

    表示がはっきりしないので、13%のマーガリンを引かないようにするためには「マーガリンを買わない」以外の方法が見つかりません。
    先日、バターがないので「トランス脂肪酸の少ないマーガリンまたは類似品」を買おうとしたけど、トランス脂肪酸のことに外箱で触れてある製品は1つも見つかりませんでした。

    返信
  2. そうですね

    上の方は勝手に割高なトランス脂肪酸含有バターを使い続けていればいい
    そもそも日本人はアメリカ人のようにファストフードやお菓子ケーキなんかを馬鹿食いする人が少ないので
    アメリカと比べトランス脂肪酸が直接健康リスクになるほど摂取されてはいない
    事実として、日本ではトランス脂肪酸の一番の害とされる心臓病で亡くなる方の割合は当然アメリカほど多くはない
    薬、上記の塩、酒等、多くのものに言えることだが、結局のところ過剰だからこそ害になり得るのであって
    今のところ過激に摂取していない日本人にとってはそれほどのリスクではない
    だからこそ日本ではまだまだ一部の”声の大きな”市民団体くらいしか騒いでいないしそれほど重要視されていないのだ

    福島の原発事故の時に「放射能!放射能!」と差別とも言えるほど過激に反応していた方々がいたが
    上の方も含め自分で情報をきちんと精査することさえ出来ず、ただ情報発信者の思惑通りに流されるしか
    出来ないのであればそもそも情報自体手にするべきではない
    そういう方々にとって情報は毒だ
    他者に自己をコントロールさせるための鎖でしかない

    この話にはアメリカの産業が今まで散々にやり続けてきた金による情報、大衆、ビジネスのコントロール
    といった側面がかなり強いということを十分に理解し、眉に唾をつけて臨まなければならない
    そうでなければ駄目なのだ

    返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です