保険の転換、増額、減額

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保険を見直す方法は解約して新しい保険を選ぶことだけではありません。

転換、増額、減額などの手段があります。このうち転換は特に注意が必要です。

特に外交員から転換を勧められたらとりあえず断りましょう。

転換とは何か

解約返戻金がある保険契約を解約すると、普通は解約時に、解約返戻金や積立配当金を受け取ります。

しかし転換では解約返戻金を受け取りません。

転換した場合、解約した保険契約の解約返戻金(場合によっては責任準備金)や積立配当金は、新たに契約した保険の責任準備金として使われます(責任準備金に充当された解約返戻金等の金額を転換価格または下取り価格といいます)。

転換後に新たに支払う保険料は、普通に新規契約した場合と比べれば安く済むことが多いです。

ただし、転換は解約する保険も、新規契約する保険も、同じ保険会社である場合のみ使える方法です。

車を買うときに、古い車を下取りに出して、その売却金額を新しく買う車の代金に充てるのと少し似ていますね。

転換で本当に保険料が安くなるのか

転換すると新たに支払う保険料は安くなることが多いです。

ウェブシュフ妻
保険料が安くなるなら、転換ってお得じゃない?
ウェブシュフ
いや、別にお得じゃないよ

でも本当に保険料が安くなったとは言えないのです。

転換後に定期的に支払う保険料が安くなるのは、解約前の保険の解約返戻金などが、新たに契約した保険の保険料として充当されているからです。

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新規契約だと責任準備金はゼロから積み立てなければならないのですが、転換すると最初からある程度積み立てられている状態からスタートすることができます。

その分、転換後に払う保険料は安くなります。決して保険料の総額が安くなったわけではないのです。転換後に改めて支払う保険料が安くなっただけですよね。

保険料が高くなったとか安くなったという話をする場合は、月々支払う保険料の金額ではなくて、必ず総額で考えてくださいね、

転換の種類

保険の転換は、転換前の保険契約の解約によって生じた解約返戻金等を、転換後の保険契約の責任準備金として充当するものでした。

転換後に新たに定期保険特約付き終身保険を契約する場合、この充当の仕方によって、一時払い保険購入型転換と、転換前責任準備金分割保険料充当型転換に分かれます。

一時払い保険購入型

一時払い保険購入型は、転換前契約の解約返戻金等を、転換後の契約の一時保険料として充当する方式です。基本転換、比例転換、定特返還の3種類に分けることができます。

基本転換は、転換前の保険の解約返戻金等(転換価格)を、終身保険部分の責任準備金に充当する転換形式です。転換後の保険料は、終身保険部分のみ軽減されます。

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定特転換は、転換前の保険の解約返戻金等を、定期保険特約部分の責任準備金に充当する方式です。転換後の保険料は、定期保険特約部分のみ軽減されますが、特約が更新されると、それ以降は通常の保険料を支払うことになります。

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比例転換は、転換前の解約返戻金等を、終身保険部分と定期保険特約部分とに一定割合で振り分けて、充当する方式です。保険料は終身保険部分も定期保険特約部分も少し軽減されます。しかし、定期保険特約部分は、特約が更新されると、それ以降は軽減されず通常の保険料を支払うことになります。

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転換前責任準備金分割保険料充当型

転換前契約の解約返戻金等を転換ご契約の保険料の一部として分割して充当する方式です。

転換前責任準備金分割保険料充当型の場合は、転換前契約の解約返戻金等が、転換後の保険契約のどの部分の責任準備金に充当するかは指定されません。転換後の契約で定められた期間に分割して、保険料全体の一部として充当されます。

保険外交員が保険転換を進めてきたら要注意

保険の転換は契約者が自ら希望して行うことはほとんどありません。

たいていの場合は保険外交員から

外交員
保険料はほとんど同じで今よりも保障が充実しますよ。新しい保険に転換しませんか

などと、いかにもいい話のように持ち掛けられて、誘いに乗る形になります。

こういった転換は契約者にとって損になることが多いので注意が必要です。

生命保険会社が契約者に有利な逆ザヤ契約を必死に転換させた黒歴史

生命保険会社は、金利が高かったバブル終末期に、予定利率が5%もの高い契約をたくさん取りました。

しかし、バブル崩壊後に超低金利時代となり、これらの契約は予定利率通りの運用が難しくなりました。

運用利率が予定利率に追い付かない部分は、当然保険会社の持ち出し(自腹)です。これを逆ザヤといいます。

当時は、保険会社の破たん時以外には、予定利率の変更は認められていませんでした。

そのため、1990年代末から2000年代初めにかけては、生命保険会社の破たんが相次ぎました。

会社名 破綻時期
第百生命 2000/5
大正生命 2000/8
千代田生命 2000/10
協栄生命 2000/10
東京生命 2001/3
第一火災 2000/5
大成火災 2001/11

生命保険会社は長い間逆ザヤに苦しんできたのです。しかし2014年3月期決算で主要生保から逆ザヤは無くなったと言われています。

逆ザヤが解消したのは、アベノミクスによる株高や円安の影響、時とともに予定利率が高い契約が満期を迎えたことなどが大きいのですが、保険の転換も一つの要因です。

予定利率5%以上の高利回りの保険契約(契約者からすればお宝保険)を、予定利率1%そこそこの低利回りの契約に転換するよう、保険契約者を熱心に勧誘したのです。

かなりの数の契約者が、保険外交員に言われるままに、せっかくの「お宝保険」を低予定利率の保険に転換しました。

保険会社が熱心に勧誘する保険商品というのは、基本的に保険会社にとって有利で契約者にとっては損な商品です。

転換そのものから話がそれてしまいましたが、熱心に勧誘される保険商品には、契約者が損をするばかりの商品も多いということは憶えておいていいと思います。

増額と減額

転換について沢山説明しましたが、増額と減額についても触れておきます。

増額

保険の増額とは補償額(保険金額)を増やすことです。

増額の方法は二通りあります。

一つ目は、加入している保険の種別はそのままに、保険金額のみを増額する方法です。

ウェブシュフ
保険金500万円の終身保険に入っている人が、保険金額を1000万円に増やす。

というような保障の増やし方です。保険金を増額した分、保険料は高くなります。

二つ目の方法は、これまでの保険契約に新たな特約を付ける方法です。

ウェブシュフ妻
保険金500万円の終身保険に加入している人が、保険期間10年で保険金額1000万円の定期保険特約を付ける。

というような保障の増やし方です。特約を付加した分、保険料は高くなります。

保険を増額する場合は、ほとんどの場合、告知や診査を改めて行わないといけません。

また、新たに増額した部分に対応する保険料は、増額時の年齢・保険料率に従って計算されますので、増額した部分は既存の契約に比べて保険料が割高になります。

減額

保険の減額は増額とは逆です。保険金額を減らしたり、不要になった特約を外したりすることです。

減額は一部解約として扱われるので、その部分の解約返戻金があれば払い戻されます。

定期保険特約付き終身保険のように、主契約に特約が付いている保険契約を減額する際には注意が必要です。

主契約部分を減額すると特約部分の保険金や給付金も減額することになる場合があるのです。

減額前には保険契約の内容をもう一度確認しましょう。