フットインザドアやドアインザフェイス等の心理学的テクニックに溺れると逆効果

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某社からの広告掲載オファーがSEO的にトンでもだったことは既に書きましたが、実は依頼の仕方にもカチンと来てました。@web_shufuです。心理学的な駆け引きは見透かされると逆効果だと思います。

某社との駆け引き

某社との駆け引きはこんな感じです。私のドス黒い感情とともにお楽しみください。

某社
広告掲載してください。関心あるなら条件提示お願いします。
ウェブシュフ
オファーするなら最初から詳細に具体的にしろよ。無駄なやり取り発生するじゃん。とりあえず、相場無視して適当に吹っかけてやるかwww
ウェブシュフ
記事直下レクタングル1ヶ所につき1ヶ月5万円頂けるなら設置します。
某社
サイドバーのテキスト広告でいいのですが、それでも月5万ですか。あっ、でもリンクにはnofollowつけないでね。
ウェブシュフ
広告リンクは絶対nofollowです。これは譲れません。
某社
それなら今回の話は無かったことに…

ウェブシュフ
nofollowみたいな大事な条件言わずに交渉を進めようとするなよ…。最初から言えよ。誠実さゼロかよ…

相手がフットインザドアというかローボールテクニックというか、大事な情報を小出しにしながらYESを繰り返し取っていく戦術に出てきたのでカチンときました。

そこでこちらはドアインザフェイスで対抗した形になっています。

フットインザドア

フットインザドアの語源は昔の強引な営業マンの販売手法にあります。

隙間に足を差し込むことから彼らの売込みが始まったことに由来します。

彼らの手法はこんな感じ。

営業マン
ピンポーン♪
家の人
(ガチャっと戸をあけて)どなた?
営業マン
(玄関のドアが開いてできた僅かな隙間に足を差込み)話だけでも聞いて下さいませんか。
家の人
いいわよ。
営業マン
一つだけでも買って下さいませんか。
家の人
一つなら良いわ。
営業マン
これ(本当に売りたかったもの)も買って下さいませんか。
家の人
うーん、わかったわ。

このように、

  1. まず相手にとって負担が小さく同意しやすい依頼を行い承諾を得て、
  2. 少し負担を大きくした依頼を行い再び承諾を得ることを繰り返し、
  3. 最終的にかなりの負担を伴う依頼を行って承諾を得る

という交渉術がフットインザドアです。

実験などの具体例

そんなに上手く行くのかとお考えの方もいると思いますが、これが結構効果がある交渉テクニックであることがわかっています。

1966年にフリードマンとフレーザーによって行われた実験によると、フットインザドアテクニックによって、要請に対する承諾率が4倍以上に跳ね上がるケースすらあります。

一貫性の原理を利用している

フットインザドアは一貫性の原理をうまく利用したテクニックです。

一貫性の原理とは、自分が一旦行った判断や発言をなかなか変えたがらない傾向のことです。

言うこと為すことがあまりにコロコロ変わる人は信頼されにくいので、そうはなりたくないという心理が働くのです。

一旦受け入れやすい頼みごとに応じてしまうと、一貫性の原理に影響されて、本来ならとても受け入れられない要請に対してもYESと言ってしまう可能性が高まります。

ローボールテクニック

フットインザドアテクニックの中でも、

  1. まず、相手にとって受け入れやすい提案で承諾を取り、
  2. その後、相手が本来なら受け入れにくい条件を小出しに付加してその都度承諾を得て行き、
  3. 最終的に相手にとってとても都合が悪い条件まで飲ませる

ものをローボールテクニックといいます。

例えば以下の例では

販売員
このエアコン、通常5万円のところ、今日ならなんと2万円で提供できます。
ウェブシュフ妻
それなら今日買います。
販売員
工事費が別途1万円かかりますけどよろしいですか。
ウェブシュフ妻
(工事費コミじゃないの?でも合計3万円なら…)まあ、いいですよ。
販売員
土日休日の工事費は3割増ですのでご了承ください。
ウェブシュフ妻
(日曜しか工事無理なのに…でも合計3万3000円なら…)まあ、良いでしょう。

2万円でエアコンを買う約束に、工事に関する重要な条件を後から小出しで付けられ、結局3万3000円でエアコンを買う約束にすり替えられてしまいました。

まあ、私の場合は「最初から工事の話言えよ」と思って交渉打ち切りですが。

某社と私とのやり取りの中で、某社の担当者が私に対して「リンクにはnofollowつけないでね。」という大事な条件を後から出してきたのも、ローボールテクニックですね。

ローボールテクニックが通用しなかったら相手に不満が残る

フットインザドアやローボールが有効と言っても、セールスなどの商売上の提案なんて断られるケースが圧倒的に多いです。

フットインザドアやローボールを使ってなお断られてしまった場合、テクニックを弄しようとしていたことは交渉の序盤でたいてい見透かされています。

特に、ローボールテクニックを使われた人は、テクニックを使った人のことを、狡猾で不誠実で信用するに値しない人だと考えてしまいます。(少なくとも私はそうです。)

そして「そっちがそう来るならこちらも考えがある」という形で不毛な応酬が始まります。

私の場合はドアインザフェイスで対抗したわけです。

ドアインザフェイス

ドアインザフェイスとは、フットインザドアとは反対に、

  1. まず、相手がとても呑めないような著しく高い要求を行い、
  2. 断られてから、多少譲歩した要求(とはいっても本来の要求よりまだ少し自分に都合のよいもの)を行い
  3. それによって相手にも譲歩させて、最終的に自分が本来相手に要求したかったことを承諾してもらう

ような手法です。

お互いの歩み寄りを計算した上で、最初に過大な要求をして、妥協点が自分にとって十分満足のいくものになるよう計算しているわけです。

先ほどのエアコンの話でも、最終的に3万円台で売ることを目標に、最初に「通常5万円」などと吹っかけたなら、ローボールと同時にドアインザフェイスも使われていることになります。

私が「 記事直下レクタングル1ヶ所につき1ヶ月5万円頂けるなら設置します」と言ったのは、当ブログの実力からすると相場を著しく上回る要求であり、これもまたドアインザフェイスです。

某社の担当者は多分不快な気分になったと思います。

実験などの具体例

ドアインザフェイスもまた、結構効果がある交渉テクニックであることがわかっています。

チャルディーニらの実験によれば、ドア・イン・ザ・フェイスの利用で承諾率が3倍に跳ね上がる事例が報告されています。

好意の返報性を利用

ドアインザフェイスは好意の返報性を利用したテクニックです。

好意の返報性というのは「誰かに好意を受けたら自分も相手に好意で報いなければならない」と考えてしまう性癖のことです。

性癖というと特殊な人のみの特徴に聞こえるかもしれませんが、多くの人がこの好意の返報性を持っています。

譲歩を受けると「譲ってもらった」と感じますから、好意の返報性によって「こちらも譲ってあげなきゃ」と思い易いのです。

ドアインザフェイスが通用しなかったらそこで交渉が終わる

しかしドアインザフェイスも万能ではありません。

最初に行う要求の水準が高すぎると「お話にならん」と交渉が打ち切られてしまいます。

そうなると好意の返報性は出る幕がありません。

心理テクの応酬は避けるべき

心理テクニックの一部については、販売の際に使用すると、金融商品販売法、消費者契約法、景品表示法などの法律を犯すケースがあります。

つまり心理学的テクニックは犯罪と紙一重。

相手から「心理学的なテクニックを仕掛けられた」と思われると信用ガタ落ちです。

心理テクの応酬になったらお互い不信感の塊になるので避けたほうがいいでしょう。

今回の私と某社のやり取りで言えば、最初の段階で、某社担当者に「広告の対価、広告の仕様、広告期間など詳細を具体的にご提案頂かないと関心の持ちようがありません」とでも言って、情報を一気に出してもらうべきだったと思います。

今後の交渉ごとでは心理学的なテクニックの不毛な応酬は避けたいです。

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